2008/8/5

ホルスト・シュタイン氏、逝く  ニュース

情報が遅くなってしまったが、去る7月27日、スイスの自宅で、指揮者のホルスト・シュタイン氏が亡くなった。

まだまだ存命ではあるが、ほとんど指揮活動ができなくなっているサヴァリッシュ氏、また、2004年に亡くなられたワルベルク氏とともに、できれば、もっと聴いておきたかった指揮者である。いま「もっと」と書いたが、私がクラシック音楽に親しむようになったときには、既にシュタイン氏は日本に来られるような状態ではなかった。最後の来演は、1998年ということである。映像だけではあるが、「タンホイザー」序曲などのワーグナーの曲目では、やはり世評に反しない素晴らしい演奏を披露してくれていたので、なんとか病気が良くなって、彼の音楽に触れられる機会があることを願っていたが、結局、80歳でこの世を去られることとなった。ワルベルク氏も81歳で亡くなられたが、このあたりがひとつの壁なのかもしれない。

これで、N響の歴史を作り上げてきた功労者の名前が、またひとつ削られることとなった。ワルベルク氏のときは手厚い追悼企画があったが、シュタイン氏の場合は、いまのところ、BS2で追悼番組が組まれるだけで、地上波の予定はないようなのは残念だ。

シュタイン氏は、決してスター的な存在ではない。機械工ブルーカラーの家に育ち、コレペティから、音楽の道を歩む。カイルベルト、カラヤン、クナッパーツブッシュなどのアシスタントをしながら、劇場たたき上げで育った昔かたぎの職人指揮者だった。劇場ではハンブルク、オケはスイス・ロマンド管、バンベルク響でのキャリアが特筆されるほか、バイロイトにも度々出演した指揮者だった。

私はこの指揮者に興味深々で、いろいろと録音も探したのだが、どうも、あまり録音にも恵まれていない。結局のところ、いちど見たら忘れられない風貌だけが、記憶に残っていくのであろうか。残念である。この機会に、カイルベルト・ルネッサンスのようなことが起こるといいのだが!

ご冥福をお祈りする・・・。
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