1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2010/4/29
数日前のテレビで、大人のマナーについての番組が流れていた。
例えば、パスタを食べる時にスプーンを使うのは、イタリアでは
子どもが、フォークでパスタをくるくるとまく練習をするためのもので、
決して「本場」な行為ではない(何かの本で、田中康夫氏も、スプーン
を使うのは、イタリアの田舎の人たちだというようなことを書いていた)
とか、ノックは4回が、正式な「グローバルスタンダード」なのだとか
(ベートーベンの「運命」のイントロのジャジャジャジャーンという
のは、ノックの音を表しているらしい)、そういった「トリビア」を
集めたものだ。trivial という英語は、ささいな、とか、つまならい
という意味だ。その音から、僕は、オリヴィア・ニュートンジョンを
想像してしまう。
ノックといえば、Men At Work の『ノックは夜中に』だ。
オーストラリアのバンドで、コリン・ヘイがボーカルのバンドだ。
80年代の曲だ。原題は、Who Can It Be Now?だ(なかなか文法好きな
人が喜びそうな曲だ)。一体、こんな夜中に誰だろう というような曲だ。
サックスの音が心地よい。
Men At Work は、その曲の他に、Down Under という曲をヒットさせた。
オーストラリアのロケーションを皮肉った(自虐的に)ものだ。
俺たち、南からやって来たからね、そんな感じだ。
そして、ノックということで、横山ノックさん。漫才の人から大阪府知事へと
進んだが、女性問題で失脚した。横山ノックさんの横にいたのが、上岡龍太郎さん
だった。漫才からテレビのバラエティ番組の司会業へとシフトをしていった。
明晰な頭と、ちょっと斜めな切り口と、「東京がどないなもんやねん」という
(文化発祥地という自負と圧倒的な経済力の差の劣等感が複雑にミックスされた)
大阪的反骨心で、おもしろいトークをしていた。
僕が大学を出て、大中渋谷店で1年働いた後、2年目に店長として原宿店へと
移動になった。そこにいた遠藤さん(もう、おそらく旧姓になっているはずだ)
は、大きな目のかわいらしい感じの女の子で(いつも黒や紺を着ていた)、
ちゃきちゃきの「江戸っ子」の育ちの割には、上岡龍太郎さんの大ファンだった
(渋い)。他には、糸井重里さん(樋口可南子さんに支えられています)や
Japan のデビッド・シルビアン(年の割には渋すぎていたぞ)や坂本龍一さん
が好きだと言っていた。
原宿店は、JR原宿駅を降りて、信号を渡り、竹下通りの坂を下りてすぐ右に
曲がったル・ポンテ(今でもあるのだろうか)の奥にあった。
センター通りを抜けて、パルコへと向かうスペイン坂の途中にある渋谷店
とは客層が異なっていた。
ずっとずっと、若かった。週末には埼玉や千葉からたくさんの女の子たちが
2000円弱くらいを持って、1000円くらいの安価な買い物をしに来ていた。
竹下通りはそんな通りだった。すぐ隣には、表参道がずっと青山方面まで続き、
明治神宮も歩いて5分くらいで、日曜日にはその隣の代々木公園の前の通りが
歩行者天国になっていた(ロカビリー→竹の子族→バンド・ブレークダンス
→ローラースケート というような流れ、あるいは混合で移り変わってきました)。
社員のあかねさんは、ちょっとこわい感じのきりっとした表情の持ち主で、
昔は竹の子族だったという噂だった(プリンスが好きで、よく1999の
アルバムを話をした)。もうひとりの社員の石井さん(たぶん、もう旧姓)は、
オメガ・トライブのカルロス(サンタナか?)の追っかけだった。
バイトの子たちも、渋谷店よりずっと若く、スタイリストを目指す女の子や、
札幌かやって来たパンクの男の子や、ミュージシャン志望の男の子なんか
が集まっていた。
なんか、ちょっとアウトローだなあ。
そういえば、渋谷の店長は、ミュージシャン崩れ(失礼)だったし、六本木
の店長は、その昔、大学生の頃、DJをしていた(「○○君、ZAPP のロジャー
最高やなあ」「そうですよね」なんて会話を交わしていた)。
偶然の「アウトロー」ではなく、意識的に外した「アウトロー」だ(なかなか
打ちにくい)。
大中は、その後、同じくダイエー100%出資のマルシェという「くだらない」
(ごめんなさん)と合併して、商品構成が「全く面白みがなくなって」(ごめん
なさい)継続して営業している。死に瀕したダイエーは、まだまだ売り上げを
あげることが出来る(商品力、ブランド力、組織力)部署を切り売りして、
整理をした。ローソンもそのうちのひとつだ。
まあ、てっかくなりすぎて、カリスマがいて、そのカリスマの方ばかりを
上層部がみて、それで時代の流れに対応できなくなったということかもしれない。
大中は、もともと「アウトロー」で、たまたま、DCブランドの流れで、ブランド力
があがったが、もともとは、典型的な「アウトロー」な雑貨屋さんだった。
上記の人々の大半は、もうそこにはいない(僕も含め)。
なんか、その人たちと会って、はっはっはっと笑いたい。
きっと、楽しくみんなで、おいしいものを食べて、おいしいお酒を飲めるはずだ。
みんなそれぞれに灰汁があったけれど、表裏のない「スコーン」とした人ばかり
だった。
マナーの話。
スープをずるずると啜るのは、グローバルスタンダードでもカッコ悪い。
僕たちは、うどんや、そばを音をたてて啜るので、その癖もついているのだ。
英語で、slurp(スラープ)とは、ぺちゃぺちゃ音をたてることだ。
日本が長い外国人に、「そばをスラープできるかい」と聞くと、「練習して
できるようになった」と答えられることがある。そう、小さい頃から、テーブル
マナーとして音をたててはいけませんといわれているため、音をたてる方が
難しいのだ。
よく、おっちゃんでいるけれど、ペロッと指をなめて、紙のページをめくったり
する人。自分だけの書類や本であればいいのですが、これが、職場での共有の
書類だったりすると、これがまた困るわけです。
マナー、これは何かというと、他者への気持ち。公共性の意識、その問題
なのです。公共交通機関で大声で話さない、バスでマクドナルドを食べたり
しない、そんなことと一緒です。
他者への意識、ケアー、大事です。

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2010/4/25
マイケル・ブーブレを聞いている。crazy love、これがアルバムタイトル。
今、かかっているのがオリジナルの、i haven't met you yet、アップテンポ
のご機嫌なナンバーだ。ラブコメディのハッピーエンドのシーンで主人公が
早足で歩きながら、じっと微笑む、そんなラストシーンに似合いそうな曲だ。
そして、その映画を見終わった観客たちは、ほっと、自分が愛する人たちの
ことを思い浮かべるのだ。愛する人たちがいない人は、その曲のi haven't met
you yet という歌詞を思い浮かべながら、ちょっぴり胸をキュンとさせるのだ。
あれっ、一体何の映画?
マイケル・ブーブレのことは知っていた。CDの試聴もしたことがある。
声を印象に残る声だ。確か、日曜日のSHOW BIZ でも何度が流れていた。
昨日、山野楽器で、CRAZY LOVE を買った。フランク・シナトラの再来とかいう
コピーがあるが、ポップスも歌いこなせる、もっと幅広く音楽と向き合っている
感じがするし、ジャスというより、まろやかで、ストロングで、時々、ゆるいエッジ
が効いた雰囲気がある(よくわからんでしょう、僕もわかっていません)。
要は、多様性があるということですね。それは、音楽性の問題です。
小倉コレット(正しくは、I'm)にある、山野楽器は、銀座に本店があるお店だ。
横浜に住んでいるときに、inter-fmで、よく山野楽器が提供になっていた番組が
あった。ソウル・ミュージックばかりを流す番組だった。週末の午後に流れて
いた番組だったような気がする。
銀座の山野楽器が位置する場所が日本一地価の高いところだ。
1平方メートルあたり、2840万円(おい、マンションが買えるぞ)。
外のベランダには、昨日に引き続き、太陽の光が降りてきている。
兵庫県の西宮に住んでいた2年前(福岡→西宮→横浜→西宮→小倉、こんな感じ
で人生を移動しています)、西宮北口(今は、圧倒的に大きい阪急ホールディングス
の商業施設が出来ています、その昔、大昔、そこには西宮球場があって、
今のオリックスの前身の阪急ブレーブスの本拠地だった。そこでは、時々、ゲーム
がないときに、競輪が行われていた)の西宮北口のコープの花屋さんで買った
サンスベリア(4鉢、1鉢は職場に持っていった)のひとつが、くてっとなっていた
ので、鉢を植え替えた。ダイソーで、プラスティックの鉢と、乾燥土のパーム用土
を買い、入れ替えた。サンスベリアは、寒さに弱く、しかし、どんどん大きくなる。
空気を浄化するという効用があるので、いたるところで見かける。
大阪の北区のドトール・コーヒーショップで山ほどのサンスベリアが並んでいた。
たまに行く大分のバーのnatural store にもあった。
4年近く持っている。凄い。
横浜の神奈川区の妙蓮寺に住んでいた時には、出窓にサボテンと切花を置いていた。
切花は、地元の八百屋さんが、ついでに売っているようなやつばかりだったので、
とても安かった。定食屋の「青信号」(ここのチキンカツ定食が絶品です。その他
とてもおいしい食事を出します。横浜に住んでいるときには、累計して200回くら
は行っていると思う。近くにOKストアー(神奈川ベースのスーパー)があり、
菊名プールがある(夏には、よく行ったものだ)。東急東横線ののんびりとした
駅だった。
平日の休みに、下関から山陰線で滝部まで行き、滝部温泉に入った。
山陰線は、安岡からの北の福江辺りから、海辺沿いの景色になっていく。
そこから長門市までは進行方向左側にきれいな海が広がっていく。
金子みすずの記念館があるので、その仙崎まで向かう列車は潮騒○号と呼ばれる。
2両の普通席と指定席の列車だ。途中、景観がすばらしいところで3分ほど停車
する。晴れた日には、とてもきれいな海をみることができる。
山口県の温泉には、川棚温泉へと日帰りで行ったとこがある。川棚グランドホテル
の温泉は、とてもきれいで、温泉のあとの瓦そば(本当に、瓦の上に盛られて
出てきます)が、セットで1500円(たしか)とお安い値段で、温泉、食事を
堪能できる。今回の滝部温泉は、もう少し、こじんまりとした感じだ。
遠くに5基くらいの白い風車があった。バブルのときのものだろうか。
建造費・維持費の原価償却ができるのはいつなのだろう、なんて思ってしまった。
平日の昼下がり、温泉にいるのは僕だけだった。子どものように平泳ぎで泳いだ
(浅いので脚のキックはできなかったけれど)。
露天にも入った。空を塞ぐ、木々の緑が眩しかった。
当然ながら、のんびりとし、頭の中で、ルイおじさんの What A Wonderful
World が流れた。
お約束のとおり、その温泉宿の食堂で瓦そばを食べた。おいしかった。
次は、長門市まで行き、金子みすず館を訪ねたい。ペンタックスの
デジカメを持って。
おまけ:
あなたのご自慢の地元は?
http://todofuken.ww8.jp/
そして、エコキャップ。継続が柱です。小倉周辺にお住まいの方は、
小倉のアミュプラザ、西館の2Fの受付で受け取ってくれます
送付、サービスもできたそうです。
http://ecocap007.com/

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2010/4/22
ER [ がNHK で流れていた、深夜のアメリカのテレビドラマだ。
今日のテーマは、PARENTHOOD,親であること、そんなニュアンスです。
相変わらず、テンポのいい会話が交わされている。
登場人物がたくさん出てきて、それぞれの人生を「サバイバル」している。
職場で、「シャープ」な上司であるお父さんも、家に帰ると娘のことで
奥さんと悩んでいたり、結構、順調に生きているように見える人でも、
結構、大変だということだ。人は見かけによらないのだ。
みんな、やはり悩んでいたりするのだろう。
頭が悪いと悩んでいたり、お金がないと悩んでいたり、健康じゃないと悩んでいたり、
太っていると悩んでいたり、職場でストレスがたまるの悩んでいたり、寂しいと
悩んでいたり、人生ってなんだろうと悩んでいたり、美形じゃないと悩んでいたり,
虫歯が痛いと悩んでいたり、子どもが出来ないと悩んでいたり、自分が「へたれ」だ
と悩んでいたり、お酒のみすぎたと悩んでいたり、うまく料理ができないと悩んで
いたり。
あなただけではないのだ。
とにかく、僕たちは生き続ける必要がある。
ある人が言っていた。勝ち続けるのではなく、負けないことが大事なのだと。
そして、時々、負けてもいいんだと思う。

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2010/4/21
牛河さんは、「うしかわ」だと思う。「ぎゅうかわ」ではないと思う。
BOOK 1 2 はとっくに読んで、BOOK OFF に持っていってしまったので、
部屋には残っていない。BOOK1 2でも説明はなかった思う。
村上春樹氏の本は、大学になって読み始めた。デビュー作は講談社文庫の
やつを大学の生協で買った(生協では、定価より安くなるのだ)。
『羊をめぐる冒険』も文庫本だ。
ハードカバーは、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』だった
と思う。大学の紹介の短期のアルバイトをしていたとき、一緒に働いて
いた男の子も(とっいっても、同い年くらいだから、もうおっさんなんだけれど)
村上春樹ファンで、『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』が
出版されてうれしいという話をしたのを覚えている。
うれしくって、友だちにその本を贈ったといっていた。きっと村上龍ファン
(僕は、村上龍も結構、好きで読む。2人の村上のファンは結構、はっきりと
分かれていたりする。村上龍のファンの人は、村上春樹が好きじゃない人が
多い)は、本を友人に贈ったりはしない。
『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』からは、ほとんど、初版の
ハードカバーで村上春樹氏の作品を購入した。
『ノルウェーの森』の大ヒットまでは、比較的、「ハルキスト」は少なかった
(勿論、たくさんのファンはいたけれど、当時から)。
好きな作家は、と聞かれれば、村上春樹と答える。
しかし、村上春樹の本は、読んでは古本屋へと売ってしまっている。
どうして?
BOOK 3 完読。
おもしろかったです。
僕にとっての村上春樹氏 NO1 は、『ねじまき鳥のクロニクル』だった。
それが、『1Q84』になるかもしれない。
生きるうえにおいて大事なことが、直球で語られているからだ。
3人の主人公という感じだが、青豆という女性の存在が、圧倒的に「男」の
立場からすると「カッコいい」。
そして、牛河さんの存在が「マイナーコード」でブルースの音色を
織り成して、悲しい。
月が、気になる。
村上春樹氏の新作(長編)を読めるのは、
次はいつになるのだろう。
5年後くらには、『1Q84』も文庫本で発売されるのだろう。
久しぶりに、物語の素晴らしさに触れた。
読みきってしまって、なんか悲しい。
ジムで読み、部屋で読み、モノレールの中で読み、昼休のプロントで読み、
朝のドトールで読み、カクウチスタイルありありで(カクウチで読むんじゃ
ありません。これが、集中できるんですね)読んだ。
小倉の町の色んなところで読んだ。
さてと。

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2010/4/18
村上 春樹氏の『1Q84』BOOK 3が書店に並んでいる。隣には、BOOK 1 2
が積まれている。BOOK 3の内容に関しては、全く前情報が流れなかった。
紙媒体は衰退しつつある(?)。日経新聞も有料でのネット配信を初め、
アップル社は、キンドレー(?)に対抗して、紙媒体ではない、電子上の
活字媒体の(本ですね)販売を始めている。
新潮社にとっては、確実にミリオンセラーがとれる本なのだ。期待感を熟成
し、そして、『ノルウェーの森』(これは、講談社でした)のように、
BOOK 1 2を並べて、また新しい読者を取り込みたいのだ。
おまけに1冊の値段も高めだ。
ここには、作者の意図はない。新潮社のマーケティングの作戦なのだ。
16日に予約していた本を取りにいき、帰りに読み始める。
600ページある。村上春樹ファンの至福な時間。新作の本を手に取って、
それから自分がどっぷりと「村上春樹のストーリーテリングの海」の中に
つかることができる。
土曜日、関東では雪が降っていた。のんびりとした土曜日の午前の時間を
半分だけ覚醒した意識の上でころがす。テレビでは、NHK のドキュメンタリー
が流れる。坂の多い長崎のある坂をファーカスしたものだ。相生地獄坂。
160段。小学校までは、200段とちょっと。何人もの人が行き来をする。
老若男女。
「無理せんごとのぼるのがよかとよ」
「下りが危なかです」
人のひっそりとした営みがそこにあった。隣(?)の諫早市を舞台に撮られた
映画が『読書する女』だ。主人公の女性は、牛乳配達をしている。その坂を
いつも駆け上がっていく。
なぜか、岩井俊二の『りりィ・シュシュのすべて』をDVDでかけた。
大昔、つきあっていた女性と銀座か渋谷か日比谷でみた映画だ。
映画全体のトーンとストーリーがヘビーで、ちょっと滅入ってしまった。
しかし、じっと見直してみると、なかなかいい作品だということがわかった。
物語の「刹那さ」は変わりはなかったけれど。
冷蔵庫に残っていた、ピーマンとオクラとソーセージとベーコンとたまねぎで
ナポリタンをつくった。ケチャップを結構使った。口の周りにケチャップを
つけながら、映画を見た。太陽の光が、窓から入ってきた。映画を見た後、
部屋にごろんところがった。
15時30分。洗濯物を干し、部屋の中のサンスベリアをベランダに出す。
マイケル・フランクスをかけ、氷結のピーチの缶を開ける。太陽の光は少し
ずつ傾いている。
PERFECT DAY FOR 1Q84 BOOK3
そうやって、僕は、1Q84 BOOK 3 を読み始めた。
土曜日、19時前に旦過の赤壁に寄る。
18時30分、月は薄く切り取られて、水色の残った空に浮かんでいた。
紫川のずっと向こうの方に。
日曜日。現在、261ページ。600ページある。
物語が佳境へと向かっているのがわかる。
楽しみだけれど、終わってしまうことを思うと、またそれも辛い。
日本中の村上春樹ファンが、それぞれの場所で、それぞれの方法で、
BOOK 3を楽しんでいるのだろう。
よい週末ですね。皆さん。

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