1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2007/6/9
北西からの風
おさむ
午後10時
阪急西宮北口
改札を抜ける
改札を抜けた人たちが右と左へと流れる
右へと流れた人たちの中に
その親子はいた
父親は黄色いシャツ
右肩に大きなかばん
左の上腕の袖のところには虎のマーク
その虎のマークの背丈くらいの女の子が
左側を歩いている
女の子は白に黒のストライプのシャツ
その背中に「24」とある
後ろ髪がIとYとAとMを隠している
背中の24の上の名前
父親の左手は
女の子の右手をしっかりと握っている
2人はたださっつさっつというペースで歩いて行く
女の子の後ろ髪がそのペースに合わせて踊る
風が左から右へと流れていく
左のずっと先には山があり
右のずっと先には海がある
誰かが
誰かを
応援し
誰かが
誰かに
勇気づけられる
誰かを応援することは
自分を応援し
誰かに応援されること
風が歌うのを聴き
海が泣くのを聴く
午後10時03分
阪急西宮北口
風は流れ続ける
月の姿はないけれど
地球は
丸く
回っている
そして
もう一度
風の歌を聴く

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