2015/9/24

今のオレ達「博打打ち」未来のオレ達「ジャンプ1」  MOVIE

え〜っと本日の映画は
試写会で他人様より少しばかりお先に見てきた

「バクマン。」

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です。

ご存知の方も多いと思いますが、
この映画もまた今やシネコンで上映される
邦画のほぼ半数を占める(と思われる)
「マンガを実写化した作品」となります。

しかも原作は天下の「週刊少年ジャンプ」に
2008年から2012年まで連載され
単行本累計発行部数は
なんと「1500万部」だってばよ!!?

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人気漫画→映画化のご時世一体どこを「売り文句」にすれば良いか迷うところです。

と、とりあえず驚いてはみたものの
この記録が凄いんだかどうなんだか判りません。
(ちなみに「DEATH NOTE」は3000万部突破
…え?半分?!)

連載がすでに終了している分、
他の「マンガの実写映画」とは一線を画し
伏線が回収されないままエンドロールに突入したり
エンドロールが終わったかと思うと続編を匂わせるような映像が
おまけでつくような心配もなく
1本の映画として安心して見ることができると踏んで
何の迷いもなく試写会に応募し、そして、当選いたしました。

ありがとうございますKNB北日本放送。

と、云っても私、
原作が雑誌連載されていた頃には完全に
「少年ジャンプ」は卒業しておりまして
殆ど読んでおりません。

だからと云って全く本作についての知識がないかと云うと
そう云う訳でもないのが
「少年ジャンプ」が
日本で最も売れているマンガ雑誌と称される所以でして


主人公の真城最高(サイコー)は
幼い頃「少年ジャンプ」に連載を持つ漫画家
叔父の川口たろうの影響を受け
自身も漫画家を目指していたものの
叔父の過労死をきっかけにその夢を捨ててしまいます。

やがて時は流れ、高校生になった最高は
ある日クラスメイトの高木秋人(シュージン)に
「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われます。

ジャンプ特有のアンケート至上主義に則り
連載を打ち切られ失意の中亡くなった叔父を思い出し
一旦は「漫画家なんて俺には無理!無理!」
と、誘いを突っぱねる最高でしたが、
片思いの相手亜豆美保が声優を目指していることを知り、
会話の流れから
「自分も漫画家になり、もし作品がアニメ化されたら
ヒロインの声をやってほしい」
と、お願いするついでにちゃっかりプロポーズ。

ダメ元のつもりが、亜豆が
「ずっと待ってる」
と云うなんというかかなり期待を持たせる返事をしてきたため
今更に引くに引けなくなった最高は秋人と共に
まんが道に足を踏み入れることに。

まだ漫画らしい漫画は1本も描いていないけど
持ち込むのなら絶対「少年ジャンプ」!!
これだけは譲れません!!
と、意気込む最高。

その日から、
川口たろうが使っていた仕事場で原稿を描き始める2人。

持つべきは何であれ遺産を残してくれる親戚ですね。

ペンすらまともに持ったことがなかった最高でしたが、
秋人の絵コンテを元に一銭のお金も使うことなく
叔父が残した原稿用紙、筆記具、インク、スケール
ロッドリング、絵の具、スクリーントーンを
ここぞとばかり使いまくり処女作を完成。

原稿を手に秋人とともに集英社に乗り込んだら
意外にも編集者の感触は上々。

こうなったら絶対に獲るぞ「手塚賞」!!
目指すは週刊連載!!

ところが、そんな2人の前に同じ高校生で
一足先にデビューした
自他とも認める天才漫画家新妻エイジが
立ちはだかるのでした。

はたして最高と秋人のコンビ「亜城木夢叶」は
最強ライバル新妻エイジに勝つことができるのでしょうか?!

…ってあれ?
これもジャンプお得意のバトル漫画なの?



と、この程度なら私でも常識として知っているのです。

かように原作を読んでもいないのに
ストーリーはおろか登場人物の名前もあらかた判るあたりが
「少年ジャンプ」のなせる技と云えましょう。



その人気漫画を
舞台となる集英社、「週刊少年ジャンプ」編集部の
全面協力の元
(ですので社名や実在の漫画家の名前、作品も使い放題!!)
革新的な映像表現に定評のある
大根仁監督(代表作「モテキ」)がメガホンを撮り
主演に若手実力俳優、佐藤健、神木隆之介を迎え
その周りに
染谷将太、小松菜奈、

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ヒロイン亜豆役の小松菜奈さん。いつ「バケモノ」になるかひやひや。

桐谷健太、新井浩文、山田孝之、
リリー・フランキといった
今やドラマ、映画と引く手数多の人気俳優を配しているのですから
面白くないはずがないじゃないですか!!



…ねえ。


面白いはずなんですよ。


…と、突然歯切れが悪くなってしまいましたが、
確かに、映画を見ている間はなんだかんだ楽しめてはいたのです。

真城最高役の佐藤健さんの
好きな女の子(=亜豆美保)を前にした時の
こなれていないドギマギ演技はとても愛らしかったですし、
執筆シーンの映画内プロジェクションマッピングや
アンケート順位を巡っての新妻エイジとの
バトルシーンでのCGには
それはそれは気持ちよく酔いしれさせていただきました。
さらにエンドロールのスタッフ紹介は

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この映画で漫画好きが一番鼻息高くなるのがエンドロールって…。

DVDが発売されたら改めて何度も繰り返し見たい程
楽しくて楽しくて…………


……でも、多分DVDを借りてきても
全編通しては見直さないと思うのです。

プロジェクションマッピングやエンドロールは
それこそ飽きるまで繰り返して見たいけど
本編丸丸119分見直すかと云うとそれはちょっと…。

何がそう思わせるのか、実ははっきりとした答えは出ていません。
つまらないわけでもないですし
おそらくこれ以上の実写映画化は難しいと思います。
ただ心の底から「面白い!!」とはならないのです。

これはこれまで見た大根監督の作品全般に云えることで、
本筋とあまり関係ないOPやED、アバンタイトル
状況説明シーン、ダンスシーンなどは非常に面白く
「おおっ!」となるのに
全体的に見ると
「……あれぇ?」となってしまうのです。

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「リバースエッジ 大川端探偵社」もOPとED見たさに見ていた所が無きにしも非ず。

映画の中に本来あってしかるべきはずのものが
ないからかもしれません。

例えば、

主人公を含めンメインは高校生(要は未成年)の話なのに
彼らの親の姿が全く出てこないこと

とか

最高も秋人も
ヒロインである亜豆以外の生徒との交流が全くないこと

2人が描く漫画作品に
制服を含め彼らの高校が舞台して使用されているのに
それに対する在校生の反応が全く描かれていないこと
(原作と違ってペンネームではなく
本名で漫画を描いているのですから気づくよね、普通。)

2人にとって揃ってお互い以外の友人が皆無なこと

亜豆も新妻エイジも高校を辞め
声優なりマンガ家なり1本に絞っているのに対して
最高も秋人もそこまでの覚悟がなく
寝に行ってるだけで
だらだら学校に通い続けた末に身体を壊し
それまで周りの大人が何のケアもしていなかったこと
(本来ここが新妻エイジの作品との違いを生み出すはずが
その割には2人とも「高校生活」をしてない。
そういうところを描いてない。)

実際に「少年ジャンプ」に掲載されている漫画のビジュアルが
あれだけ所狭しと使われているのに
読者アンケートのランキングに
「ONE PIECE」などの既存の作品名が出てこないこと



発売された「少年ジャンプ」を貪り読む読者と云う描写の中に
女性の姿が極端に少ないこと

亜豆とのラブストーリーが中途半端なこと

など、そういったところに
どうも違和感(と云うよりもの足りなさ)を感じてしまいます。

特に30年以上も前から
「少年ジャンプ」にとって女性読者は主要購買層とも云えるのに
それは無視ですか、大根監督。

主人公の名前に関しても
登場してからずっと「真城君」と周りに呼ばれていたのに
中盤過ぎたところで秋人がいきなり何の前触れもなく
「サイコー」と呼び出して
「え?『サイコー』って何だったっけ?
……あ、そうそう真城最高って名前だったわ。」
と、一瞬誰のことか判りませんでしたよ。

原作やアニメを見ていて
キャラクターの名前をしっかり把握している人ならいざ知らず
一見さんにとっては耳だけで
「サイコー=真城君」と瞬時に理解するのは
ちょっと難しいのでは…。

まあ、全20巻176話もある原作を
2時間弱の映画にまとめるのですから
削れるところはどんどん削られても仕方ありません。

でも、本来に原作にある物語や設定から
映画には不必要なものを削ぎ落とし
大幅な軽量化を図っているのに
その反面、目に入る情報量が膨大であるため
この映画で初めて「バクマン。」
という作品に触れる人(つまり私)には
ストーリーを追っかけるだけでいっぱいいっぱい。

そんなところが、
「う〜ん、(映像は)面白かったとは思うんだけど…。」
という心許ない感想になってしまうようです。

後、他に思い当るところと云えば
やはり「バトルシーン」かと。

長年「友情・努力・勝利」を3本柱とする
「少年ジャンプ」の作品には
「バトルシーン」が必要不可欠となっています。

例え最初は「ギャグ」であったり
「ミステリー」であったり
はたまた「ホラー」「ファンタジー」「ラブコメ」
と云った「バトル」に縁のないジャンルで始まろうと、
連載が長引くうちに「バトルもの」と化しているのが
「少年ジャンプ」の人気漫画のお約束です。

勿論、このマンガも例に洩れず。
最初は高校生2人が手に手を取り合って
「藤子不二雄」の如くまんが道を歩んでいく
漫画家サクセスストーリー話だったはずが、
いつの間にかアンケート順位を巡ってのバトル展開に…。

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週刊少年ジャンプにおいては読者によるアンケート結果が全てなのです。

「バトル」と云ってもこの場合
「どちらの漫画が読者の支持票をより多く獲得するか」
で勝負することになります。

ところが、ここで問題が…。
じっくり時間をかけ、主人公以外のサブストーリーや
劇中内マンガ作品の紹介にも手を出せる
テレビドラマやアニメとは違い
上映時間が2時間弱しかない映画ですと、
この「バトル」の肝心の部分が観客に伝わってこないのです。

というのも「バトル」に使用されるのは
スポーツやトレーディングカードや武術や己の拳などではなく
作品としての「マンガ」なのです。

対戦するのは
最高と秋人の合作「この世は金と知恵」
VS
新妻エイジの人気連載「CROW(クロウ)」。

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読者にとって面白い漫画の方が勝ちです。

主人公側の作品は
流石にその製作過程から描かれるため
だいたいどのようなストーリーか
かいつまんで説明されますが、
対する新妻エイジの作品」は
「ジャンプ漫画の王道ともいえる典型的なバトル漫画」
としか説明されないためどのようなストーリーなのかは
映画を見ているだけでは判りません。

そのためバトルの審査対象となる作品の面白さが
全く観客に伝わってきません。

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バトルは判りやすくこのような映像で描写されます。これはこれで楽しいのですが…

大根監督ご自慢のCGアクションで
凄まじい戦いの様子を見ることができても
映画の観客は
戦いのルールや戦術、スペックと云った情報を
何一ついただいていないので
どちらか(まあ、この場合は主人公側)を応援しようにも
どこを見て何を応援して良いのか判らず
ぼーっと勝負を見守るしかありません。

どちらが「マンガとして上か」なんて
監督の匙加減ひとつじゃん!


観客、置いてけぼりです。

で、結局のところ、勝因はなんだったの?

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ほら、叔父さんも云ってるじゃないですか。
「マンガは読者に読んでもらって、初めてマンガなんだよ」って。


昔のテレビ番組で申し訳ありませんが
「料理の鉄人」を例にとって説明すると
番組が始まり
「鉄人」と呼ばれるシェフと「挑戦者」が紹介された後
その日のテーマ食材が提示され
鹿賀丈史が「アレ・キュイジーヌ!」と試合開始を宣言した
次の瞬間に
何故か調理過程がまるまるすっ飛ばされて
いきなりできたての料理が紹介されただけで
試食した審査員の感想もすっ飛ばして
いきなり勝敗だけが決まって番組は終了、
視聴者ポカンという感じ。

映像的にはこの「バトルシーン」好きですよ?

でも、映画の中盤からラストに向かって
「この世は金と知恵」が初登場こそ
アンケート上位にランキングされたものの
その後は伸び悩み、徐々に順位を下げる中
最高が血尿が出て倒れるまで努力
さらには同じ新人漫画家仲間との友情パワーで
ようやく「CROW」に勝利
見事アンケート順位第1位を獲得したものの
その後力尽きて順位急降下し遂に打ち切り
と云う展開となるのですが、
肝心の「この世は金と知恵」の内容が断片的にしか判らず
「CROW」に関しては画風以外判っていないので
「この世は金と知恵」が「CROW」に勝っても
「そうだよね。今回『この世は金と知恵』の方が断然面白いもん!」
などと共感することができないのです。

その週のランキングを決めるのは
漫画家の裏事情等全く知らない読者が送ってくる
アンケート葉書とこの映画では
口が酸っぱくなる程云っているのに
これでは
新人漫画家たちの友情努力で勝利したように
しか見えません。

そんなこと読者が知るか!!

と、思っちゃうのです。

判るのは、最高と秋人が
最初にジャンプ編集部に持ち込んだ原稿
(これもかなり絵が上手い!でも動きがない)
と比べて格段に上手くなっているなあ〜うんうん
ってことぐらい。

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夏休み明け直後に編集部に持ち込んだ割には服装が夏じゃないような…

それでは主人公と一緒になって
「勝った!負けた!」と、喜んだり苦しんだりできません。
そうなるには圧倒的に描写と時間が足りません(私には)。

結局のところ何が云いたいかと云うと
このクオリティでこの配役で
映画ではなく複数回あるテレビドラマで
じっくりと見たかったに尽きますね。

キャストに関しては非の打ちどころがありません。
映画としてはキレイにまとまっているとは思いますが
こんな2時間弱だけじゃ勿体ないよ!!もの足りないよ!!

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なかでも平丸一也(新井浩文)のスピンオフ希望!


あ、だからと行って続編映画を
希望しているわけではありませんからね!
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