2007/10/22

長尾春花が優勝 〜日本音楽コンクール vn部門  ニュース

日本音楽コンクールは20日、前日のピアノ部門につづいて、本選進出4人中3人が高校生、もうひとりが大学1年生という顔触れで争われた。課題曲は、グラズノフかチャイコフスキーの協奏曲だったが、すべてのコンテスタントがチャイコフスキーを選択するなか、長尾春花が順当に優勝を飾った。

今回のメンバーは、既に各所でよく当たっている面々であり、ことごとく長尾が高い評価を得ている実績から、彼女が実力どおりの演奏をできれば、ほとんど結果は見えていた。これまでに長尾との顔合わせが多分ないと思われるのは、この日、2位なしの3位に入った藤江扶紀のみ。曲目も同じものを選択したとあっては、逆転の可能性は少なかったものとみる。

長尾は、今年の高レヴェルな仙台国際音楽コンクールで本選まで残っており、そこで揉まれたことは大きなアドヴァンテージになったろう。既に受賞歴もあり、今後は、さらに高い目標をめざすことになる。今回のヴァイオリン部門は、137人がエントリーしたという盛況ぶりだが、高校生ばかりが残った状況からしても、全体のレヴェルはそこそこというところに止まったのかもしれない。しかし、仙台での演奏を聴く限りでは、長尾の完成度は高く、内面のコントロールさえ強化されれば、今後の活躍も期待できそうである。

仙台国際コンクールは、演奏を質のいいストリーミングで公開しており、ピアノの浜松国際と同様、演奏を耳にしたファンが、大会後も気に入ったアーティストを追いかける傾向がつよく出る。私も、その影響下にあることは否定しない。仙台でもセミで非常に良い演奏を繰り広げただけに、このコンクールにも注目していた。そういう私からすれば、長尾春花の優勝は当然のようでもあり、また、この程度のレヴェルで満足すべき素材であるとも思わないのだ。コンクールの演奏の公開はこのような効果があり、結果として、コンクールそのものと、参加者への見方を肉付けすることになる。この分野で、日本のコンクールは世界に先行しており、ある種のモデルを形作ろうとしている。

この音コンはネット配信はないが、NHKのテレビ放送で取り上げられるため、国内での活動にはプラスに働く。長尾もここで、まずは全国区に躍り出たとは言えそうである。
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