1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2007/3/11
パン屋襲撃閉店10分前
おさむ
阪急三宮駅の改札を出たところにある本屋さんで
千原 ジュニアの『14歳』を手に取り初めから読む
25ページを読み終えたところで
隣のFREDSの店員さんが大きな声で叫ぶのが聞こえる
「今から残りの菓子パン全て100円になりまああす」
店内から流れるほたるの光が聞こえてくる
パンが大好きな私は
体内の血液が急に高速で循環し始めるのを感じる
夜は部屋へ戻って昨日ディスカウントで買ったぶりを
照り焼きにして食べようと思っていたのに
きゃああああ
どうしよう
千原 ジュニアの『14歳』も25ページまで読んだというのに
知らないうちに私は本を閉じ(ちゃんと白いしおりを25ページにはさんだ)
本を戻し
パン屋さんへと向かった
いたっつ
お店の社割りで買ったブーツが痛い
ちょっとヒール部分が高すぎるのだ
あせるな私
きゃああ
いつもは140円のバナナクーペが100円
いつもは160円のバームデニッシュが100円
いつもは170円の丹波大納言あんぱんが100円
いけない
いけない
これ以上は明日の朝の分としても食べきれない
雑誌に書いてあった
日本でパンの消費量が多い都道府県は近畿圏で占められていると
パンフリークが多いということだろうか
私は体脂肪率が少し高めなのだ
パンの入ったFREDS の袋を持って満足した私は
改札を抜ける
丁度電車が出るところだ
かっつ
かっつ
いたっつ
電車に乗ったところで扉が閉まる
「駆け込み乗車はおやめください」アナウンスが聞こえる
ブーツを履いた右足が痛い
きゃああああ
私は気づく
本のことを
千原 ジュニアの『14歳』が途中だった
25ページの2話目の「大人の目が変わった」というところだったのに
夜11時13分
いけないいけないと思いながら
バナナクーぺをがぶりとかじりながら
牛乳をごくごくごくと飲む
大丈夫
あの頃には戻らない
3年前の高校生の時代
拒食症と過食症を繰り返し
引きこもっていたあの頃
その頃とは私は違うのだ
明日は木曜日
お店に荷物が届く
売れ筋のパンプスだ
これで今月の売り上げ予算はなんとかなると思う
明日『14歳』を買おう
給料日まであと9日で
ちょっと大変だけれど
きっと
きっと大丈夫だから

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