2004/9/20

大川興業 第29回本公演「Show The BLACK」  STAGE


大川興業 第29回本公演「Show The BLACK」
に行ってきました。

事前に購入したチケットには
「暗所恐怖症の方、心臓の弱い方、妊婦の方は、あらかじめスタッフにお申し出下さい。」
という注意書きがタイトルのすぐ下に書いてあります。
この舞台では、演出の都合上、暗闇が約1時間30分続くのです。

出演者の名前も明かされず、それゆえ、役者の出待ち入り待ちもこの舞台に限って禁じられています。

今年に入ってまずCSで観て興味を持った劇団をお金と時間が許す限り、はたまたチケットが入手できる限り観るようにしてきました。
大川興業は、CSで「ふたつの神が宿る」「業・業・業」、「ハングリー精神'96」とか観ています。「全身全霊」はビデオ録画したまま行き方知らずになっています。
観るまでは、あまりいいイメージがなかったのですが、観てみるとこれが意外や意外。
観終わってからほんのり気持ちが癒されるのです。
今回は、カムカムミニキーナを観るのに東京に出るついでに他の劇団もはしごしようかなと思い立ち、探したところ運良く告知を発見したので即行でチケットを購入しました。
今年中に観ることになるとは思っていませんでしたが
生で観るのはこれがはじめてです。

会場は、昨日の本多劇場と同じく下北沢にある「ザ・スズナリ」です。
実は、私にとっては、はじめてのスズナリです。
本多劇場に行くのに3度も道に迷ったの私にしては珍しくスムーズに
しかも開場時間前に「ザ・スズナリ」に到着。
すでに大勢の人が来ていて整理番号順に並んでいました。
順番に並ぶために何人かの人に持っているチケットを見せてもらいましたが、どの人も親切でした。
心なしかほっとしました。
なんとも友達のお母さんみたいな雰囲気のスタッフの人から
開場前の注意事項を受けると、いざ中へ。
階段を上りきったところで、やはり気さくな感じがするスタッフから
ペンライトとパンフレットをいただき、
さらに黒い板で囲まれた細い通路を通ってようやく会場入りしました。
凄く古臭くて昭和のにおいがぷんぷんしているけど
この建物凄く好きです。何か落ち着きます。
ステージの幕に中原中也「茶色いサーカス」などの詩文が墨字で書きなぐられてあるのも好きです。
パイプ椅子が並べられた会場は、これまで観たどの舞台よりも小さいです。
整理番号が38番だったので、さほど期待はしていませんでしたが、
どうやら全部で40席もないようです。
運良く全4列中2列目のセンターに座ることができました。
この小ぢんまりした感じも心地よかったです。

で、待つこと30分くらい、何度も繰り返される
「暗所恐怖症の方、心臓の弱い方、妊婦の方は、あらかじめスタッフにお申し出下さい。」
「万一、上演中に気分が悪くなられて外に出られる場合は、
お渡ししているペンライトを必ず足元に向けてつけ、出口へお進みください。」
というアナウンスに正直幕が上がるまでは、かなり不安にさせられ嫌な汗をかかされましたが、いよいよ開演です。



いつのまにかコンクリートの壁に四方を取り囲まれている暗闇の中に閉じ込められていた6人の男たちの物語です。
突然の暗闇に困惑するサトウ、ワタナベ、タカハシ、スズキ、タナカ、イトウというありふれた名前の男たちは、すったもんだの末にサトウをリーダーとして訳の判らないその状況を乗り切る決意をします。
なんどか暗闇に耐えられずパニックに陥いるも、サトウが昔話を始めたり、生まれつき目の見えないワタナベが光を感じるようになったりいろいろあるうちに徐々に団結を固めていく6人ですが、そこに7人目の男が現れて…。

全ての謎は最後に解けるのですが、これがちょっと判りにくいです。
謎をそのままにしておけない人にはあったほうがいいのですが、
物語の空気を考えると、とってつけたようで無くても全然かまわなかったように思います。
暗闇が舞台のあちら側(演じ手側)とこちら側(客席)の境目までも取り払ってしまい
舞台の6人には最後まで真相が判らなかったように私もこのまま判らなくてもいいや
という気持ちになってしまいます。、。
声だけなのにそれがどの人かすぐに判るほど個性的な6人にすっかり引き込まれてしまいました。

暗闇を見続けると、やはり目も疲れるようです。
舞台はほんと真っ暗で、たぶんここまでの暗闇は、日常そうそう体験していないかもしれません。
舞台上の人はおろか、自分の姿すら観えませんでした。
物語は何幕かに分かれており、そのたびに幕が上げ下げされているようなのですが、それすら判りません。
そのくらい暗いのです。
その中で繰り広げられる声と気配だけの芝居。客席の笑い声でさえ芝居の一部であるかのようでした。
こんな舞台を考える大川前総裁、凄い人です。

本当に好いものを観させていただきました。
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ