2015/2/11

いい女ってのはね、自分で自分を守れる女よ  MOVIE

本日の映画は

「LUPIN THE VRD 次元大介の墓標」

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です。

2012年に深夜放送されたテレビシリーズ
「LUPIN the Third −峰不二子という女−」
の流れをくむスピンオフシリーズ第2弾として
昨年の6月21日から27日まで、
新宿バルト9で1週間限定上映(以降順次公開)されました。

その約2か月後に何かと話題に事欠かなかった
実写版「ルパン三世」が全国公開されるのですが、
先にこちらの方をご覧になったファンからは
実写版が足元にも及ばないほど絶賛されております。

原作に極めて近いタッチの作画に
程よいハードボイルド感、
コンパクトな上映時間、
カーチェイスシーンもガンアクションも充実、
ルパン三世と次元大介の絆もしっかりと描かれ
圧倒的な強さを見せつける敵役と
男性にとっては嬉しい峰不二子のオールヌードまで揃って
最後には意外な人物のサプライズ登場まで
用意されているのですから
ルパン三世ファンなら満足しないわけない


ないのですが、
ここである問題が…。

それは、これまでおかしいとは思いつつも
誰もが積極的に触れてこなかった問題。

そう、
「石川五ェ門不要問題」です。

と書くと、ファンの方に
頭ごなしに怒られるのは判っております。

そう「ルパン三世」と云えば
 
 



ルパン三世
次元大介
石川五ェ門
峰不二子
銭形幸一(銭形警部)
が揃ってこその「ルパン三世」です。

私にとっても石川五ェ門は「ルパン三世」で
最も愛するキャラクターではあるのですが、
現代日本においても
日々変わりゆく国際社会においても
時代遅れの帯刀侍姿の人物が
当たり前のように日常生活に溶け込んでいることが
いかに奇妙奇天烈なことかは一目瞭然。
道ですれ違えば二度見は必至。

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こんな和装の男がハイウェイにいたら目立ってしゃあない。

国内外どちらにしろ表を歩けば
SAMURAI、FUJIYAMA、CAPNOODLE
とその辺の通行人に写メールを撮られまくる方が
日常茶飯事となるはず。

一応懸賞金も懸けられている裏社会の人間なのに
目立っちゃってしゃあないのです。

特にアニメ第2期以降のコメディ路線ならばともかく
本作のようなハードボイルドゴリゴリのストーリーの場合
彼の居場所など手帳に添付された写真ぐらいにしかありません。

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架空の欧州国を舞台にしたハードボイルドアクションとは相性が悪いのかも。

五ェ門の担う「時代遅れ」と云うスタイルも
いまどき重く使いにくいリボルバーに拘り
クラッシックなイメージを持つ次元大介一人で
十分補われています。

それでさえも
ボルサリーノ製中折れハットを離せない
次元の様相にしてもアニメ作品の中だからこそ
ギリギリ許されているのではないでしょうか?
(それを云ったら他の3人も古臭い衣装、そして古臭い設定。)

ハリウッドを例にとっても
アクション映画に
「仕込み刀を持った侍」がうろうろ出てきた時点で
B級落ちもしくはファミリー映画と化し
どんなに監督が偉大であろうが、
脚本が秀逸であろうが
アカデミー賞にノミネートされることはないでしょう。

だからこそ
2014年の実写版において北村龍平監督も
「現代社会に刀を持った侍のような格好の
五エ門の姿はナンセンス」と考え
1974年の「ルパン三世 念力珍作戦」に至っては
五エ門が存在すらしていないのかもしれません。

Wikipediaの記事によると
誕生のきっかけは作者のモンキー・パンチがアメリカのサンディエゴで開催されたコンペに出かけた際、現地の女性にサインを頼まれルパン三世の顔も即興で付け加えたが、その女性が落胆した。理由を聞くと(日本の漫画なのに)オリエンタルさが無かったとのことで、帰国後すぐに日本らしいキャラクターを付け加えたという
石川五エ門。

「外国人が忍者や侍が好きだから」
と云う理由で登場を余儀なくされた石川五エ門は
日本国内でも目立つことこの上にないぺらっぺらの和服をまとい
世界を股にかけ泥棒稼業に精を出す
ルパン一味の一員となりました。

そんな五エ門ですから
ストーリーがシリアスになればなるほど
ルパンと次元がハードボイルドに決めようと
すればするほど
その存在が隅に追いやられても仕方ありません。

メインキャラクター5人のうち
主人公のルパン三世ともう1人だけ取り出して
その2人だけで1本、話を作るにも
「ルパン三世と次元大介」
「ルパン三世と峰不二子」
「ルパン三世と銭形警部」
と云う組み合わせなら
何とかならん気もしないでないのですが、
「ルパン三世と石川五エ門」となると意外と想像し難しく
どうしてもそこに次元大介が加わえなければ
収まりが悪いような気さえします。

まあ、あくまで気ですけれども。

というわけで
この映画には石川五エ門本人は登場しません。
 
本作の主な登場人物は
ルパン三世と彼と行動を共にする相棒次元大介、
ルパンとは別行動をとっているもののやがて
同じ獲物を追うことになる謎の美女峰不二子、
そして、
次元大介の命を狙う隻眼のスナイパーヤエル奥崎と
事件の発端となる暗殺された歌姫クイーン=マルタの
5人です。

これだけの少人数と
上映時間51分があれば
ぐっと胸アツなハードボイルド作品ができるのです。





と思ったのですが、

実際に51分見て思うのは

峰不二子の出番はともかく
峰不二子のパート、あれ必要ですか?
 
ルパンの原動力としての峰不二子と云うのは
構いませんが、単に
「折角のアニメだし実写ではで絶対にできない
不二子のオールヌードを出したい!!」
と云う作り手の願望からくるものだったら
それは…ちょっと…う〜ん。 

東ドロアにある会員制クラブ
「クラブ・ロンド」の金庫に眠る
機密書類「カラミティファイル」を盗むことに失敗した
峰不二子はクラブ・ロンドのオーナーに捉えられ
全裸にされた上、クラブの広間で客の見ている前で
見世物にされてしまうのですが

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透明な箱に入れられロボットに襲われます。

その舞台があまりに天井に近すぎて
なんだか見ているだけで鞭打ちになりそうなのです。

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モニターで中継を見ているオーナーはともかく肝心の会員様にとっては

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箱は客席の頭上にあり食事をしながら見物するため非常に見難いのです。

出される料理はナイフとフォークを使うフルコースのため
食事をする際は下に俯き
箱を見物するにはいちいち顔を上げなくてはなりません。

全く会員に優しくない見世物を用意するクラブ・ロンド。
会員は皆さん、変態だそうなので
この首を痛めそうな見世物もSMプレイの一種かもしれません。

さて、変態会員の皆様が忙しく首を上下されている間
不二子は対してロボットに立ち向かう訳でもなく
無様に箱の中を逃げ回りきゃあきゃあ叫んでいるだけ。

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男根のメタファーのつもりみたいですけど…え?何これ?

…そんな不二子ちゃん見たくなかったよ。

その前のオーナーに監禁され
「助けに来ないで」としおらしくルパンに懇願する
モニターの中での不二子ちゃんと
それをなすすべなく見ているしかないルパンのやり取りが
良かっただけに…。

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何?この茶番劇?

「助けに来ないで」と云いつつ
そう云えばルパンが助けに来ることが判っている不二子と
そんな不二子の考えはお見通しのルパン。
さらにはルパンがお見通しなことも判っている不二子。
この男と女の関係が「ルパン三世」ですよ。ねえ。

ですので、ルパンが加勢に来ると
先ほどまでの恐怖におののく表情はどこへやら
後は自力で箱から抜け出す不二子はやはり不二子です。

着替えと狙っていたお宝を盗むのにかけている時間が
異常に短いのが気になりますが、
こういう不二子ちゃんが見たいんです。

さてこの股間と図体がデカいだけが取り柄のロボットを
作ったのが本作の敵役であるヤエル奥崎と云う人物。

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いろいろキャラクター設定がくどいヤエル奥崎。

ヤエル奥崎は見た目は渋い初老男性で
「ターゲットの墓を事前に用意する」
「暗殺に使用する弾丸数をサイコロの目で決める」など
独自のこだわりを持つスナイパーですが、
ただそれだけの人物ではなくお宅拝見すると、
部屋と云う部屋が
他人には見られたくないようなもので溢れており
それゆえか
無断侵入して家の中を目撃してしまったルパンと次元を
執拗に追い回し出します。

元々、
東ドロアの歌姫クイーン=マルタの暗殺に成功し
その依頼主からの追加の依頼で
彼女のボディガードを勤めていた次元大介の命を
狙っていたヤエル奥崎。

たまたまルパン三世が
仲間となって間もない次元大介を誘って
秘宝「リトルコメット」を狙い東ドロアに潜入したため
「リトルコメット」を無事盗みだし
建物の間を縫って逃走する2人を
渡りに船とばかりに狙撃します。

ただし、この時は失敗に終わり
その代償としてルパンと次元にお宅拝見されてしまう
ヤエル奥崎。

藪をつついて蛇を出しまいました。

しかし
何故、ヤエル奥崎は2人の行動を読めたのか?
また、世界屈指の平和な国と称される東ドロアでは
何故犯罪率が他の国に比べ極端に低いのか?

この2つの謎を解かなくてはルパンと次元に勝ち目はありません。

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逃げても逃げてもどう云う訳か逃走ルートを割り出されパトカーが追ってきます。

どこに逃げこもうとただちに東ドロアの警察に
嗅ぎ付けられ、
遂にはヤエル奥崎の銃弾に倒れる2人。



……。
答えは「街頭防犯カメラシステム」ですよね?

ルパンたちの行動は全て
街中に張り巡らされたカメラが捉えていたのです。

この映画は時代設定が
1960年代後半から1970年代前半となっているため
防犯カメラなど珍しい時代だったかもしれませんが、
平成の日本では「防犯カメラが設置されてない」ことの方が
珍しくなっています。

ですので
終盤にルパンが
「ピンときちゃったわけよ、この国の監視システムにな。」
とドヤ顔で語っていますが、
平成の世に生きるこちらとしては
「……ですよね〜。」としか思えないことに…。

ただし、その後1970年代においても現在においても
思いもつかないくらい斬新なヤエル奥崎の秘密
が暴露されるので
「街頭防犯カメラシステム」のことは
どうでもよくなってしまいます。

ラストはこんな離れた塔からスコープで
ヤエル奥崎を狙撃してきた次元と

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この距離から

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狙いを外さない次元大介。この次元を見たかったのよ!!

こんな離れた距離にあるカフェで寛いでいるところを
ヤエル奥崎がスコープを使って狙撃したルパンの

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しかもこの距離で奥崎と会話します。
他の場所でも何故か3人は距離を無視して会話できます。


2人が同じ場所に揃うのを待って
それぞれの愛用の拳銃で決闘する次元とヤエル奥崎。

スコープを使って狙撃しようとするくらいですから
ルパンと次元とヤエル奥崎、3人の距離は相当離れているのです。
それをヤエル奥崎がいる場所にまでわざわざ徒歩で出向く
ルパンと次元。

その間、肩と足を撃ちぬかれているヤエル奥崎は
(おそらく)痛みをこらえて
次元とルパンの到着を待っているのです。

「……なんでやねん!」とツッコみたい!
しかし、この作品のハードボイルドな空気が
それを赦してくれません。

ツッコんでも仕方ないのですが、
どうもこの映画全体的に「距離感」が狂っているのです。

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ルパンが種明かしをしている僅かな間に徒歩で500m以上は移動している次元。

ただ単に移動にかかる距離だけでなく
7階建ての倉庫の屋上に潜むヤエル奥崎と
地上に立つルパン三世が普通に会話したりしているのです。

しかし、この映画を包む濃いハードボイルドな空気が
ツッコむことを許してくれないのです。

うぐぐぐぐ。

ファンサービスとして
この方の登場で映画はエンドロールに突入するのですが

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この方。太陽だけが知っているのだ 緑の顔のニクい奴

エンドロール後ダメ押しで
今回存在を忘れ去られていた銭形警部まで登場させるのは
ちょっとくどいような気がしました。

まあ、
マモーの登場でオールドファンを喜ばせ
不二子のオールヌードで男性ファンを喜ばせるばかりでなく
腐女子ホイホイなこんな場面↓も

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はいはい、受ける受ける。

しっかり用意されていると来ているのですから
この映画のファンサービスは相当なものです。

「ルパン三世」ファン必見。
実写版「ルパン三世」を見てグダグダ文句云うくらいでしたら
この映画がおススメです。
時間単価は異様に高いですけども。

 
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