2006/4/14

ハーディングとルイージ〜2人の特別な指揮者 @  クラシックの達人たち

先週は、2人のスペシャルな指揮者の音楽に直に触れた週末だった。

 ダニエル・ハーディング指揮東京フィル
  /マーラー 交響曲第2番「復活」

 ファビオ・ルイージ指揮 新国立劇場(東京フィル)
  /マスカーニ 「カヴァレリア・ルスティカーナ」
   レオンカヴァッロ 「道化師」

この時期は、新国のピットも東京フィルだから、奇しくも、2日つづけて同じオケである。つよい満足感とやや満ち足りない思いと、ふたつながら同居したコンサートである。

しかし、それよりも、この2人の指揮者に注目しよう。いずれも各方面から異例の好評が出ているが、確かに素晴らしい音楽性をもっている。

ハーディングはまだ若いが、スカラ座オープニングで「イドメネオ」を振った、期待の若手である。サッカーを好み、熱狂的な「ミラニスタ」だというだけあって、全盛時のチームを髣髴とさせる切替えの早さが、出色である。

特に第3楽章は、メヌエットともスケルッツォともつかず、いくつかの表情が交互にあらわれて面白いが、これを見事な手捌きで完璧に操り、終結部でまとめ上げるまでの手腕は特筆に価するだろう。

全体を通して、非常に立体感のあるいい演奏で、飽和寸前でコントロールされた響きの大きさは圧巻だ。そもそも、楽曲のもつ生命の源泉をぐっと掴み、豊富な情報の中で、巧みに提示する才能も驚異的だ。

第5楽章で、バンダの吹奏からコーラスが導かれる部分は、テンポを落として、たっぷりと歌い上げるのが効果的だった。もともと、素直な祈りの声がしとやかに響いて感動を誘うコーラスなのだが、その効果をハーディングは、さり気ないコントロールで何倍にも高めてしまう。もちろん、わざとらしさは微塵もない。

結びの部分では、壮大な響きが、これまたさり気なく昇華して、気づいたときには、コーラスが最強部をしっかりと発音して、力づよく歌い上げている。単に声の強さでなく、意志の強さが感じられる良いコーラスだ。そこから弾きおわりにかけては、力強くムチを入れ、多少ちぎれても、勇気を出して踏み込んだハーディングのところに、勝利は降りてきた。

ものすごいエネルギーだった・・・。(Aへつづく)
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