1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2010/5/18
カクウチというのは、世間一般で解釈されているところの(関係代名詞直訳風)
立ち飲み屋さんのことだ。
「カクウチとはなんぞや」なんて大上段に構えた話は、僕には出来ないし、わから
ない。北九州周辺の立ち飲み屋さんをカクウチと呼ぶのだろうか。
どのカクウチも、安さと食べものの質と店の雰囲気でしのぎを削っている。
いい雰囲気のカクウチは、イギリスのパブと同じで地域に根ざして、常連が絶えない
場所なのだと思う。
たくさんの酒飲みに、安価でおいしいお酒と食べものを提供し続けるのは、並大抵
のことではないと思う。どうしても売り上げを上げるためには、チャームにいくら、
提供するお酒の量はこれだけ、食べものの原価をこれだけにして、材料をこうやって
仕入れて、お酒の仕入れをこういう風にしてという様々なことを考えなければ
いけない。単価が高いバーとは違って、客単価を上げるのは並大抵のことではない。
例えば、駅中で出せるような場所なら、回転率で、がんがん勝負できるけれど、
大抵のカクウチは、駅から離れたところにある。
だから、いいカクウチは、僕たち呑み助(それでいて、ちょっとお酒や食べものに
うるさかったりする)にとっては、「自分をそのままで解放できる特別な
場所」なのだと思う。
僕にとってのそんな場所は、カクウチスタイルありありで と、赤壁だ。
ありありで がいいのは、そこに集まるの呑み助の人々が、表裏がなく、「素」
で時間を共有できるような人が多いからだと思う。勿論、それぞれの人は、
それぞれが知らない苦労をしていたり、野心を持っていたり、邪心もあったり
するのだけれど、「みんな一筋縄でいかないいい人たち」なのだ。
だから気持ちよく飲めるし、知らないうちに長いをしてしまうのだろうと
思う(その日の空気で、早く帰ってしまうこともあるけれど)。
そんな空気に合わない人たちは、自然(あるいは、目に見えない強制力で)
にこなくなってしまうのだろう。
赤壁は、そこにいるだけで、おばあちゃんとか、おじいちゃんの家に
いるような落ち着いた気持ちになることができる(別に、実体験が
たくさんあるというわけではないけれど)。そして、時間がゆっくりと
流れるのを肌で感じることが出来る。そんな場所だ。
ということで、本日は、休肝日。
これからも、よろしくお願いします。

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