平塚市博物館プラネタリウムは21年あまり使用されてきた五藤光学製G1014投影機で、2010年11月28日の投影を最後に引退することになりました(新投影機は来春、再オープン)。いま引退イベントが盛大に開催されています。
その天文分野プラネタリウム担当の学芸員澤村さんから電話があり、豊田本郷村に伝わる二十三夜夜待講について聞きたいとのことでした。澤村さんは平塚市博物館「里に降りた星たち」の執筆者である。私は初対面だが、平塚市誌に掲載されている「文化七年八月二十三夜夜待講定書」の私所蔵の古文書を見られたからである。
澤村さんから頂いた「里に降りた星たち」を開いたとき、昨年急逝された前平塚市博物館館長浜口先生の「ごあいさつ」が目に入りました。浜口先生は個人的にも、特に野鳥について教えて頂きました。2007年1月28日撮影した、鈴川の中州でハトらしき小動物を食べているオオタカのヒナとは知らずチョウゲンボウと間違えたことなど、思い出されます。
「里に降りた星たち」の発行について 浜口先生のごあいさつ
今回の特別展は、私たちのくらしの周辺に根付いている風習や、それに由来する事物から、月や星を探し集めてみました。つまりこれは星の展示なのですが、出演する星たちの姿は、天に輝いているありのままのものではありません。人の営みの中に入り込み、まるで生き物が環境に適応するように、人に適応した星たちの姿です。
当博物館では、平成十六年度から「星まつりを調べる会」を開始して、時の流れに埋もれ、保護色に身を包んだ人里の星たちを、身近な地域の中に探してきました。後略
学芸員の澤村さんと4人の研修生が見えたのも、浜口先生のご意思が固く守られている思いがしました。