2013/8/24

白でも黒でもI won’t mind   MOVIE

始めて書店で平積みされているこの文庫本

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を目にしたとき
何の冗談か、
アメリカ版のライトノベルか
表紙イラストのタッチからしてよもや…BL?
いやいやいくらなんでもそれはないわ
と、思ったものですが、

後日、TOHOシネマズのシネマニュースで
ティム・バートン監督が映画化に向けて
撮影好調中と云う映像が流れ二度吃驚することになった

「リンカーン/秘密の書」

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が本日のDVDです。

文庫本のタイトルを見れば一目瞭然ですが、
第16代アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの裏の顔が
夜な夜な邪悪な吸血鬼を斧で刈って歩く
ヴァンパイアハンターだったという話です。

ただし、これも配給会社が報道規制(*)
を敷いたのでしょうか?

気がつくと邦題の副題は
謎の「秘密の書」に変わっておりました。

確か最初にシネマニュース見たときは
「リンカーン:ヴァンパイア・ハンター」
と云う原題をそのまま訳した
タイトルだったような記憶があるのですが…。

まあ、あれですね。
邦題によるネタバレ防止ってことですね。
みなさん、ネタバレを嫌いますし。

 

(*)映画評論家の町山智浩氏のTwitterによりますと
「ワールドウォーZ」は日本では配給会社の意向で
ゾンビ映画であることを隠され
「オブビリオン」はSFをいう言葉を使うこと
を禁じられたそうです。


 
 
 
. 

まずはストーリーを追っていきますと

エイブラハム・リンカーン(ベンジャミン・ウォーカー)は

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えらいもっさりした主人公。昨今の流行はこの手の顔ですか?

まだ幼い頃、持ち前の正義感から
奴隷扱いされた友人ウィリアム・H・ジョンソンを庇ったため
それを逆恨みしたジャック・バーツに母親を殺されてしまいます。

やがて、成長したリンカーンは、
ある夜を持てるだけの勇気を振り絞って
母の仇であるバーツに銃で襲い掛かりますが、
バーツの正体が凶悪なヴァンパイアだったために
てんで歯が立ちません。(ヴァンパイアだけに)

あわやと云うところで
自称ヴァンパイア・ハンターの
ヘンリー・スタージス(ドミニク・クーパー)に援けられ

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どうしても「ハワード」と呼んでしまうドミニク・クーパー。

同じくヴァンパイア・ハンターとなるべく
特訓を受けることになります。

長く厳しい修業を終えたリンカーンは
念願の弁護士となるためヘンリーの元を離れ
スプリングフィールドへお引っ越し。

そこで、雑貨屋のバイトという表家業とは別に
ヘンリーの命に従いハンター稼業を開始するリンカーン。

しかし、待てど暮らせど肝心のバーツを
退治する命令が送られてきません。

それでも大人しく待っているうちに若く健康なリンカーンは
社交界の花形であるメアリー・トッド
(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)

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リンカーンは後にも先にも女性は彼女しか知らないという設定です。

と恋に落ちてしまいます。

そのことを知ったバーツがメアリーを利用し
リンカーンを亡き者にしようと企みます。

危うし、リンカーン!

と思ったら、ようやくヘンリーのお許しが出て
無事仇討ちを果たすことができました。

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この疾走する馬の間を駆け巡っての戦闘シーンは圧巻!!

しかし、そのことがきっかけでリンカーンは
ヴァンパイアの親玉であるアダム(ルーファス・シーウェル)
に目を付けられてしまいました。

大陸南部を占めるヴァンパイア集団が奴隷制度を利用し
黒人奴隷を食糧供給源としている実態を目の当たりにし
斧ではとても太刀打ちできないことを
つくづく思い知らされたリンカーンは
奴隷解放こそがヴァンパイアとの戦いに勝つ唯一の方法と考え、
政治家の道へと歩み出すのでした。


ということで後半は、一気に南北戦争に突入します。


さて、邦題の「秘密の書」というのは
リンカーンがヴァンパイアとの戦いの記録を
克明につけていた革表紙の日記のことで
その何があっても肌身離さず身に着けていた日記は
映画の冒頭(映画はリンカーン暗殺の前日から始まります)
リンカーンの手から盟友ヘンリーの手に渡ります。

それからも判るように
この映画ではリンカーンと
ヴァンパイア・ハンター仲間でもあり師匠でもある
ヘンリーとの深い友情物語でもあるのです。

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お互いにこれが形見の品となるとは知らず日記はヘンリーの元に…。

このヘンリー、どういうわけかリンカーンに再三
「誰とも親しくなるな。友人も家族も持つな。」
と口を酸っぱくして忠告するような
独占欲の強い恋人のような友人です。

それだけヴァンパイア・ハンターという稼業が
危険と云うことでしょうが、
それにしても家族はともかく友人まで作るなとは
いささか厳しすぎます。

なにしろリンカーンとの正式な初対面時の姿がこれ

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リンカーンを泊めているのに朝っぱらから女性と入浴。これ、わざとですよね?

だったのですが、
このように意味もなく女性との入浴シーンを入れたのは
製作者側の配慮(牽制)からでしょうか?
「あくまで2人の関係は『友情』ですよ!
それ以上でもそれ以下でもありませんからね!」という。

何ゆえ、このようなことを考えてしまうのかと申しますと、

メアリーに出会う以前から
散々ヘンリーから「友人も家族も持つな」
と忠告されていたリンカーンですが、
ヘンリーと別れてスプリングフィールドに着いた途端
そんな忠告はすっかり忘れて一人の男と仲良くなります。

それがこの人ジョシュア・スピード(ジミ・シンプソン)

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向かって右端の人物です。主演同様あまりパッとしません。

実在の人物です。

この方、
ネット世代の百科事典wikipedia
「エイブラハム・リンカーン」によりますと
スピードについてこのような文章があります。
「リンカーンは若いころにジョシュア・フライ・スピードという友人と共に暮らし、さらには夜に同じベッドで睡眠をとっていた。」
とのこと。





…おやおやぁ?

さらに

「スピードとの特別な友情は彼の死まで続いた。極めて親密ではあるが性的行動は介在しない同性との関係はロマンティックな友情と呼ばれ当時の西欧社会では珍しいことではなかったが、妻のメアリー・トッドとの関係がやや希薄であったとの資料もあり、歴史家の中にはリンカーンがバイセクシュアルであったと考えるものもいる。」

とあり、

また、「ジョシュア・フライ・スピード」のページには

「1840年3月30日、スピードの父ジョンが死亡し、スピードは店を売って、ルイビルに近い両親の大規模プランテーションであるファーミントンに戻るつもりであることを告げた。この頃リンカーンは女性に対してひどく臆病で内気だったが、活発で気まぐれではあるが社交界の女性であるメアリー・トッドと婚約していた。スピードが出発する時が近づき、しかもリンカーンは結婚を控えていた。リンカーンはメアリー・トッドと取り決めていた結婚式の予定(1841年1月1日)を取りやめ婚約を破棄した。スピードは間もなく予定通り出発し、リンカーンは抑鬱と罪の意識の中に取り残された。」

とあります。

いくら友人は引っ越すからって結婚式を取りやめて
婚約破棄までしてしまうものでしょうか?



…おやおやぁ?

ま、まあ、進歩的なアメリカ人なら
ありうることなのかもしれません。

このエピソードは当然のことながら
映画ではごっそり割愛されております。

とは云え

何?この腐女子ホイホイは…。

…えっ?
そんなことは腐女子のお嬢様方ならとっくにご存知ですって?

と、とりあえず
この記述を先に読んだため、映画終盤にある
スピードのある行動のオチが読めてしまったのは
非常に残念なことでした。

さらに残念なことに
映画ではことさらヘンリーとの友情を重視しており
史実どおりなら日記の正当な後継者たるスピードの方は
よりによって最後は消息不明のまま
消えてしまうというとんでもないラストになっております。

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なんがかアダムに略奪されてしまうような形でフェイドアウトしてしまうスピード。

元々、リンカーンは政治家を目指すわりには
人間関係に関しては無頓着な人物として描かれており
結婚式の席で幼馴染のウィリアム・H・ジョンソン
(と妻のメアリー・トッド)だけを
自分の家族呼ばわりしたりします。

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そんな親友の無神経な発言に顔色が失せるスピード。

いやいや、見事なKYっぷり。

南北戦争で勝利を収め
奴隷解放宣言の演説を終えたリンカーンの隣にいるのは
ヘンリーでもなくスピードでもなくウィリアムというのが
また…。

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スピード、完全にないがしろにされています。

ところで、ヘンリーは屋外に出る際は
日焼け止めとサングラスが欠かせないという設定となっており
もうそれだけで正体がバレバレなのですが、

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リンカーンとヘンリーが並んで立つとヘンリーの方がリンカーンを見上げることになる
この構図も踏まえたうえでのキャスティングかしらと、つい疑ってしまいます。スタッフも判ってやってるんだったら凄い。


アダムがヘンリーを仲間に引き入れた理由、
ヘンリーがリンカーンを択んだ理由以上に
いまひとつ明快にされていないので
ちょっとモヤモヤします。

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なんだかよう判らんうちにアダムによって「仲間」にされてしまったヘンリー。

それを大きく差し引いても
ヴァンパイアと戦いのシーンの映像は素晴らしく
見ごたえがありますので、男性の皆様もご安心を。

予告編でもちらちらっと出てきてはいましたが、
ここまで想像を超える映像体験をすることになろうとは。

途中からリンカーン完全に人間じゃないし…。

これはかなりオススメです。

 
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