2008/12/26

コンサート・ベスト10! 【ノミネート】  クラシック・トピックス

年末も押し詰まってきて、ブログでは、1年を振り返る記事も多い。私も、コンサートをベスト10方式で振り返ってみたい。順位はさほど重要ではないが、今年も相当な数を聴いてきたし、少しまとめておかないと、情報が多すぎて、記憶が曖昧になってしまうから、これは私としては意味があることなのだ。なお、「熱狂の日」公演は多すぎるので、除外する。まずは、ノミネートから・・・

【1月】

新春八王子音楽祭 弦楽五重奏曲(Shubert)
秋山/東響 家庭交響曲(R.Strauss)
R.ホーネック vn協奏曲 nr.2&3(Mozart)
M.バーヨ 声楽リサイタル
 
【2月】

小川典子 デビュー20周年リサイタル
トビリシ弦楽四重奏団 グルジアの響き

【3月】

M.パドモア&OAE ヨハネ受難曲(J.S.Bach)
A.ゼッダ/藤原歌劇団 どろぼうかささぎ(Rossini)
K.ブラッハー&KST 室内交響曲 op.110a(Shostakovich) 
A.チッコリーニ 詩的で宗教的な調べ(Listz)
下野/N響 白鳥の湖(抜粋)@NOMORI

【4月】

S.スクロヴァチェフスキ/読響 交響曲nr.2(Bruckner)
L.エリシュカ/札響 交響曲nr.6(Dovorak)
P.プティボン 声楽リサイタル

【5月】

若杉/新国 軍人たち(B.A.Zimmermann)
濱倫子 ピアノ・リサイタル
R.ホーネック&KST シューベルト・プロ
H.スダーン/東響 交響曲nr.1&4(Shubert)
下野/読響 芸劇マチネー100回記念ガラ
青いサカナ団 マーマレイドタウンとパールの森

【6月】

飯森/東響 ペトルーシュカ(Stravinsky)
A.ラザレフ/読響 ローマの祭り(Respigi)
ボロメーオSQ&Qエクセルシオ オクテット(Mendelssohn)

【7月】

G.アルブレヒト/読響 交響曲nr.8(Shubert)

【8月】

小森輝彦&服部容子デュオ・コンサート
小崎/プッチーニ生誕150年フェス 三部作
Suntory財団サマー・フェス S.ジェルヴァゾーニ(室内楽)
クラリネット・フェスティバル東京・多摩

【9月】

A.アニシモフ/二期会 オネーギン(コンヴィチュニー演出)
P.レーゼル ベートーベン・ソナタ全曲演奏会(初回)
S.スクロヴァチェフスキ/読響 交響曲nr.0(Bruckner)
H.スダーン/東響 交響曲nr.5&6(Shubert)

【10月】

J.M.ルイサダ マズルカ全曲演奏会(Chopin)
T.ソキエフ/N響 交響曲nr.5(Shostakovich)
北とぴあ国際音楽祭 オルランド(Hydn)
H.ニケ/コンセール・スピリテュエル ヘンデル・プロ

【11月】

H.スダーン/東響 交響曲nr.2&3(Shubert)
水戸室内管 スターバト・マテル(Vivardi)
  with C.ショルンスハイム&N.シュトュッツマン
下野/読響 わが祖国(Smetana)
P.マーフィー/新国バレエ アラディン by D.ビントレー
A.ゼッダ/ROF マオメットU(Rossini)
ザ・フレンチ・コネクション・イン・トウキョウ2
A.R.エル=バシャ エチュードop.25 @ショパンの音楽日記

【12月】

渡邊孝/HFJ タメルラーノ(Hendel) 
F.サイ&P.コパチンスカヤ デュオ・コンサート
G.ノイホルト/読響 第九(beethoven)
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2008/12/24

日本オーケストラ、いろいろな動き  クラシック・トピックス

ここのところ、日本のオーケストラの動きが激しくなっている。大阪センチュリー響は予算削減に耐え、生き残りに必死だが、他の楽団にも、少しずつ危機感は伝わっているのではないだろうか。

【大阪シンフォニカー響】

例えば、同じ大阪のシンフォニカー響は、新音楽監督の児玉宏とともに最初のシーズンを歩んでいるが、オーボエとホルンの主席を補充、チェロとフルートの副主席も仲間に加わり、国内外で学んだ(たぶん)腕利きの若手を4人、2009年4月までに(既にうちの3人が入団)増員することになっている。まずは、なんといっても、演奏レヴェルの向上がなければ、誰にも認めてもらえないという考えに基づいた、正攻法だろう。プログラミングも、ドイツ仕込みの個性的なものになっており、変化、もしくは変化する意思が、見えやすいものになっている。

来季からは、音楽監督・常任指揮者の児玉、正指揮者である寺岡清高に加え、現在、ベルリン・コーミッシェオーパーのシェフでもあるキンボー・イシイ=エトウが、首席客演指揮者として陣営に加わることになった。これまでの共演により、「同氏の優れた音楽性、真摯な音楽づくりに深い感銘を受け」たのが、オファーの理由としている。エリシュカ以来、この首席客演というポストが流行っており、東響もルイゾッティにこのポストを用意したが、イシイ=エトウへの期待は、一体、どんなものなのであろうか。

【関西フィル】

首席客演といえば、関西フィルに招かれ、この9月から2年の任期がはじまっているオーギュスタン・デュメイもそうだ。バレエ部門でも活躍するなど、仕事の量と幅においては、東の東京フィルに対し、西の関フィルというイメージがあるのだが、デュメイの起用というのは、これまでの国内オケの指揮者起用とは、すこし趣を変えた感じがあって興味ぶかい。もちろん、近年では指揮者としても活躍するデュメイだが、やはり現役で活躍し、もっとも音色の美しいヴァイオリニストとして知られるデュメイのイメージのほうが、我々には馴染みがある。

あくまで、指揮者=デュメイとして首席客演のポストを与えたのは事実だろうが、やはり、この人がもつ弦への指導力があわせて期待されているのは、言うまでもない。このような試みは珍しく、紀尾井シンフォニエッタなどの室内オーケストラにはあっても、大きなオーケストラでは例が少ない。ポストこそ与えていないが、近年、読響がライナー・ホーネックを定期的に招いて、モーツァルトなどを集中的に演奏しているのが、これにちかいのかもしれないが・・・。

関西フィルの演奏はテレビ放送もされたが、以前の関フィルをそうは知らないから何ともいえないものの、デュメイをソリストに立たせての演奏は、早くも、彼を首席客演として迎える準備が整っていることを印象づけた。放送では、事務局のインタビューで、とにかく何かをしなければならないという危機感から、こうした人事が出てきたことが語られていた。

【神奈川フィル】

一方、東の神奈川フィルでは残念なニュースと、希望の持てるニュースが交錯した。残念なニュースは、長い関係の終着点として、ついに楽団の音楽監督となり、神奈川フィルを導いてきたハンス=マルティン・シュナイトが、2年の任期を延長せず、退任してしまうということ。楽団は、退任の理由として健康上の問題があることを明言している。もうひとつ残念なことには、シュナイトを囲んで1997年に発足して以来、この優れた指導者の下に精力的な活動を続けてきたシュナイト・バッハ合唱団のほうも、来年5月の「ロ短調ミサ曲」を最後に幕を下ろすことになってしまったようである。

さて、この悔しい別れをバネに、新たに神奈川フィルを受け継ぐことになったのが、金聖響である。金の手腕は、これまでの大阪センチュリー響で専任指揮者を務めた3年間だけでは、なかなか評価しにくい。そのほか、録音のあるアンサンブル金沢のほか、国内オケには頻繁に出演しているが、正直、私からみた実感としては、十分に魅力的な指揮者とはいえない。だが、岩城が存命のころ、ベートーベンの交響曲全曲演奏会に出演したときに演奏したベートーベンの交響曲第8番のスタイリッシュな演奏は、いまでも印象ぶかい。楽団としても、「ベートーヴェンやモーツァルトなど古典派・ロマン派の曲を中心に活動を行っていた神奈川フィルにとって、金氏との出会いは大きな飛躍のチャンスだと感じて」いるという。

なお、この人事の関連し、現田茂夫が名誉指揮者に棚上げされる。

これに加え、ヴィオラ・パートには、サイトウキネンや、ブルネロの主催のオーケストラ・ダルキ・イタリアーナなどのアンサンブル奏者、ソリストとして活躍してきた柳瀬省太が、首席として加わることになったとの報がある。

【そのほかのオーケストラ】

まず、来年にはコンクールも控えた、仙台を拠点に健闘をみせる仙台フィルは、ヴェロ体制が順調だ。ここのところ大きな動きはないものの、山下一史を正指揮者に格上げし、積極的な姿勢を見せている。

九響は、さすが東響を何十年にわたって支えた秋山和慶の手腕が光る。豊嶋・扇谷のコンマス体制を早期に整え、ダヴィド・ゲリンガスを首席客演に迎え、関フィル=デュメイに先んじて、一石二鳥を狙った感がある。関フィルのところで例が少ないといったが、ここが先鞭をつけていたことになる。首席客演もエリシュカより早かったと思うし、他よりも一歩先を行く工夫がみられるのは、誰のアイディアだろう?

最近は目立った動きこそないものの、フォンテックから毎年、CDをリリース。今年の6月には、秋山得意の「ペトルーシュカ」&「ダフクロ」のセットで第5弾が発売されている。

フィッシャー体制の1年目を過ごす名フィルの、勢いはどうだろうか。来年も意欲的なプログラムが組まれるが、年間テーマは、なんと日本人のツボを押さえた「四季」である。来季は、鈴木雅明、鈴木秀美のBCJコンビが、各々登場して、メンデルスゾーンとハイドンを披露するのも話題になりそうだ。特に、秀美さんは、ハイドンの大曲「四季」を演奏することになっており、これはまだ、手兵のリベラ・クラシカでも実現していない(編成が小さいからだろうが)プログラムだ。

多彩なプログラムと豪華なゲストにも触れたいところだが、それらを押しのけて注目なのは、フィッシャー自身が振るベートーベン・ツィクルスがおこなわれること。沈没する東海地区の経済は心配材料だが、この地区でクラシックの活動を支えてくれている楽団の努力に敬意を払いたい。

地方オーケストラの演奏に、大きな話題をつくったエリシュカ。来年の札響への登場は、再び4月となるようだ。ドヴォルザーク・シリーズは、交響曲第7番。ヤナーチェクが合わせられるのもお約束か、ターリッヒ編による「利口な女狐の物語」組曲というのは楽しみだ。コンチェルトがモーツァルトというのも、今季の演奏会と同じ。今度は若い木嶋真優をソリストにヴァイオリン協奏曲第3番・・・と、ある意味、難しい選曲になった。

群響は当面、音楽監督を置く意向がないものと見え、この1年、唯一、ポストに残った首席客演指揮者のトゥルノフスキーを中心とした活動になっていた。6月の定期に登場したドリアン・ウィルソンがチャイコフスキーのプログラムで好評をとり、直ちに録音されて一般発売されているのが、唯一の話題だろうか。購入して聴いてみたが、なるほど素晴らしい演奏だ。できることならば、こういう指揮者を然るべきポストにおきたい。

音響面で評判の悪いホールの改修は、ようやく話題に上ってきたようだ。昨今の不況で、それもどういう流れになるかわからないが、ホール問題は群響のレヴェル・アップを妨げる因子となっていることが指摘されており、また、安い席(=音響も酷いようだ)が売れないという問題に対してテコ入れとなるので、クラシック・ファンとしては改修に期待が寄せられる。
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