1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2007/3/2
仕事を終えて、難波で『船場カリー』を食べる。
船場まで行かなくても、そこにあったのだ。船場カリー。
精米7日以内のお米を使い、いくつもの香辛料に烏賊墨
が入っている。だから、ルーの色が他のカレーのお店とは
違っている。難波シティ店へと行った。
ビーフカレーとサラダ。辛さをプラス。
なかなかルーがしっかりとかかっていておいしかった。
サラダには、ドレッシングがかかっていた。
そういえば、フランス人について書かれていた本の中で、
20年間パリに住んでいた吉村葉子さんは、ドレッシングは
ほとんど自分でつくる。オリーブオイルやワインがあれば、
大丈夫というようなことが書かれていたような気がする。
フランス人の冷蔵庫には、出来合いの人工的な味のドレッシング
は少ないのかもしれない。
大学生の頃、広告研究会に友人たちがいて、その関係でアルバイト
的な仕事を難波シティのロケット広場で任されたことがある。
(今は、ロケット広場と言わないのかもしれない)
パントマイムとブレイクダンスに熱中していたときで、
イベントして、そこで10分弱のロッボットやマイム的な
動きのダンスの小さなショーを行ったのだ。
そのときの、ビデオをその友人がくれた。今でもある。
勿論、少額のギャラももらったと思う。
僕のパフォーマーとしての頂点は、その5、6年後くらい
だったような気がする。
もうなくなってしまった横浜の山下公園にあった「サーカス」
というディスコ(まあ、今でいうクラブというやつですか)
に通っていた頃のことだ。
そんなことを思いながら、難波を後にした。
梅田の紀伊国屋書店に引かれる。
いけない、横浜時代の有隣堂だ。
紀伊国屋書店をやり過ごしても、BOOK ファーストの梅田店
と西宮北口店が時差で、目の前に現れてくる。
そんな環境だ。
今日は、「思惑どおり」、紀伊国屋梅田店に入ってしまった。
『もし、もし運命の人ですか。』 穂村 弘
『人生は負けたほうが勝っている』 山崎 武也
『稲盛和夫の哲学』 稲盛 和夫
『ナンバー9 ドリーム』 デイヴィッド・ミッチャム
上記を買ってしまった。まだまだ読んでない本があるというのに。
しかし、1冊目の『もし、もし運命の人ですか』これは、帰りの
阪急電車の中と、帰りに寄った禁煙のバー(不思議でしょ)
バーレーイで、山口県のペールエールを飲みながら、
帰ってきてソファーの上で読んでいたら(途中、「ビジネス英語」
の放送時は読まなかったけれど)読み終えてしまった。
表題から、この人は、ひょっとして、アリー・マクビール
(『アリー・マイラブ』)が好きなのではと思っていたら、
アリー・マイラブの文字が出てきたので安心した。
(しかし、1回だけの登場だった)
1962年 北海道生まれの歌人が「ダ・ヴィンチ」に
掲載していたものらしい。
なかなか、おもしろいエッセイ集だ。
なかなか、ユーモアに溢れている。なぜが、途中、吹き出しそうに
なり(普通の状況であればそうならなかったかもしれない)
それが、電車の中だったので、ページを閉じた。
亡くなった父親が、散髪に行くと、髭をあたられるときに
無性に笑いがとまらなくなると言っていたことを思い出した。
父は、僕が前に書いた「新生」という理髪店に行っていた。
店主の親父さんは、顔から親子だとわかっていたらしく
(2人共、一緒に行ったこともなかった)
「お父さんやと思うけど、髭あたるときに、突然、くすくす
笑い始めるのはやめてくださいって言うといて。危ないからな」
と僕に言っていたことがある。
思い出し笑いは、突然やってくるのだ。
そう、この『もしもし、運命の人ですか』これが、なかなか
の曲者で、ただのおもしろエッセイでは終わらず、やはり、
歌人が書いているだけあって、ところどころで、琴線に
さらりと触れるのだ。
そこにあるエピソードや人たちも、時々、きらりと輝いたり
する。そんな本だ。
まあ、たくさん買って、また積んでしまう本たちだけれど、
今日は、この本に出会ったから、許してあげるか。
(えっ?だれが、だれを、どうして許すの?)

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