今日は豊田敬愛ホームの秋祭りに参加しました。昼休み理事長との会話の中で、いつしか囲碁の話になりました。以前、出前囲碁でお世話になったTさんが最近亡くなったと、話された。Tさんとの出前囲碁は3年くらい続きました。
(2006.8月の再掲載です)
近くに高齢者福祉総合施設があります。その中の地域包括支援センターから、デイサービスを受けている高齢者Tさん(90歳)が囲碁を打ちたいと言っているので相談したい旨の連絡を受けました。
豊田公民館利用者の囲碁仲間に同施設の理事、評議員が4人もいて、しかも、ひらつか囲碁文化振興実行委員会代表の片倉先生も居られる。先生は日ごろ「出前囲碁」なる新語?をよく口にされるのでお話しすると、二つ返事で同調された。それを聞いていた元豊田小の教頭石川先生が私もいいですよと言って下さいました。
今日は一人で日程等の相談のため約束の10時30分施設を訪ねる。理容組合のボランティアの方が5人も来て理髪の最中で談話室は何時になくにぎやかでした。Tさんに私が来ることを前もって話がしてあったのかにこやかに迎えてくれた。
Tさんは元大型客船の船長を務めていた方で礼儀正しいあいさつにこちらこそ恐縮してしまった。施設の人の話では認知症があると聞いていたが感じられない。
早速Tさん先手で打ち始める。中盤を過ぎてTさんの手がぴたりと止まった。1分〜2分だったと思うが、「ここに置いてもいいですか」気がつくと白は大変なことになる。待ったは出来ないのでそのまま続け、Tさんの6目勝ちで終った。
正直私も手を抜いたところもあったが中盤以後のTさんは変っていた。先手で攻めてきた。囲碁は左脳の活性化に非常に良い結果が出ていると以前聞いたことがある、40分ほどの時間でしたがTさんが本当の認知症かなと疑うほど変っていた。職員の方もあんなに真剣なTさんは今まで見たことがないと言った。
「Tさんそれではお風呂に入りましょう」と係りの人は車椅子に手をかけた、又来ますと約束をして別れる。趣味を通じ、これほどすがすがしい気分になったのは久しぶりであった。片倉先生に早速報告し、来週から週1回3人交代で「出前囲碁」を引き受けることにしました。