1960年前半(微妙)生まれの男の、映画について、音楽について、旅について、本について、そして人生とやらについてのブルース。自作の詩のおまけ付き。書いているのは、「おさむ」というやつです。
since 6.16.2005
To travel is to live. -H.C.Andersen
2006/5/27
長年、とても長い間、住んでいた場所を去る日が近づくにつれて、色々
な人と会っている。お別れ会のようなものも続いている。
昨日も会社での送別会があった。僕だけではなく、他にも3人、転勤のスタッフがいた。
カードのメッセージやちょっとした贈り物も、もらった。
現在の職場内では、僕は、長ということだったので、それぞれのスタッフに、こうしなさい、ああしなさいという立場だったのだけれど、最後に挨拶をするときには、なんか涙がぽろぽろ出てきて、定年になった校長先生のような気になった。上司だから偉いわけではない。上司というのは、会社から与えられた役割なのだ。
それぞれのスタッフのひとり、ひとりに、僕が言えるのは、心よりの「ありがとう」だけだ。

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2006/5/23
店主さんたちにお別れの挨拶シリーズ −野毛 ジラ・ソール編−
お店に入ったのは、11時を過ぎていた。仕事の後、食事をして横浜から
タクシーを乗って野毛へ。岡野町の交差点から、平沼橋を渡って行く。
前方にランドマークタワーが見える。僕が横浜で住み始めた頃には、まだ
その「目印タワー」はそこにはなかった。みなとみらい辺りは、まだ更地
だった。その頃は、渋谷で働いていたので、疲れて、よく桜木町まで寝過ごしたものだ。高島町あたりから桜木町にかけて、工事現場がずっと広がっていた。
いつものようにバス・ペールエールのパイントをたのむ。グラスを傾けながら目の前の少しくすんだ茶色の空気の塊を眺める。
マスターに転勤することを伝えたのは、店に入って15分くらいしてから
だった。
「ここ、2年くらいで、お客さんで大阪行っちゃう人、結構、いるんです
よね」
自分がビールを飲みながら、何者でもない茶色い空気のような存在になれる場所。別に周りを気にしなくても完全に脱力できる場所、そんな場所だった。まあ、年を重ねたからだろう。僕がもし、20代後半だったりしたら、バーに来てるんだぞ、さて、何かちょっとは気のきいたものを頼まないと、なんて力んでしまうに違いない。彼女を連れてきて、僕、こんな店
知ってんだよ、大人でしょ、なんて力を入れてしまうかもしれない。
昨日は、隣に25歳の女の子が腰掛けていた。なかなかストレートに話す素敵な女の子だった。音楽の話をしたら、(まあ、始まりは、リュック・ベンソンの『アンジェラ』のスーパーモデルからの話からだったのだけ
れど)スピーチが好きだということだった。アレステット・ディベロップメントだ。赤坂ブリッツにスピーチのコンサートに行ったことがある。
一体、どれだけ昔だろう。25歳の若さでスピーチが好きだとは、結構な趣味だ。
いろいろなことを話した。
途中、リンダ・ロンシュタットがかかっていた。カントリーからはじめているかもしれないけれど、リンダ・ロンシュタットは、「カリフォルニアの蒼いブルース」を歌うシンガーだ。
あおい、あおい時間がゆっくりと流れていた。
その女の子は、結構、お酒が強いようで、どれだけ飲んでも平気なようだった。
知らないうちに、朝になっていた。この年で朝帰りだ。
店を出たのは、5時過ぎくらいだった。空は曇りで、今にも泣き出しそうだった。
遠くで、遠くで、リンダ・ロンシュタットが、ブルー・バー・ユーを歌っているような気がした。

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2006/5/22
ずっと、ずっと、ここのところ野毛に出没している。ランドマークタワーの反対側にありながら、その建物の陰のようになりながら、実はリアルな
実体感が存在する場所だ。みなとみらいの風景こそ、ヴァーチャル風リアルなのだ。
いくつもの店の店主になかなか転勤をすることが言えなくて、ここまで来てしまった。史さんには言った。どの店もちょうど開店し始めた頃に、僕が出入りし始めた店ばかりだ。ここ10年間というところ。
そのずっと前、サーカス(もうなくなりました)に出入りしていた頃は、中華街のオラフとかが、僕の酔いどれ止まり木だった。今は、隆一君が守っている。
昨日、清香楼で集まりがあった。数年前に、なんとなく集まったゆるーい、それでいて実は「ソリッド」な集団だった。それぞれに利害関係がないので、とてもナチュラルに集まることができる。そして、のんべえが多い。酒癖が悪いのは御免だが、ある程度まで、お酒を酌み交わせる集団は素敵だ。しかも、そこにゆるーい、それでいて「ソリッド」な共通項があるからだ。
紹興酒を何本も飲みながら、それでいて、悪酔いすることなしに、おいしい中華料理をいただいた。
街に別れを告げるとき、僕が失うのは、「その場」ではなく、そこで育んだ、ゆるーい、それでいて「ソリッド」な関係性なのだ、ということが昨日よくわかった。それがわかることで、僕は、またちょっぴり悲しくなった。
ありがとうね。

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2006/5/20
文を書くことが好きだ。当たり前か、これだけ毎日ブログを更新している
のだから。それも、これも、あちらも、読む人があってのことだ。
皆さん、ありがとう。
大学の時から、ノートを持ち歩き、友だちと一緒にいるときは別として、
一人でいるときには、ノートを開いて何かを書いていた。そのノートは、
僕にとってのスナップショット用のカメラ、スケッチ用のスケッチブック
だった。
前の仕事の時にも、休み時間には(昼食はひとりでのパターンだった。それが今でも続いている、そのあたりはちょっと直さないとね、はい。でも
直んないよね)ノートを持ち歩いていた。大したことは書いていない。
本の感想、映画の感想、職場のこと、前を通ったかわいい女の子のこと、
友人のこと、恋愛のこと、そしてちょっぴり、自分かそのときのフレームで捕らえた世界のこと。
インターネットが登場して、ノートを持ち歩くことが少なくなった。
特に、「恍惚の宿り木」などの詩のサイトは、その代用だった。
別に詩にリアリティばかりをつぎ込んだわけでもないし、ずっとフィクションの方が多いのも事実だ。
ただ、何かをスナップし続けるということでは、僕はそれに熱中した。
よくもまあ、次から次へと詩を投稿したことだと思う。4、5年前のこと
だろうか。
そして、このブログを立ち上げて1年になろうとしている。このブログも
その役割を果たしている。
しかし、海外に行ったときや、たまに気が向いた時には、モールスキン
(モレ・スキンとも最近は呼ぶらしい)という高いお値段の手帳に、
スナップショットを撮ることがある。
以下、本日の引用
06.05.20 19:10
スターバックスにいる。昨日は、ジムへと行かなかった。だからは、
今日は行こうと思う。ルネサンスは、21:00まで開いている。
アレサ・フランクリンが流れ、ティナ&アイクの"ROLLIN' ON A RIVER"
(?)が流れている。映画の『ティナ&アイク』のアイクの役の俳優の
名前が思い出せない。誰だったろう。マトリックスのネオ(?)の教育係(1作目)だった黒人だ。役では、コーネリアスだっけ、それは、『猿の惑星』の中の猿のひとりだったけ。その俳優は、『地獄の黙示録』
(APOCALLIPSE これは絶対怪しいスペル)にも端役で出演していた。
マーティン・シーンと一緒のボートに乗って、川を下っていく。途中で殺されたけれど。英語のタイトルと同様の店の名前が、ホーチミン・シティにあった。ちょっとした洒落だ。
固有名詞が、すぱすぱしゅるるんと出てこなくなるのは、年齢のせいなのか。それとも、アルツ・ハイマーの (初期)の3乗 のシンプトン・ファミリーか。何かの刑事役でも出ていた。そうだ、『ミスティック・リバー』だ。ケビン・ベーコンの相棒だった。
そういえば、同僚にティム・ロビンスに似たスタッフがいる。入社の時から、「ティム・ロビンスに似ているよね」と言っていたが、本人は、「えっ、誰ですか」と答えていた。翌日、『プレイヤー』の写真をコピーして
渡した。まだ、『ショーシャンクの空に』がヒットする前のことだ。今は、ショーシャンクを使うと結構わかる人が多い。ショーシャンクの空にの、原作は、『リタ・ヘイワーズの肖像』という。スティーブン・キングが書いている。『スタンド・バイ・ミー』を書いたのもスティーブン・キングだ。ここまできても名前が出てこない。検索して探すしかない。
携帯を変えた。前のものが、すぐ電池切れになってしまうからだ。機種変更で調べてもらったら、もう3年以上も使っているものだった。ずっと蓄積されたポイントで新機種を比較的安く購入することができた。当然、音楽が聴けたり、FMが入ったり、お財布携帯(この機能は使うつもりはない)に出来るものだ。テレビがしっかりと見ることができる「ワンセグ」(ワンセグメントの略ですね。電波かなんかの割り当てからきています、確か)ではない。対応してくれたのは、目がくりっとしたリカちゃん人形のような店員さんで素敵な感じだった。セールストークで様々なオプションを付けてこようとした。(携帯電話会社は、携帯の売り上げではなく、使用量で稼ぐのだ。だから量販店に0円とか100円とかいうものが並ぶのだ)電話機能とメール機能以外は、あまし使用しないので最低の基準のものにした。目をぱちぱちさせて、口角をいい感じであげて説明してくれたけれど、これと、あれと、それと、このあいだは、別なのだ。
ごめんね、○野さん。
以上、ノートに書いたものだ。といっても、ここに書こうと思って書いた
ものだから、あまりかわりはないのだけれど。
おまけ;
1.ネット検索したら、さっきの俳優さんは、ローレンス・フィッシュバ ーンでした。名前は、コーネリアスではありませんでした。
2.ケビン・ベーコンですが、ヴァージニア大学がおもしろいサイトをつ くってます。これは、キキさんの映画のBBSで拾ったものです。
ベーコン度検索マシーンです。松田優作とか、2ベーコンでした。
ローマ字入力してください。4ベーコン、なかなかいないです。
映画俳優です。
http://www.cs.virginia.edu/oracle/

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2006/5/18
夢を見た。
川みたいな、池みたいなところで、バンガローみたいなところがあって。
僕はそこに宿泊している。
そして、突然、その池か川みたいなところを泳ぎ始める。
平泳ぎだ。時々、潜っていく。目を開けていても全然痛くなかった。
水は濁っていた。
ずっと泳いだ先には、ある箇所が温泉になっていた。
そこに着くと、僕は、温泉にずっとつかっていた。
この話を同僚にしたら、
「疲れてるんでしょ、癒されたいんじゃないですか」
と言われた。
そうなんだろうか。
たっぷり温泉の箇所に浸かった後、僕は、バンガローへとまた戻っていった。
どこかの子どもが、泳いでいる僕に寄ってきた。近くにその子のお父さん
らしき人がいた。
別にその子は何をするというわけではなかった。
「君、誰だい?」

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