2007/2/1

2月の注目公演 奥田瑛二版 兵士の物語  クラシック・トピックス

2月は、レ・ヴァン・フランセ、ドゥ・ビリー&ウィーン放送響、ドレスデン聖十字架合唱団、レイフ・オヴェ・アンスネス、ヴェッセリーナ・カサロヴァなどの来日公演が組まれて、いろいろと面白そうな公演があるものの、大体、平日に集中している感がある。

そのなかで、私が推したいのは、2月24日の東京文化会館の自主企画で、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」だ。この演目は、ルツェルン・フェスティヴァルのときにも推したが、もうひとつ期待どおりではなかった。今回は、あんな凄いメンバーではないものの、ヴァイオリンにリヨン国立管のコンマス、ジェニファー・ギルバードを迎えたほかは、国内の楽団の首席クラスを集めたアンサンブルで、期待は十分だ。

教育者としても有名な、山本正治(cl)、吉田秀(cb)、宅間斉(perc)などに加え、N響首席で経験豊富な新田幹男(tb)、読響になくてはならぬ奏者である吉田将(fg)、それに、東響首席の佐藤友紀(tp)が顔を揃えている。そして、小編成ながら、大友直人がこれらのキャラクターを纏め上げる。

特に注目なのは、若手の佐藤友紀である。2005年、フィリップ・ジョーンズ国際コンクールという権威ある大会で、日本人として初めて3位に入賞。1997年からシエナ・ウインド・オーケストラの楽団員を務めていたが、2005〜2006年ごろ、東響の首席に迎えられた。評判の高いアントニオ・マルティの横で、ほぼ遜色ない素晴らしい音色を吹き上げる奏者が現れたときには、われら東響ファンも驚いたものだが、いまや、楽団にもすっかり位置を占めた感がある。マルティの人気が高いだけに、佐藤の注目度は十分に上がっていないが、その実力は折り紙つきであろう。

もうひとつ大注目なのが、この公演全体の演出を監修するとともに、兵士と悪魔の二役をひとりで演じるという、奥田瑛二の登場である。もちろん、奥田については解説不要だろう。還暦まで数年という「団塊の世代」に入るようだが、俳優、映画監督として、紛うことなき実力派であり、揺るぎない人気を誇っている。この曲目では、20世紀を代表する大批評家、ジャン・コクトオの録音をはじめとして、いろいろな変り種があることで知られるが、今回の公演も、それに連なるものといえようか。

東京文化会館小ホールというのは、この曲目をやるのには、ちょうどいい器であろうと思う。ルツェルン・フェスティヴァルに際しての特集を、あとでトラックバックしておく。そこにも示したように、この曲は本来、とてもシンプルで魅力的なのだが、いかに表現するべきかの難しさは、付いてまわる。その点、今回は奥田のモノ・ドラマだけでも楽しみであるし、チケット代も5000円と手ごろ。80分という規模の小さな映画程度の上演時間もちょうどいいだろう。

【公演プロフィール】

 東京文化会館舞台芸術創造フェスティバル

 ストラヴィンスキー 音楽劇「兵士の物語」

 指揮:大友 直人

 vn ジェニファー・ギルバード
 cb 吉田 秀
 cl 山本 正治
 perc 宅間 斉
 tp 佐藤 友紀
 tb 新田 幹男
 fg 吉田 将

 演出、兵士、悪魔 奥田 瑛二


 於:東京文化会館 小ホール


 日時 2007.2.24 15:00開演
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