1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2008/11/23
昭和館という映画館がある。北九州市の小倉北区の旦過に
ある映画館で、小規模な映画館で、旦過市場(昭和な感じの
残る商店街)の近くにある。その一角にもなかなか風変わりな
バーが並んでいる。
きっと、ドラマや映画でも使用されることがあるのだろう。
そんな雰囲気は、横浜の野毛に似ている。
昭和館という映画館は、2つのスクリーンがあって、2本立ての
映画を1,000円で見ることができる。
小倉へとやって来て半年、気になっていたが入ることはなかった。
昨日、昭和館2で映画を観た。2本のドキュメンタリー映画だ。
『ミリキタニの猫』と『靖国 YASUKUNI』だ。
前者は、アメリカのサクラメントに生まれた ジミー・ツトム・ミリキタニ
というホームレス(に見えていた)のドキュメンタリーだった。
アメリカで生まれ、広島で育ったミリキタニは、墨絵などの絵で
日本の文化を自分が生まれた国のアメリカで広めようとして、
広島からアメリカに向かう。やがて、真珠湾攻撃後に他の日本人、日系人
が収容所へと入れられる。その際に、アメリカの市民権を持っている
人たちは、「私は、アメリカの市民権を放棄することに同意する」という
書類にサインさせられる(後にその行為は政府から強いられたもので
無効になったケースが多いようだけれど)。
ミリキタニは、そこで3年半を過ごすことになる。
ホームレスとしか見えない彼を LINDA HATTENDORF という女性の映画監督
がカメラで追っていく。ニューヨークでのことだ。
その撮影の家庭で、9.11が起こる。
ミリキタニは、カメラを通じて、少しずつ閉ざした心を開いていく。
最後には、別離していたお姉さんに会い、拒否してたアメリカからの
社会保障を受け、自分でアパートを借り、絵を教え、自分が過ごした
収容所を訪れ、自分が受けたアメリカからの仕打ちを許していく。
初めは、暗いトーンの映画だったが、最後には、ミリキタニの人生に
カリフォルニアの太陽が射し込んできた。
http://www.uplink.co.jp/thecatsofmirikitani/
『靖国』は、台湾の監督によって作られた映画で、上映中止の騒ぎ
が本年の4月くらいにあった映画だ。
その騒動のおかげで、たくさんの上映オファーがきた。
丁度、『ミリキタニの猫』も一緒で、大阪の十三の第七藝術劇場で
見ようとしていた映画だった。
靖国神社の夏の様子を横軸に撮りながら、日本刀を靖国神社に納める刀師
を同時に縦糸を撮ったものだ。
上映映画館では、10年前の『南京1937』の右翼によるスクリーン切り付け
事件(僕は、その前日にその事件が起こった横浜黄金町のジャック&ベティ
で、その映画を見た)などを想定して、警備などがつけられた。
その映画を配給したのは、『実録・連合赤軍』の若松孝二監督だった
夏の靖国神社の風景が、ちょっと「パロディ」っぽかったし
(現実離れしている風景)、戦争に駆り出された台湾や沖縄の人たちが
合祀されているということも知らなかった。
http://www.yasukuni-movie.com/
冬になり始めた小倉で、戦争のことを考える映画をこうやって
見ることが出来るのは、すばらしいことだと思う。
良質なドキュメンタリー映画。『特攻』『ヒロシマナガサキ』
『ひめゆり』など、たくさんあります。
『いのちのたべかた』などもそうです。
昭和館、いい映画館です。
早速、会員登録しました。1,000円の入場料が、800円になります。
映画、TSUTAYA もいいけれど、やっぱり映画は、映画館のスクリーン
で見ないとですね。

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