2006/4/1

ハーディング、まもなく来日公演!  期待のコンサート

数ヶ月前、東京フィルにダニエル・ハーディングが客演すると知って、大いに驚いた。彼はいま、もっとも注目される若手指揮者だ。クラウディオ・アッバードに見出され、ラトルに・・・という解説は不要だろう。先ごろ、スカラ座で「イドメネオ」を振って、堂々たるデビューを飾った。

もはや、スター指揮者の範疇にある若者なのだ。それを、選りによって東京フィルが捉まえた。信じられないことだった。しかも、今シーズンのあたまとお尻、2回の来演が予定されている。このまま音楽監督にでもなってくれれば、日本のクラシック・ファンは大喜びするだろう・・・。

来週の6日と9日に、マーラーの「復活」を振る予定になっている。大曲である。会場はそれぞれ、オーチャードホールと、文京シビックセンターの大ホール。楽団にとって、新シーズンの開幕を飾る大事な公演だ。

この楽団、不思議な政治力というか、どういうわけか、人を呼ぶ力がある。どういうわけかというのは、コンセプトのハッキリしないオーケストラだからだ。オペラやバレエもやるし、とにかく仕事が多いが、ハッキリしない立場のマエストロ・チョンを頂点に、楽団全体の方向性がみえてこない。

しかし、来季は、アーティスティック・アドバイザーのチョンのほかに、ハーディング、大野和士、フェドセーエフなど、錚々たる顔触れが並んでいる。わが国の大御所、若杉弘、岩城宏之の名前もみえる。フェドセーエフについては、ここのところ客演が続いているが、ハーディング、大野といったところは、欧州でもとりわけ評価を高めている2人で、スケジュールを押さえるのも簡単ではないはずだ。

さて、ハーディングだが、彼の音楽は、録音やテレビ放送を別にすれば、今回が初めてになる。その放送にも乗った、前回のマーラー・チェンバー・オーケストラとの来日で、揺るぎない評価を得たが、ブラームスやマーラーの録音は、この指揮者の限りない才能をはっきりと印象づけるものだった。

師匠であるアッバード譲りの精細な音楽づくりだが、そのわりにチマチマした手仕事に陥らず、表情ゆたかに、思いきって内側を抉っていく力もある。来日公演のバレエ音楽「アテネの廃墟」序曲において、短い曲から、あんなにも多彩な情報を浮かび上がらせたハーディングだ。マーラーの2番は、表情の変化が楽曲の身上となっているし、東京フィルに与えられた時間は多くないだろうが、元来、繊細な音色をもつ楽団でもあるので、是非とも、素敵な演奏を聴かせてほしいものだ。

私は、より聴きやすい文京シビックセンターを訪れる。
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ