2015/3/25

空は青く澄み渡り 海を目指して歩く 怖いものなんてない僕らはもう一人じゃない  MOVIE

本日の映画は

「エンド・オブ・ザ・ワールド」

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です。

「エンド・オブ・ザ・ワールド」と云う邦題の映画は
今のところ2本ありますが、
2012年公開の方の「エンド・オブ・ザ・ワールド」です。

監督のローリーン・スカファリアにとっては
初監督作品となります。

主演は、これまでのコメディ色を払拭し挑んだ
「フォックスキャッチャー」(←これ凄い傑作)で
第72回ゴールデングローブ賞の主演男優賞(ドラマ部門)、
第87回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされた
スティーヴ・カレル。

…って本作も決してコメディじゃないですよね。
カレルの演技に笑うところなんてありましたっけ?

今回は、無料動画「Gyao!」で配信されたものを見たのですが、
同じ頃DVDリリースされた別作品の「新作DVD案内」に
この映画の予告編が収録されていることが多かったため、
その辺の前情報は頭に入った状態で見ております。




物語の根本はいたって単純。

突然ですが、
幅約113キロの小惑星マチルダが地球に接近中。



はい、そこ「何で?」とか云わない。

このままでは地球との衝突が避けられず
最後の希望として打ち上げたスペースシャトルも
原因不明の事故で外部燃料タンクが爆発し
乗員していた宇宙飛行士と科学者全12名が死亡。

この事故により打つ手がなくなり
3週間後地球が滅亡することが決定しました。

そのニュースを妻と一緒にカーラジオで聞く
ドッジ(スティーヴ・カレル)。

妻はシートベルトを外すとそのまま彼の前から走り去ります。
その背中を追う気にもなれない夫。

希望が完全に消えたことで
人々は地球最後の日を21日後に迎え各々行動し始めます。
店は軒並みシャッターを閉め、道路は移動する車で大渋滞。
ライフラインの1つであるはずの携帯電話の使用も
停止になります。

そんななか、ドッジはいつも通り朝から
他の会員が来なくなったスポーツジムで一汗流すと
渋滞の中を縫って車で会社へと向かいます。

勤め先の保険会社でも辞める人が後を立ちませんが、
黙々と通常業務を熟すドッジ。

ただ、彼の場合は生来の生真面目が祟って
この大事を前にどう行動して良いのか判っていないだけ。
正気を保つため鎮痛剤入り咳止めシロップでも
飲まないとやってられません。

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シャツとか100%ズボンに入ってそうなバカまじめなので他にすることがない。

そのへんは通いの掃除婦であるしっかり者のエルサとは違います。

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エルサは「明日世界が滅びるとしても、今日私はリンゴの木を植える」と云う人。

滅亡の日が近づいても普段と全く変わらない
エルサを「また来週」と送り出し、
自宅に一人になるともはや何もする気になれないドッジです。

その日の夕方、ニュースで
各航空会社による運航一斉休止が発表されましたが、
ドッジは特に気にも止めません。

それから1週間。
友達が「最後の晩餐」と開いたパーティに出席しても
他の友人のようにははしゃぐ気になれないドッジ。

クスリや夜のお相手をしてくれる女性を薦められても
全てノーサンキュー。

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巨乳の人妻に誘惑されても応えることもできません。

気が向かないパーティに出席したのも
出て行った妻と結婚した理由と同様
世界が滅亡するときに一人でいたくなかったためでした。

今や彼に残されている大切なものは
昔の恋人オリヴィアとの2ショット写真と
古ぼけたハーモニカだけです。

ところが、その夜、
同じアパートに住みながら挨拶すら交わしたことのなかった女性
ペニー(キーラ・ナイトレイ)が窓辺で泣いているのを目撃し
つい声を掛けてしまいます。

話を聞くと
イギリスの両親の元で終末を迎えるつもりが
最終の飛行機に遅刻し乗れなかったのだとか。

公共の空港が閉鎖した今、ペニーが自力で
イギリスに戻る手立ては完全になくなってしまいました。

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同居人とケンカ中のペニーはそのままドッジの部屋で一晩過ごします。

同情はしたもののドッジにしてみれば彼女は
愚痴を聞き一晩泊めて終わるだけの関係のはずでした。

ところが、翌日部屋まで送っていったペニーから
同居人(=ドッジの妻)に前からつきあっていた男性が
いたことを教えられ愕然となるドッジ。

妻が去って初めて感情的になったドッジは
自宅に戻ると一頻り暴れた後、
エルサから買い置きを頼まれていた窓ふき洗剤を
飲んで自殺を図ります。

しかし、そんなもので人間が簡単に死ねるわけがなく
翌朝公園で目覚めた彼を迎えたのは
「Sorry」と書かれた紙切れと1匹の捨て犬でした。

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何故元の飼い主はあと12日ぐらい一緒にいてやれないのか?と考えると怖い。

街では暴動が始まり
仕方なく犬を連れて自宅に戻ったドッジは
前日ペニーから返された
「間違えて彼女の部屋に配達されたドッジ宛ての手紙の束」
の中からオリヴィアからの手紙を見つけます。

3か月前に送られたとみられる手紙には
「人生最愛の人へ」の文字が。

間もなく滅亡する地球上に
自分を待っている人がいたのです。

暴動がアパート内にまでおよび始めたことを知ったドッジは
取るものもとりあえず
ペニーを誘って彼女の車で郊外に逃げ出します。

そして、ドッジはオリヴィアと再会するため
ペニーはイギリスで待つ家族の元に帰るため
2人は旅立ちます。

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こんな時勢にヒッチハイクだってしてしまいます。



ということで地球はなかなかシビアな状況にあり
アパートの外では
暴動や自殺者、白昼堂々と殺人まで起こっているのに
ドッジとペニーは知り合う人々は至って「いい人」ばかりです。

自暴自棄になることもなく
今できるいちばん好きなことをして楽しんでいます。

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陽気に営業中のレストラン、フレンジーズの店員。

中には終末が近づいたことで
妙に仕事熱心になり融通が利かなくなっている警官も
出てきますが、
概ね旅する2人に危害を加えることはしません。

また、元々ペニーが自分が間違っていると判った時点で
素直に謝るようなさっぱりとした女性だったため
この手のロードムービーにありがちないざこざもなく
急速に心の距離を縮めていくドッジとペニーの様子に
心が和みます。

ノリで1度だけセックスをしてしまいますが、
それよりも一緒にゆったりとした時間を過ごしている方が
幸せそうな2人。

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ドッジが自宅から持ち出したのは犬と手紙とこのハーモニカだけでした。

世界の終りがこんなにも穏やかなものになろうとは。

監督だけでなく脚本も兼ねている
ローリーン・スカファリア監督の人柄が伺えるようです。

「世界が終わる」という大惨事を目の前にしておきながら
特別何も起こらないゆるゆるとした世界は
見る人によっては地味でもどかしいかもしれません。

ようやく辿りついたオリヴィアの実家。
しかし、不在だったため2人は無断で一泊します。

オリヴィアが使っていたと思われるベッドのヘッドボードに
自分の名前がハートマークと共に刻まれているのを
見つけるドッジと
残された卒業アルバムでドッジとオリヴィアが
「お似合いのカップル」と紹介されているのを見てしまうペニー。

こういう一つ一つの演出が妙にいとおしくなります。

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後半2人が使用する車がsmartと云うのも女心揺さぶる。

特に心にぐっと来たのは
ドッジがペニーをアパートから旅へと連れ出すのに使った
「知り合いが自家用機を持っている」の知り合いが
彼が長い間逢おうとしなかった父親(マーティン・シーン)
だったということとそして、このシーン↓。

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ここ。ここでもハーモニカと云う小道具が生きています。

こういうシーンで歌詞付きの曲がフルコーラスで流れるのも
昔懐かしいハリウッド映画っぽくて好きです。

否応なく迫ってくる「世界の終り」。

テレビでは最後の放送が流れます。

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こういう最後の最後まできっちり仕事をする描写も素敵です。

たとえ世界が終わっても
自分の仕事を全うし最期は大事な人と過ごす。
そういう生き方をしたくなる映画です。

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