バイクからクラッチマスターを取り外します。
飛び散ったフルードは塗装面を侵すので、対策用として燃料タンクや
ハンドル周辺には忘れずにウエスなどで養生しておきます。
クラッチマスターからバンジョーボルトを外したら
クラッチホースのバンジョーからフルードが若干滲んでくるので
ティッシュを詰めて余分なフルードを吸い取らせておきます。
クラッチマスターCR12の品番はこの場所に刻印してあります。
(スイッチボックス側の面)
BR12-17 5E 04-04
大抵のマスターは、ボディ側にピストンを保持させるために
スナップリングが使われています。
ただし、「BERINGERにはスナップリングが使われて無い」ため、
マスターからレバーを外した段階で、スプリングの反発によって
すぐに中身が飛び出すので、パーツの紛失やフルード漏れに要注意です!
ZRX1100に装着していたクラッチマスターのメンテナンスには、
バイクに装着状態のまま、時々潤滑剤を吹いて表面の錆予防と
ベアリングが固着しないように、ベアリングとピストンの当たり面を
ズラしておく程度でした。
この潤滑剤が原因で、レバーに裏側などにはホコリやゴミが
かなり堆積してしまうのは仕方が無い事なので
個々のパーツの汚れを落としながらマスターを分解します。
ベアリングの交換です。
使用する鋼板シールドベアリングは、接触ゴムシールベアリングに比べると
作動性の軽さでは優るものの、防水性、錆に対しては、若干劣るので
ロックタイトのブレーキキャリパーグリスをベアリング表面に薄く塗り、
防水&錆予防しておきます。
裏返して、マスターを押すベアリングも新品に交換します。
このベアリングは、新品ベアリングの接触ゴムシールをめくって、
NUTEC MPグリスを詰め換えたベアリングです。
シャフトや、アジャスト用ボルトも忘れずにグリスアップしておきます。
マスターシリンダーの内部の汚れや異物をパーツクリーナーで洗浄します。
シリンダー内部の摩耗具合も確認しておきます(今回は大丈夫でした)
クラッチマスターは、使用頻度がブレーキマスター側よりも多いので
取り外したマスターのピストンもかなり汚れてました。
入念に洗浄後、新品のシールをピストンに組み込みます。
この作業時に、ブレーキフルードと親和性があるCCIメタルラバーMR20
(潤滑スプレー)で潤滑しておくとスムーズにシールが装着出来ます。
ブレーキフルードで代用しても良いですね。
マスターの組み立てに入ります。
ピストンをシリンダーに入れる作業は、思いの外、結構大変でして
シールの外周部がテーパー形状に広がっているため(2ヶ所とも)
ボディにピストンを入れる作業の途中で引っ掛かってしまうので
「ピストンリングコンプレッサーのような自作プチSST」を作りました。
(クリアファイルを切って丸めたような物)
ただし、BERINGERのマスターは、スナップリングを使わないので
レバーを装着してピボットシャフトを挿すまで
両手両足を使い?作業してましたので、作業を途中で中断して
撮影が出来ませんでした。
したがって、完成後の画像しか撮影出来ませんでした。
これでクラッチマスターOH終了です。

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