バカとTDM850の記録

すでにご存知の方も多いだろうけれど、バイク差別はETCだけではなく、来年４月から施行される「高速道路における二輪車の二人乗り解禁」でも見られる。
JHが管理する高速道路（東名や関越など）では二輪車の二人乗りが認められるが、東京都公安委員会は「首都高速での部分的な規制続行」を狙っているらしいとのウワサなのだ。

彼らの主張は「一般道と比べて事故率が高くなる危険がある」との主旨なのだが、その検証方法にトリックがある。
詳しくは、すでにおなじみのこちらのサイトをご覧になっていただきたい。

「小林ゆきBIKE.blog」首都高二人乗り問題、矛盾だらけの読売報道
http://yukky.txt-nifty.com/bikeblog/2004/10/post_19.html

どう考えても納得いかないこの規制が可決されてしまうと、名古屋・大阪などの都市部の高速道路にも飛び火する懸念があるし、首都圏在住の市民だけの問題ではないのだ。
一度規制されたものが解禁されるのは容易ではない。今が最後のチャンスかもしれないのだ！

ここをご覧になっているバイク乗りの方はもちろんだけど、バイクに乗らない方たちも、この問題を考えてみてはいただけないでしょうか。

「高速道路二輪車二人乗り規制撤廃会議」
http://www.seihosha.jp/freedom/index.html
こちらのBBSでは、東京都公安委員会へ宛てた嘆願書送付の協力を呼びかけています。
私もさきほど嘆願書を送りました。
趣旨に賛同される方は、ぜひ！

先日のプラグ交換で装着した、普通のプラグより４倍も高価なイリジウムプラグ。
さて、その効果やいかに!?

以前、CRM250Rに乗っていたとき、プラグの先端部が二股に分裂したタイプのプラグをつけたことがある（デンソーだったかNGKだったか忘れたけど、どちらのサイトを見てもこれに該当するプラグは見つからなかった。カタログ落ちしたのかな？）。
レース向きということで高回転域に特化したプラグではあったものの、これに替えてツーリングに行ったら、普段は12〜13km/Lだった燃費が８km/L以下に落ちたことがあった。

それ以来、ノーマルなタイプ以外のプラグにはあまりいい印象がなかったのだけど、イリジウムプラグに関しては燃費が悪化するということはなかった。
かといって、燃費が向上したワケでもない。

あえていうなら……実は、燃費は落ちているんだな、これが。

それには理由があって、直接プラグが悪さをしているワケじゃない。
プラグを交換して、もっとも体感できたのは低速トルクの向上だった。
以前、相棒TDM850は低回転域のトルクが薄い、つまりヘッポコな感じだと書いた。
それがよくわかるのは、停止状態または10km/h未満の速度からの右左折時だ。そんなシチュエーションでは、１速だとエンジンが吹けあがってしまい、ギクシャクすることがある。
そこで２速で曲がろうとすると、1,500〜3,000rpmあたりの回転域を使うことになるのだが、アクセルを開けても「ぼっ、ぼぼっ、ぶぶっ」てな具合にしかエンジンが吹け上がってくれず、失速してしまうことがあった。バイクを曲げようとしているときだから、失速はバランスを失うことになり、高重心のマシン特性がそれを加速する（ガソリン満タン時はとくに）ので、転倒しそうになる。
相棒に乗りはじめて１か月くらいの間は、そういう場面が何度かあった。

また、ツーリングのときなど、四輪（とくに地元ナンバーの軽トラ）に40〜50km/hで先行されるというシチュエーションがある。そのまま10km以上ランデブー走行となることも多いので、自然とギアは高めにしてエンジンの回転は低めで巡行、ということになる場面ってけっこう多い。
そんなとき、2,500〜3,000rpmの間でエンジン回転をキープするのだが、その回転域から加速しようとすると、やはり「ぶぶっ、ぶっ、ぼぼぼ〜」といった感じで、断続的に回転が上がっていくといった印象があった。
エンジンのこの吹け上がり方はガソリンが少なくなり、リザーブに切り替えなければならない寸前の現象にも似ていて、何度か「えっ、もうガス欠っすか!?　まだ100kmしか走ってないよ、相棒！」と焦ったこともあった。

低速コーナーでの失速については私の運転技術の低さが大きな理由なのだが、「大型バイクといっても下のトルクはないんだなあ」と感じていた。
そんなことをいけしゃあしゃあとwebで公開している私の大型バイク体験は、相棒の他に教習車のCB750しかないというのはナイショだ。
あ、そういえばGSX-1100Rに乗ったことがあったな。20mくらいだけど。

しかしであーる！
そんな「低回転域のトルクの薄さ」が、プラグを交換したことによって改善されたのですよ。２速、1300rpmあたりからアクセルを開けても、「ぼぼっ、ぼっ、ぼっ」と息つぎするような回転の上がり方ではなく、「ぼぼぼぼ〜」と連続的に回転が上がるようになったのだ。
これはとても気分がよく、街乗りはもちろん、ツーリングでのＵターンでも重宝する、うれしいパワーアップだ。
ヘタクソ＆ヘッポコな私に、「俺ってうまいじゃーん！」と勘違いさせてくれる、大いなる恩恵があったのだ。

燃費の悪化は、「低回転域のトルク感が上がったことで、アクセルを開けすぎてしまう」ことが原因なのではないかと、私はおもっている。
悪化したとはいってもそんな大げさなものではなく、１リッターあたり１kmあるかどうかといったところ。このくらいだと誤差範囲でもあるので、これについては暫定的な意見だ。

でもそんなことをいうと、新品のノーマルプラグから新品のイリジウムプラグに替えたワケじゃないので、すべてが暫定的な意見になってしまうのであって、あくまでもこれは「プラグ交換による特性変化」のインプレッションにしかなってないんだよねぇ。

そうそう、ちなみに4,000〜7,000rpmでの高回転域では、5,000kmを走行したノーマルプラグとの違いは体感できなかった。

というワケで、イリジウムプラグについて……もとい、プラグ交換についての私の感想をまとめると
・低回転域のトルク感がアップ
・その結果としてついアクセルを開けてしまうため燃費はダウン
・中〜高回転域ではとくに変化を感じられない


じゃあ、長所である低回転域のトルクアップに、ノーマルプラグの４倍の費用対効果があるかというと……ないなぁ。
猫に小判だから、次回はノーマルプラグでいいや。

いつかはやるんじゃないかとおもっていたオオポカを、ついにやらかしてしまった。うがああがああがああ！

解体屋やバイク用品店に立ち寄りながら三浦半島を目指そうと、午前11時過ぎに自宅を出発。国道246号線をプラプラと走る。
途中でホームセンターDoitを発見して買い物、再び走り出した。

解体屋に着いて、物色を開始。目当てのものはH4カプラなのだが……この日はハーネスをまとめてある場所を開放していないらしく、入手できなかった。
ザンネン。

さぁて行くかあと相棒の元へ戻ると、何か様子がおかしい。何かが違う。んー、どこが違うんだろ？　およよ……キーの位置がオン……お、オン!?
セルボタンを押しても、なんの反応もしてくれない相棒。すっかり黙りこくったままだ。
どうやらすっかりとバッテリーがあがってしまったらしい。

以前、キーの壊れたバイクに１年以上乗りつづけていた期間があった。エンジンオフはキルスイッチを使い、普段はキーを使わずに乗っていた。ストリート系なんて言葉もなかった頃のオフロードバイクは、それでもイタズラや盗難に遭うことはなかった。
その頃のクセがいまだに残っていて、私は今でもキーを挿しっぱなしにしたまま相棒から離れてしまうことがある。
それでも、いつもならイグニッションをオフにしているのだが……このときはサイドスタンドを出した後、相棒の駐車場所を微調整しようとギアをローに入れたときにエンジンが止まり、「まっここでもいいか」と、それでイグニッションをオフにした気になってしまっていたのだ。
それに、今までの相棒たちはみんなバッテリーレスだったので、バッテリーに対する危機管理が甘いのも原因のひとつ。
あいにく、相棒を停めた場所は晴天の日向。ヘッドライトやメーターランプなどが点きっぱなしなことを確認しにくかったのも……いや、イイワケはよそう。うがあがががあああ。
ゴメンよ、相棒。

時計を見ると、30分以上もイグニッションをオンにしたまま、相棒を放置してしまったようだ。相棒はヘッドライトが常時点灯なので、快晴の真昼にもかかわらず黙ったままで道路を照らしつづけるという、意味のない苦行をしいてしまったワケだ。

そのまま解体屋でなんとかすればよかったんだけど、ジャンキーが集まる場所で「キーをオンにしたままバッテリーあげました、トホホ」なんて助けを乞うのはカッコわるすぎる。
近くのガソリンスタンドまで相棒を押して歩いた。下り坂で押しがけもしてみたが、相棒は起きてくれない。

200mも離れていないところにガソリンスタンドがあったのが幸いだった。
事情を説明して充電器を借りた。相棒にはシートを外した位置にバッテリー充電に使えるターミナルがある（らしい）ので、そこへつないだ。イグニッションをオンにしてセルスイッチを押すが……相棒はウンともスンともいってくれない。
かなり大きくヘソを曲げてしまったようだ。
ゴメンよぉぉおお、そろそろ機嫌直してくれよぉぉぉ。

充電器につなぎっぱなしにしてしばらく放置してみてもダメ。
シート下のターミナルではダメなのかとおもい、スタンドの片隅で相棒をハダカにした。相棒のバッテリーはタンク下にあるから、カウルとタンクを外さなきゃならない。うーむ、こんなところで相棒素っ裸。いや〜んな感じ。

バッテリーに直接充電器を接続したが、やはりダメ。
スタンドの兄ちゃんの提案で、ブースターケーブルで四輪とつないでみた。するとようやくブルルンと相棒が目を覚ました。
ホッとしてブースターケーブルを外したら、プスンと相棒がまた止まってしまった。どうやら完全にバッテリーが死んでしまったようで、プラグへの火が飛ばなくなってしまっているようだ。

これまた幸いなことに、歩いて10分とかからないところにバイク用品店があった。新品のバッテリーを買ってきて、相棒に載せる。イグニッションをオンにしてセルスイッチを押すと……ぶるる〜ん！　あ、相棒……ようやく目を覚ましてくれたか！
でも、イグニッションはオフのままだったのに、バッテリーのターミナルをつないだ瞬間にセルが回りはじめたのはどうしてだろう。ん〜、とりあえず相棒がキゲンを直してくれたから、なんでもいいや。

だいぶ時間がかかってしまい、すでに日が暮れかけてしまった。それに……疲れた。
用品店に寄ってブレーキパッドを買い、家路についた。
夕方の国道246号線上りはあいかわらず混んでいて、スリスリ走行。

それにしても、解体屋で部品を安く手に入れようとしてバッテリーをあげてしまい、その結果新品バッテリーを買うハメになるとは……まったくもってトホホな気分。
深く反省しつつ、バッテリーは12,264円ナリ。い、痛い出費だ。
うがあがあがあ。

先日見つけたお気に入りの道を通って墨東病院へ向かう。
夕方の環七内回りはそれなりに混んでいて、やっぱり渋谷を抜けたほうがよかったかなと、ちょっぴり後悔しつつ走る。
第一京浜を越えてしまえば、あとは早い。トンネルを３つくぐればお台場に着いてしまう。
このトンネルは高速道路並みに快適なので、気を抜いているとすぐに一発免停のスピードになってしまう。調子こいてかっとんでいると免停になりそうな気配もぷんぷんしているので、ギアを低めにしてスピードを抑える。

１つめのトンネルを抜けたところで、西の空がきれいに焼けていた。柿色に染まった地平には、遠く富士山が見えた。
相棒を停めて、一服。
先週、すぐそばまで行ったときは姿を見せないくせに、こうして遠くにいるときだけ姿を見せるとは、ヤツはよっぽど恥ずかしがりなのか。
私との相性がわるいだけなのか。

まあ、そんなことどうでもいいや。

帰りに東雲のライコランドとスーパーオートバックスに寄ってみたが、目当てのものは見つからず。
21時を過ぎた環七はさすがに空いていて、あっという間に自宅に着いた。

念願のトレールタイヤを、相棒に装着した。
初めは簡単に考えていたけど、いざ選ぼうとするとタイヤの選択肢はとても狭かった。

ちなみに相棒のタイヤサイズは、フロント18インチ、リア17インチだ。
オフロードバイクのリアタイヤには18インチが多いから、リア用をフロントに履けばOKだ。
問題はリア。
17インチのオフロードタイヤは極端に少ない。あるにはあるのだが、タイヤ幅が狭いものしかないので、相棒のリム幅4.0に合うものがない。
そういうワケで、リア用のブロックタイヤは全滅。
選べるのは、ビッグオフのノーマルタイヤに指定されているような、かなりオンロード向けに振ったタイヤしかない。

これまで林道を走った経験から、リアよりもフロントを強化したいと考えてはいた。しかしフロントがブロックタイヤ、リアがオンロードタイヤというのは、バランス的にはどうなんだろう。
さすがにそんな組み合わせでタイヤを履いたことがないので、いくら考えてもわからない。

そこでとりあえず、近所に見つけたバイクタイヤの専門店・スピードスターさんに電話をして相談してみた。
TDM850で林道を走るためにトレールタイヤを履きたいと希望を伝えると、
「フロントはTDR250のノーマルタイヤ（TW35)がいいのでは」
という答えが返ってきた。

TDR250といえば……実は当初、相棒はコイツになるハズだった。
TDM850よりもデビューは早く、1988年。2stレーサーレプリカ・TZR250と同じ並列２気筒エンジンを搭載したデュアルパーパスバイクという超異端児だ。
まぁデュアルパーパスとはいっても、オンオフ比は８：２くらいだろう。
しかしなんといっても、レーサーレプリカと同等のエンジンを積み、ダートをカッ飛ばせるバイクというのはコイツくらいしかいない。
CRM250Rで2stの魅力にとりつかれていた私にとって、TDR250はフェロモンをぷんぷんと発散させる小悪魔的なバイクだった。

いかん、話がそれた。

まぁそんなこんなで、相棒のタイヤは、フロントがTW35（100/90-18）、リアがTW152（150/70R17）になった。
当初、フロントもリアもチューブレスのままでいこうと考えていて、フロントにはTW302（120/80-18）を入れたかった。
サイズ的にはいけそうだったのだが、「フロントフェンダーに当たりますよ」と店員さんに指摘された。そこまでの改造をする気はないので断念。
パンクのことを考えるとチューブレスのままがよかったんだけど、「フロントってあまりパンクしないから」と店員さんに言われて、それもそうだなと納得。プロの意見には弱い私である。

さて、これによって相棒のダート性能はどうなったか。
まず、泥濘路でのフロントの不安が改善された。フロントが滑る前にリアが滑るようになった。もちろんフロントが滑るよりも、リアが滑るほうがコントロールはしやすいし、転倒もしにくい。
砂利路面でも、コーナーでの倒し込みを深くできるようになったし、今までよりもフロント荷重を意識しなくてもよくなった。
フロントに関していえば、まったくもって狙いどおりになってくれた。
ちなみに、ロードノイズやゴツゴツ感はほとんど気にならないレベルだ。

だがフロントのグリップが向上したぶん、リアのプアさが際立つ。やはりバランスはよくない。リアは次回のタイヤ交換までの課題だ。
今のところ、コレが最大有力候補なのだが、サイズが若干違う。
相棒のリア適正サイズは150/70-17だが、このタイヤは160/60-17なのだ。スイングアームに当たらずに入ってくれればいいんだけどな。
それと、相棒のリアのリム幅は4.0なんだけど、許容幅3.5のタイヤってやっぱり入らないのかなあ。入るならチューブタイヤにすることも視野に入ってきて、選択肢が大幅に増えるんだけどな。

総合的に見て、狙いどおりにダート性能は上がった。
仮に、CRM250R＋MT21での林道走破性を10とした場合、TDM850＋ノーマルタイヤは２だった。
それが、TDM850＋TW35/TW152では４に上がったという感じだ。

早くリアを交換したいけど、フロントのほうが先に交換時期が来るのは間違いない。


追記
空気圧は指定どおりに入れると、舗装路ではいいけどダートでは跳ねてしまう。
そこでフロント・リアともに0.2kgf/cm2ずつ落としてみたら、リアはダートでの安定感がアップしてとてもいい感じになった。
だが、フロントは舗装路でアンダー気味になるので、指定どおりの空気圧に戻した。