1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2010/5/29
金曜日の夜。仕事を終え、紫川の方向へと向かう。
川を渡る手前のところにある、アイリシュパブへと入る。
アイルランドは、ギネスの発祥の地だ。そこで出てくるドラフトビールは、
ギネス
キルケニー
エーデルピルス
だ。
ギネスは、お馴染みの黒ビールで、ここ5年位(?)で一挙に広まった。
生樽にはサイズがあって、オリジナルのサイズは大きすぎて、なかなか回転が
悪かったりする。オリジナルサイズは、酒飲みのアイルランド人(失礼)サイズ
につくられているからだろう。お店で出される生ビールは、「生もの」なので、
長期間残ってしまうと、味が落ちてしまう。だから、大きな量の樽でしか扱って
いないギネスやバスペールエールやヒューガルデン(最近は、小さなサイズも
あるかもしれない)の生を出すには、お店側の勇気がいるのだ。
だから、ギネスもバスもパイントで出されることが多い。
バスペールは、横浜野毛のジラソールでパイントで飲んでいたし(ハーフでも
たのめたけれど。あっ、長崎の離れというバーでもバスが出る)、ヒューガルデン
は同じく、横浜野毛のデュ・ペタンブルグ(なんか、違うぞ、そんな雰囲気の
名前、ジャズのライブなんかも行われていた、ハッピーアワーが狙い目、
いつも白シャツのカッコいい女の人が、ビールをさっと出している。ジャズ以外
にスティーリー・ダンがかかっていたりする)で飲むことができた。
キルケニーは赤ビールで、キルケニーというアイルランドの都市の名前をとって
いる。
その、booties で、金曜日の夜の一杯目を飲む。booty 、戦利品とか儲けという
意味だ。bootleg で海賊版や密造酒という意味になる。
一杯目は、キルケニーのハーフパイント。フィッシュ&チップスを食べる。
フィッシュ&チップスが肉厚のふぐだ。おいしい。隣には、看護婦さん(小倉
は病院が多く、飲み屋さんでも、結構、病院関係の人に出会う。あとは、美容師
さん)が2人でのんびりとした時間を過ごしていた。店内は込んでいた。
2杯目は、エーデルピルスをハーフで。
3杯目は、カクウチスタイルありありで で、スタウトを飲んだ。
ありありで も混んでいた。裏メニューの「佐世保風」サンドウィッチを
いただいた。セブンイレブンが同様の名前で売り出しているが、おいしく
なかった。ありありでのやつは、オリジナル(佐世保の玉屋のサンドウィッチ
は有名らしい。甘い独特のソースがきめて)に近いらしく、おいしかった。
しかし、酒飲みは(ビールは別)なかなか、サンドウィッチかじりながら、
黒霧をくいっとやったりしないだろうな。
金曜日の夜、日付は変わり、満月だった。雲の切れ目から丸い月が左の上に
浮かんでいた。仕事を終えた人、飲みすぎて終電を逃した人たち、これから
朝まで飲むぞーという人たち、それぞれの人が金曜日の夜にいた。
月は、丸く、そこにある小さな世界はとても平和に見えた。
そうやって、少し飲みすぎた足で自分の場所へ帰ろうとする世界中の
酔っ払いたちに思いを馳せた。
ニューヨークの酔っ払い、香港の酔っ払い、韓国の酔っ払い、
ロンドンの酔っ払い、カイロの酔っ払い、ストックホルムの酔っ払い、
ミュンヘンの酔っ払い、カラチの酔っ払い、シドニーの酔っ払い、
上海の酔っ払い、カルカッタの酔っ払い、バルセロナの酔っ払い、
バンコックの酔っ払い、ロシアの酔っ払い、ナポリの酔っ払い、
ニースの酔っ払い。
みんな、元気か?
ちょっと、飲みすぎたね。
そうやって、地球は回っている。

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