2004/9/12

阿佐ヶ谷スパイダース「はたらくおとこ」  THEATER−TV


阿佐ヶ谷スパイダース「はたらくおとこ」
作・演出:長塚圭史
池田成志 中村まこと(猫のホテル) 松村武(カムカムミニキーナ)
中山祐一朗 池田鉄洋(猫のホテル) 長塚圭史 伊達暁  
富岡晃一郎 志甫真弓子



私がコント以外ではじめて観た舞台は、阿佐ヶ谷スパイダース「みつばち」でした。
以来、暗い話は好きではないけれど、つい阿佐ヶ谷スパイダースは観てしまいます。
全てが逃れられない不幸へと突き進んでいる中でのハッピーエンド。
それが、阿佐ヶ谷スパイダース、しいては長塚圭史作品のよさ
ではないかと思っています。


今回、CSシアターテレビジョンで観た「はたらくおとこ」は
舞台のつくりが、ちょっとウーマンリブ「熊沢パンキーズ」に似ていました。
そして、おはなしのほうも………


「過疎地の村の小さな工場を舞台に夢以外は何もない8人の男が繰り広げる、ちっぽけだけど彼らにはかなり壮大な物語。」(@ぴあ より)


工場が舞台ですが、彼らが作ろうとしているのは、渋くて苦い林檎です。
くだんの工場は、その林檎を包装するさいのスチロールパッキンを作るためのもの。
ただし、パッキンの形状に懲りすぎたため採算があわず、事業は大失敗し、工場は閉鎖されます。
それでも、社員は朝8時に出勤し午後5時に退社する毎日を過ごしています。
だれも工場を立ち去ろうとはしません。
何故、彼らがそんな食べられもしない林檎を作ろうと必死になっているのか、徐々に明かされていきます。

途中から凄くグロテスクになってきますが、物語に引き込まれているので耐えられます。
そして、そのグロテスクさがなければ、あとに続くカタルシスは得られなかったと思います。


終わり方が凄く好きです。
最後ですべてが浄化されるんですね。
たぶん、「赦す」という台詞で終わるとは思っていました。
それ以外に考えられなかったし。
でも、あんなふうにどんでん返しで持ってくるなんて……
最後の台詞がいつまでも余韻を残す舞台、好きですね。これはどうしようもないです。


役者さん、どの人も好きです。
終盤にかけての中村まことさんは渋くて素敵でしたし
池田鉄洋さんはこれまで見たどの役よりもよかったです。
こんな普通の青年もいいですね。
池田成志さんは、これまで観て記憶に残っているのが劇団☆新感線「レッツゴー忍法帖」のバッテン不知火だけだったので、余計にかっこよく見えました。

今にして思えば、生で観に行けばよかったと悔やまれます。
そのくらい辛くて痛くて心地いい舞台でした。
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