1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2008/5/10
8日と9日で、小倉へと行った。
転勤のための引越し先を探すためと、仕事の引継ぎのためだ。
朝の新幹線で、11時くらいに小倉へと着き、早速、不動産屋
さんへ行って、5つくらいの物件を探して、しっかりと物件を
みてきた。その不動産屋さんの担当の人は、40歳くらいで
なかなかのやり手で、仕事ができそうな感じで、こちらの希望
にしっかりとのってくれて、おまけに家賃交渉をしてくれて、
共益費をゼロにしてくれた。
ちゃんとしたセキュリティのマンションで、天井も高く、いい
感じの物件だった。勤務地にも近い。
小倉は僕にとって、通過する街だったが、はじめて降りたという
感じだった。小倉城があり、川が流れ、こじんまりとした感じで
住みやすそうだった。福岡では、博多の方が人口的にも増えている
みたいだけれど、小倉は、下関などとの接点でもあり、ちょうど
体の関節のような役目をしている感じだ。
8日は、新しい職場の人たちと、夜、食事へと行った。
なかなか楽しい飲み会だった。
その前日も、小型の送別会を開いてもらって、心地よく飲む
ことができた。リラックスして、ただお酒とおしゃべりを楽しむ、
それって、結構、人生の何気ない時間の中でも重要なものだと
思う。そんな時間を持てることに、ただ感謝する必要があるの
だと思う。
昨年の夏休み、長崎と広島へと行った。長崎は原爆記念日だった。
長崎に落とされたファットボーイは、小倉へと落とされる予定
だったのだ。たくさんの工場があったためだ。
しかし、悪天候のため、小倉への投下をあきらめ、長崎に投下
されたのだ。そういったことは、大阪以東に住んでいると、
あまりピンとこない。
広島や長崎が身近にあると、そういったことは風化しないように
大切に考えられて続けていくのだと思う。
横浜の野毛のジャズバー、ダウンビートに、最新エッセイ掲載
されています。
http://www.yokohama-downbeat.com/talk/index.html

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2008/5/7
僕たちはサクセスストーリーが好きだ。ただ、行き過ぎたものには
嫉妬を感じ始めるが。しかし、ポール・ポッツにはそれはあてはまらない。
ポール・ポッツ。日本でも本年の4月29日・30日に東京文化村
オーチャードホールで公演を行った。こういったコンサートは圧倒的
に早いし、その企画力には舌を巻く。知名度も圧倒的に「東京」なの
だろう。
ポール・ポッツは、携帯電話を販売するしがないセールスパースン
だった。しかし、イギリスのBritain's Got Talent (オーディション
番組)に出演してから人生が変わる。歌っているのは、プッチーニの
オペラの中の曲『誰も寝てはならぬ』(僕はすぐに寝てしまうけれど)
だ。
オーディションの初登場のシーンは、まるで安っぽい(ごめんなさい)
脚本の映画のようだ。さえない見かけの出場者に、冷ややかな目を投げる
審査員。出場者が、オペラを歌うという、まいったなあという審査員の
表情。いいよ、いつでも準備ができたら始めてくれ、そして歌い始める
ポール・ポッツ。
あまりのすばらしい歌声に、審査員も観客もその曲の中に入り込む。
まさに「誰も寝てはいない」状態。
http://www.youtube.com/watch?v=NLF9iEXnBRo&feature=related
HMVのポイントがたまっていたので、ポール・ポッツのCDを買った。
ONE CHAMCE それが、そのCDのタイトルだ。
1曲目には、勿論、プッチーニの『誰も寝てはならぬ』が入っている。
(無論、パヴァロッティのそれにはかなわないけれど)
クラシックだけではなく、『マイ・ウェイ』や『アマポーラ』や
『カルーソー』(『ディア・ハンター』に挿入されていた曲)なども
入っている。
少年時代は、いじめの対象となり、「自分の声だけを友人」として
生きてきたらしい。地道なアマチュアレベルの活動を行い、クイズ
番組で獲得した賞金に貯金を加え、3ヶ月のイタリアのサマースクール
に通っている。そして、スター発掘のためのテレビ番組へとつながって
いく。やはり、継続は力なのだ。彼の場合、才能もしっかりとあった
わけだけれど。
CDのジャケットの後ろのメッセージのはじめには、奥さんへの
感謝のメッセージが掲載してある(そうでなくっちゃね)。
ポール・ポッツ、2週前の「AERA」にも出ていた(さすがに早いですね)。
ポール・ポッツさん、訳もなく悲しいときには、よろしくお願いしますよ。

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2008/5/4
そのバーの常連のHさんは、ローレンザ・ポンセが好きらしい。
といっても音楽にやたら詳しいというわけではなく、エリック・
クラプトンやシェリル・クロウ以外は、よく知らないらしい。
ローレンザ・ポンセは、ヴァイオリニストで、シェリル・クロウ
やボンジョビのバックで演奏をしていたりする。
とてもきれいな女性だ。
http://www.lorenzaponce.com/index.php
Hさんは、映像関係の仕事をしているらしく、Merry Maker でも際立った
雰囲気を持った常連だ。そのバーには、音楽好きであるということが、
常連のお客さんになるというひとつの重要な要素だと思うが、音楽が
それほど好きではないという常連もいる。
そんなお客さんは、そのバーの雰囲気であったり、そこに集う人々の
発する化学反応であったり、魅力的なマスターであったり、そんな
要素に惹かれて、お店に足を運ぶのだと思う。
3日連続で、足を運んだ。僕がよく行っていたのは、スポーツ
クラブが休みの木曜日の夜だった。お店の生ビール、カールスバーグ
(バーグという響きが、リンドバーグやエドバーグを思い起こさせ
なんとなく、北欧っぽい。カールスバーグのオリジナルは、デンマーク
だ)を4〜6杯くらい飲んで、時間を過ごしていた。
DVDで、イーグルスが流れ、リンダ・ロンシュタットが流れ、
レッド・ツェッペリンが流れ、ウィングスが流れ、ポリスが流れ、
ジョン・メイヤーが流れ、デビッド・サンボーンが流れ、
シェリル・クロウが流れ、そして、エリック・クラプトンが流れ
ていた。
3日間通って、昨日、やっと僕が北九州(小倉)に転勤になること
を伝えることができた。僕の隣には、マスターの元会社関係のHさん
(さっきのHさんとは別のH さん)が腰掛けていた。
映画の配給で有名なアミューズに勤務している人だった。
2年前に大阪から東京に転勤になって、今は、三軒茶屋に住んでいる
ということだった。東京の食べ物とかの話をし、映画の話をし、
会社の収益構造の話をし、マスターの昔の話をした。
とっても話しやすい人で、ゴールデンウィーク中は大阪に戻ってきて
いるということだった。故郷は愛媛県松山で、5日にはお母さんの
ところへと帰ると言っていた(お父さんはもうお亡くなりになられた
らしい。その状況は全く僕と一緒だった)。
趣味でバンドを続けており、ボーカル担当ということだった。
リズム&ブルースが好きらしい。
帰りに、マスターから、アミューズ配給の映画のビデオをもらった。
アキ・カウリスマキの『過去のない男』と『鯨の島の少女』だった。
アミューズ、『猟奇的な彼女』(韓国映画の方ですね)の配給もして
おります。
そのHさんは、午後2時からずっと飲んでいると言っていた。
ここ数十年間、休肝日は全くないらしい。
日曜日には、バンドの練習をすると言っていた。
お酒飲みすぎると、ジョー・コッカーみたいになりますよ、まこと
さん(まあこれくらい名前出しても、いいですね)。
引越しの準備を少しずつしている。横浜から西宮へ移って2年弱、
ちょっと短いインターバルだけれど、仕方がない。
「九州、いいよ、絶対、食べ物はおいしいし、女の子はきれいだし」
酒飲みのボーカリスト、まことさんは、ちょっと酔った感じの口調で
力説していた。

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2008/5/3
お気に入りのバーを見つけるのは難しい。
雰囲気やかっている音楽や、ちょっとした食べ物や、そして
何よりカウンターの向こう側にいる「その人」が重要になる。
といっても、白いシャツに黒いパンツのバーテンダーが、シェーカー
でしゃかしゃか鳴らして、ピアノトリオのジャズがかかっているよう
なバーではない。
かかっている音楽は、ロックであり、リズム&ブルースであり、
ちょっと珍しい女性ボーカルだったりする。
ハウスビール、どんな種類のドラフトを出すかも重要で、
今までのお気に入りのバーのドラフトは、ハイネケン(横浜中華街
オラフ)、カールスバーグ(横浜野毛キネマ)、バスペールエール
(横浜野毛ジラソール)、エビス(バーでないけれど、野毛史)
という感じだ。
ビールの後ろにいる、マスターとただ話をして、音楽をそれとなく
聞き、店内に流れる映像を眺める。
そこには、生産的な時間はないかもれないけれど、少なくとも
時間は「心地よく切り取られ」、ただ浮遊している。
ビールの5杯目を飲んでも、その空間の中で、「冷静」でいられる
のは、その時間の心地よさのためだ。
ただ、そんな時間は永遠には続かない。店は、少しずつ時間を重ね、
常連を変えていくからだ。それが、時の流れというもの。
転勤が決まった。今は、難波のメーリー・メーカーというところが
僕の心地よい身の置き場なのだが、残念ながらそこともお別れだ。
まだ、マスターには話をしていない。
メーリーメーカーの生ビールは、カールスバーグだ。

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2008/5/1
『情熱大陸』は好きな番組だ。この番組が好きな人が多いのは、
きっと日曜日から月曜日の仕事モードに入る睡眠の前に、「ああ、
がんばらなければ」というエネルギーをもらうことができるから
だと思う。
眠る前のイメージは、とても大事だ。嫌なことをずっと考えながら
眠ると、「形状記憶」で、朝起きたときも、そのままのネガな表情
になっていたりするらしい。
さらに、睡眠がもの凄く大事なのは、睡眠によって、日常に起こった
ことなどの記憶の整理をしているからだ。試験前には、徹夜をするより、
ある程度、学習をしたら、眠ってしまったほうがいい。眠っている間
に勉強したことが反芻され、整理されるからだ。
『強育論』宮本 哲也著を読んだ。
再読だ。横浜の算数塾の講師だ。教えるということをしないで、
ひたすら「考えさせる」。考えるという行為が、学力をつける
ための早道だと考えるからだ。そんな学習方法で、数々の有名
中学の合格者を輩出している強育者だ。
再読して、発見をすることが山ほどあった。成功する人は、
99回の失敗をしているということ。
考えるということだけが、力をつけるということ。
ずっと前に『情熱大陸』にも出ていた。調べたら、2006年の12月
のことだった。
http://www.mbs.jp/jounetsu/2006/12_10.shtml
『情熱大陸』に出演した人たちの「その後」をちゃんと追っていく
こと、大事です。
最近は、サカナ君がテレビに出たら、「おお、魚博士」と思うように
なった。『情熱大陸』に出ていたからだ。
人は、誰でも、「成長したい」と願っているものなのだ。

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