1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2009/5/30
村上春樹氏の最新作『1Q84』は、5月29日に全国発売された。
当然ながら、マーケットが最も大きな東京では、28日には
店頭に並んでいたのだろう。
7年ぶりのその長編は、初日68万部を販売し、社会現象に
なるかもしれないとニュースで言われていた。
『ノルウェイの森』の現象の再来なのか。
『ノルウェイの森』の時は、緑と赤の表紙で、1,000円くらい
の価格設定だった。マーケティング操作されていた感じがある。
しかし、今回は、それよりずっと分厚いハードカバーで、2冊、
1冊2,000円弱だ。
まあ、イスラエルでの賞の受賞やノーベル文学賞の候補になった
ことが、村上春樹氏を「日本文学」として認めていなかった輩
たちにも「受け入れられる」(逆輸入だ)こととなったからだろう。
まあ、『羊をめぐる冒険』がアメリカで英訳されたときから、それは
始まっていたのだろうけれど。
春樹ストたちの幸福な時間が、日本中に満ちている。
もうすっかり、その時間に浸りきっている、もう読破して2回目の
「読み」に入った人たち、もっとゆっくりと読めばよかったと
後悔する人たち、しめしま、まだ800ページもあるものねと、
ほくそ笑む人たち。
自分がまだ読んだことがない「村上春樹」がそこに「まだある」
幸せ、それは、村上春樹氏が本当に好きな人にしかわからない。
話題のために読むのではなく、ただ、自分の人生においての
定点的な(不定期に数年の期間を置いて発売される村上春樹氏の
長編)「重要なイベント(村上春樹氏の長編発売)」観測の時間
なのだ。
僕が村上春樹氏の作品を初めて読んだのは、1982年あたりだった。
その頃には、デビュー作の『風の歌を聴け』は、講談社から文庫として
発売されていた。それでもタイムリーではないのだ。
その頃、ジョージ・オーウェールの『1984』が話題になり始めて
いた。僕が、大学生の頃のことだ。
現在、『1Q84』のBOOK 1 を読んでいる。116ページ。
幸せな時間。幸せ、幸せ。

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2009/5/27
大阪駅の京都線のプラットフォーム7番・8番へと向かう。
白のマスクで口を覆っている人は少ない。
毎日、マスクをすることに飽きてきたのかもしれない。
新型インフルエンザが弱毒性で、学校も始まったということ
もあるかもしれない。
プラットフォームへと向かうエスカレーターには、右側に
列が出来ている。エスカレターに並ぶ右側の列と左側の列。
地方によって異なる。関西地方と関東地方で人生の時間を
半分ずつ位過ごした僕にとっては、エスカレーターの右側、
左側という判断で結構、考えることがある。考えるという
より、前の人の列に並ぶという感じだ。
今日は、日帰りの大阪への出張だった。仕事が終わった後、
紀伊国屋梅田店に寄ってみた。5月29日発売の『1Q84』
村上春樹さんの新作が並んでいるかと思ったからだ。
東京や大阪の大型書店では、発売日より早く店頭に並ぶ
ことがある。
さすがに、まだ発売されていなかった。
紀伊国屋梅田店の外を出たところには、簡易の立ち飲みのビールの
お店が出ていた。丸いテーブルが並んでいた。
梅田のざんまい屋で、ビールを飲みながら、モダン焼きを食べた。
半分にはオリジナルソース、半分には阪神・尼崎のオリジナルソース
(神戸や大阪の地ソースから選べる、なんてセレクションだ)を
かけて食べた。やはり、お好み焼きは、関西のちゃんとしたところで
食べないと。広島の人は、広島風で、おたふくソース以外はありえない
のだろうと思うけれど。そして、カープ。マツダスタジアムには行って
みたい。
そのお店の隣のラーメン屋さん「あらうま屋」もおいしい。
西日本の新幹線には、新大阪から岡山の間で、不要なゴミを回収してくれる
2人組みの女性が現れる。アリスメイトというらしい。
そして、新幹線は関門トンネルをあっけなく抜けて、小倉へと戻って
行った。

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2009/5/24
NHK のテレビが、0時50分から、ERを流している。
病院の物語だ。主人公たちはもの凄く忙しい。それでいて、
それぞれの人間関係が複雑に絡みあって、患者の人間関係も
複雑に絡み合ってくる。ERは、シリーズ7だ。7.
昨日の夜、というより、夜中は、THE HOSPITAが流れていた。
みんな病院が好きなのだ。人間の、究極的なポジショニングの
生と死の物語だからだと思う。みんなが通る道だからだ。
午前1時、小倉にも結構の酔っ払いたちが、馴染みのバーを徘徊し、
ちょっと馴染みの客たちと(ところで、誰だったけ?なんて思いながら)
「いい気分」で「どこにもいかない話」をしているのだと思う。
カクウチスタイルありありで、に寄り、SPAIN BAR O へと寄り、
NORTHREN CROWN へと寄った。余市を飲んで、山崎を(12年ね)飲んで、
余市を飲んだ。先日書いたとおり、AERA の最新号(関東・関西は月曜
発売、しかし、九州に渡ってくるのは、水曜日。よほど、読者が少ない
のだろう)の現代の肖像に、サントリーのブレンだーが取り上げられている。
輿水さんだ。サントリーのブレンダーは、7人きりらしい。
場末のバーで、飲むウィスキー。丸い氷がそれぞれのこだわりのグラスに
入っている。
山崎と余市。関西と北海道のウィスキーだ。
ER 7では、飛行機が墜落して、何十人もの負傷者と死傷者が出ている。
主人公の医者や看護士たちは、大忙しだ。
人生ってやつは、全く。

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2009/5/22
輿水 精一さんは、サントリーのウィスキーブレンダーだ。
2006年には、NHK の『プロフェッショナル』に出演している。
そして、AERA の最新号の「現代の肖像」でも取り上げられている。
ウィスキーって、そんなに手間がかかっているんですか。
数万丁に及ぶ12年以上の原酒樽を半年かけて、約100タイプに
分類し、テストブレンドを重ねながら、約50種類の原酒に絞り込む。
ブレンダーは100万の個性を巧みに組み合わせて、均質な商品をつくり
出すという離れ業をやってのける。しかも、10年先の安定供給を見越して。
しかし、原酒は、最低でも5年から10年熟成させないと使えないため、
レシピを構成する原酒が足りなくなったからといって、急な補充は利かない。
サントリーのブレンダー室には7人のブレンダーが在籍する。
輿水さんは、そのチーフを務める。
サントリーの原酒の総数は、100万樽。原酒樽には二つと同じものはない。
輿水さんは、数百本の原酒ボトルが並ぶテーブルと、テイスティングを
終えた原酒を吐き出す吐器がある部屋で過ごす。
昼食は、210円の天ぷらうどん。コーヒー、タバコ、キムチなどは
食しない。家には芳香剤も無いらしい。
奥さんは、ご主人の仕事の大変さを、『プロフェッショナル』を見て
初めて知る。
徹底的に職人であること、それは、本人にとって、ごくごくごく
普通のことなのだろう。
サントリーは、「響12年」を5月にヨーロッパで先行発売をする。
ブレンダーは、輿水さんだ。
Shall we Whiskey?

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2009/5/17
ここのところ2日間、会社関係の「飲み」が続いている。
金曜日、スタッフの送別会で、小倉の「賢太郎」というお店で
飲み(お刺身がおいしかった)、カラオケに行き(久しぶりだ)
タクシーに乗って帰った。家へと着いたのは2時くらいだった。
土曜日、期限切れ間際のウェッブ・レッスン(ウェッブ上での
英語のレッスンですね)のポイントを消化するために、合計3時間
くらいの英語のレッスンを受けた。30分ごとのユニットで、その
都度、先生が変わった。英語漬けな感じだ。イディオムを勉強して、
新聞からなどのトピックについて話しをする。僕のレベルは、1aと
いって、一番上のレベルだ。ずっと夜にレッスンを行っていた。
アイルランドとつながってのレッスンだった。最近になって、その
つながりが思わしくなく(こちらのコンピューターの問題も大きい)、
ずっと、大阪の難波のスタジオをつながっている。2年前までは、
僕はその6階で教材をつくっていた。小倉へとやって来て、ほぼ
1年、早いものだ。
ジムへと寄って、30分ほど運動をした後、またまた会社関係の飲み会
に出席した。福蔵という場所で、豚の角煮がおいしかった。
残った4人で、SPAIN BAR 0 へと行った。店は結構混んできた。
僕の隣に腰掛けていたのは、元フライトアテンダントの講師で、
子どもたちにも英語を教えていたことがある先生だった。
子どもたちは保護者への姿勢の話を聞いて、僕が小学校の頃、
こんな先生に習っていたら、きっと、大きな影響を受けただろうな
なんて思う、素敵な先生だった。
その道で苦労をしながら、自分のやり方をしかりと見つけてきた人は、
強い。それが、生き方になってくるからだ。
ちょっと大げさな言い方をすると、教えることは、生き方を「見せる」
(決して、教え込むではない、生き方は自分で学ぶしかないからだ)と
いうことになる。
結構、フライトアテンダントのときも、苦労があったみたいで、そんな
経験が(乗り越えてきたという経験)その人を輝かせるのだ。
ウェッブレッスンで話した先生のひとりが(今は、大阪の難波、関西ネイティブ
は、「な」にアクセントを置く、に住んでいるらしい)、小倉に住んでいた
ことがあると言っていた。飲み屋さんの話をしていて、平和通りに、スタンディング
のバーがあるだろという話になって、その店が、カクウチスタイルありありで
だということがわかった。It's a small world,isn't it !
別の先生とは(大抵、女性の先生が多い)、村上春樹のことについて
話をした。やはり、たくさんの人が(日本人ではなくて、アメリカ人や
イギリス人やオーストラリア人が)、村上春樹を読んでいるのには
驚く。まあ、日本で英語を教えようとする人たちは、日本文化への
興味が強いところがあるため、村上春樹を読んでいる率が高いのだと
思うけれど。5月29日には、『1Q84』が発売となる。
SPAIN BAR O では、2時くらいまで飲んでいた。
結局、4人は2人ずつに分かれ、タクシーに乗った。
部屋へ着き、眠ろうとしたが、テレビをつけてしまい、そこで
流れ始めた『コールドケース』を見てしまった。
リリー・ウォッシュ刑事が、自分の幼児体験を絡ませながら、
幼児虐待の犯人を捜すというものだった。
それぞれが、それぞれの事情を抱え、それでもなんとか、
時々、おぼれそうになったりしながらも、生きているのだ。

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