2009/5/19

ヴィオラスペース 第1回東京国際ヴィオラコンクール 間もなく開幕!  クラシック・トピックス

1992年にカザルス・ホールの主催公演として出発したヴィオラスペース。普段はあまり目立たぬ役割を黙々とこなうヴィオラという楽器に注目し、世界中から才能ゆたかなヴィオリストを集めて、回を重ねた。いまは紀尾井ホールに拠点を移し、昨年の開催で18回を数えた。翌年の開催に先立ち、新たに「東京国際ヴィオラコンクール」を開催することを発表したことは、このページにも書いた。それが、いよいよ今週末に迫った。

コンクールはテレマンとレーガーの曲目により予備選考がなされ、テレマンはCD録音、レーガーはDVD収録して応募という手の込んだ形だったが、100人ちかい応募があったそうである。そこから40名に絞られて、公開の1次予選に進むコンテスタントが決まった。ヴィオラ限定のコンクールは珍しいので、外国勢の実力はよくわからないが、日本勢では、東京文化会館主催の「東京音楽コンクール」で第2位という受賞歴があり、藝大に在学中の原裕子や、既にプロとしてのキャリアもある赤坂智子(今井信子の弟子)の名前もみえる。40名は世界的なコンクールの傾向どおり、日本と韓国が多いが、アメリカ、フランス、ドイツ、ベルギー、イスラエル、フィンランド、カナダ、中国、台湾など、国際色ゆたかだ。外国では男性の出場も多いが、日本勢は女性ばかりというのが可笑しい。

今後の1次、2次予選はすべて公開されるが、残念ながら、インターネット配信などは用意されていない。また、最終審査に関しては、有料による公開となっている。第1次予選は5月23/24の両日で、シューベルトの「アルペッジョーネ・ソナタ」と、バッハの「無伴奏チェロ組曲」(2-4番のうち1曲)により争われる。ヴィオラではオリジナルの楽曲が少ないし、編曲もので演奏することも多いので、それに無理なく対応するとともに、ヴィオラ独自の表現として優れたものを引き出せるかが問われるだろう。

審査員は、今井信子を委員長に、キム・カシュカシアン、ガース・ノックス、トーマス・リーブル、ジャン・シュレム、店村眞積、堤剛と、ヴィオラ・スペースへの出演も多く、仏、蘭、墺、西、日のアカデミーを代表する人物が集められ、気心しれたメンバーたちのなかであっても、なるべく偏りのない審査をしようという意思が窺われる。

優勝賞金は100万円だが、特別賞が豊富だ。まず、名匠として名高いマルコ・ノッリの高弟で、クレモナの職人、ステファノ・トラブッキ製作のヴィオラが贈られ、2-5位にも各社の弓が贈呈される。1-3位入賞者は、31日の入賞者記念コンサートに出演できるほか、コンクール終了後の名古屋と大阪の「ヴィオラスペース」でも演奏機会があり、さらに翌年のヴィオラスペース公演にも出演が決まる。

また、優勝者に対しては、スイスの有名なフェスティバルであるヴァルヴィエ音楽祭のアカデミーに、来年、招待されるという。このフェスには世界の若手、中堅、ベテランのトップ奏者が集い、アカデミーの実績も高いので、素晴らしい副賞と言えるだろう。また、最終審査では聴衆賞が用意され、受賞者に10万円が贈呈されるほか、日本人作曲家の作品の最優秀演奏者にも10万円が贈呈される。

また、全日程のなかには2回のワークショップが準備されており、こちらもアカデミー的な機能を果たすものと思われる。

第1回のコンクールが、盛会たることを祈りたい。
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