ふと思い出しながら、忘れたくない、消えてしまうのが惜しい、そんな気持ちで私の村の昔の風習を書きました。
13日夜、祖母がうるち米の粉で団子の生地を作る。子どもたちは繭の形(戦前は養蚕が盛んでした)、里芋の形(豊作になるように)、小判の形(お金に困らないように)など作りました。
14日朝、祖母の蒸かした団子を柳の木とかクヌギの木の枝にさし、屋内外の神々に供えた。年神様の下には石臼を台に大きいケヤキの枝を立てて団子をさす。
午後、子ども達が学校から帰ると、「どんと焼き」前日までに各戸から道祖神に集められた、正月の松飾りや注連飾り、古いお札、書初めを燃やした。書初めが高く燃え上がれば、字が上達するといわれ、この火で焼いた団子を食べればその年は無病息災で過ごせるといわれた。
14日は松納めで元旦から始まった正月行事の最終日となる。14日年越しともいい年越しそばを食べる。
15日は小正月、女正月とも言う。お嫁さんは里帰りをしたり、忙しく働いた女性たちも一息つくからである。小豆粥を食べる。小豆は古来、身を護り災厄をはらう霊力を秘めたものと考えられていた。