2008/5/16

ムーティ、シカゴ響のシェフに就任  ニュース

指揮者のリッカルド・ムーティが、2010/11年のシーズンから、シカゴ響の音楽監督となることが発表された。同響は、前音楽監督のバレンボイムが退いてから、ブーレーズとハイティンクの二頭体制で、陣形を整えていたが、音楽監督は空位になっていた。ムーティの任期は5年で、異例の長期契約となる。

アメオケとムーティのイメージといえば、10年以上前の、フィラデルフィア管のキャリアで止まっている。ところが、2007年9月、1ヶ月にわたる日程で、32年ぶりにシカゴで指揮を執ったムーティは、オーケストラの欧州公演でも信頼を深め、ついに音楽監督のオファーを受けることになった。シカゴ響といえば、本場以上にドイツ的な響きをもったオーケストラとして、いまでは貴重な存在である。スカラ座のムーティとして、圧倒的な地位を築いた彼であるが、最後に(・・・というにはまだ若いか)戻るところは、独墺系音楽の殿堂ということになるのであろうか。

ドイツ的な響きをもつオーケストラは、やはり、イタリーのカンタービレを求める傾向が顕著だ。これ以前、ドレスデン・シュターツカペレは、ファビオ・ルイージに、その行く末を託した。そして今回は、シカゴ響にムーティである。シカゴに行くということは、誰だって、ムーティには決定打のないドイツものの成果を期待するだろう。CSOとともに、ドイツものにおける定評も更新していくことになるのかもしれない。

アメオケは今後、この決定を含めて、NYP/アラン・ギルバート、CSO/リッカルド・ムーティ、ロス・フィル/グスタヴォ・ドゥダメル、ボストン響/ジェイムズ・レヴァイン、クリーヴランド管/フランツ・ヴェルザー=メストという体制が固まっていくことになる。さすがアメリカのトップ・オケともなると、すごい名前が並ぶものだ。

オペラのムーティというイメージが強いが、いまは、劇場での煩わしい職務からは離れて、自由な客演生活に興じているムーティ。若いルイジ・ケルビーニ管の世話を焼きつつ、CSOで年間で少なくとも10週間の指揮活動とは、当面、オーケストラに居場所を見出していくということだろう。就任に先立ち、オーディションや次期シーズンのプログラム策定にも加わっていくということだから、その意気込みのほどがわかる。シカゴ響の良い面を守りつつ、持ち前のヴァイタリティを発揮してもらいたいところ。この発表後、最初のコンサート(2009年1月)では、ヴェルディの「レクイエム」で、名刺代わりのパフォーマンスを披露する。
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