Chocolate Cake もくじ  お知らせ・雑記

★オリジナルBL小説です
☆えろは少なめですが一部R18表現あります

BLが苦手なかた、18歳未満のかたは閲覧をご遠慮ください
★小説は一定期間経過後、掲載を取り下げることがあります

★時系列で記事を見ると、複数の小説が混在する形になってしまいます
 下記↓のもくじ、またはバナーの「記事カテゴリ」からご覧ください

【中・長編小説】
X島事件 A Murder Case X (初出2014年10月19日〜掲載中)
  和風&ミステリ風ストーリー
  少年探偵14歳×超ハイスペック美形財閥の次男19歳 
  犬:雑種
  長さ:原稿用紙300枚程度
 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27

シミュレーション・ラブ (2014/06/19〜掲載中)
  一行目からR18ですのでお願いしますm(_ _ )m
  高校三年生×高校一年生 
  犬:なし
  長さ:原稿用紙120枚
  ★同人誌の試し読み版です。02の公開を終了しました★
 01  02(完結)

プロポーズ/提案    (2012/12/12〜掲載中)
  現代社会人もの 
  23歳×40歳 
  犬:トイ・プードル
  長さ:単行本一冊程度 
 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 
 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 
 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60(完結)

Catch My Heart     (2012/12/27〜掲載中)
  サスペンス的事件あり 幼なじみもの 
  高校生×高校生 
  犬:サモエド
  長さ:単行本一冊程度
 01 02 03 04

三角山公園の神話    (2013/01/05〜掲載中)
  ※R18なし健全 
  小学生×高校生 
  犬:ミニチュア・シュナウザー
  長さ:単行本半分程度
 01 02 03 04(完結)


【SS・短編小説】
片想い         (初出2012/10/10〜掲載中)
  現代社会人もの 
  高校からの友人同士 
  犬:どこかの家の雑種 
 01(完結)

ハロウィンかぼちゃ祭り  (2013/01/18〜掲載中)
  ※R18なし健全 
  小学生×小学生 
  犬:ボルゾイ
  Catch My HeartのSS(単独でもお読みいただけます)
 01(完結)

週末は誕生日  
(初出2011年 改稿2014/6/29北海道コミティア0.5頒布ペーパー)
  現代社会人もの 
  部下と上司 
  犬:なし
  2011年頃書いたSSです。「プローポーズ/提案」のプロトタイプになりました。
 01(完結)


☆拍手やコメントをいただけると、とても嬉しいです(*^^*)
☆拍手コメントでお名前(ハンドルネーム)を入れて下さったかたには、
イニシャル(Aさま、など)でお返事させていただきます☆
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2015/10/20

J.GARDEN39お礼  同人誌・イベント

こんにちは!

J.GARDEN39が終わりました

頒布物をお買い上げくださった皆様
当スペースにお立ち寄りくださった皆様
お話させていただいたサークル様
そして、J.GARDENスタッフの皆様
本当にありがとうございました!

とても楽しい、素敵な時間でした!☆
取り急ぎお礼まで…
(後日追加記事をUPします(^^)
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2015/10/14

J.GARDEN39に参加します  同人誌・イベント

J.GARDEN39に参加します!

サークル名:Chocolate Cake
スペース :4Fあんみつの間 そ04b
日 時  :2015年10月18日(日) 11:00〜15:00
会 場  :池袋・サンシャインシティ
 


【頒布予定】
新 刊 :X島事件「1」+「2」(少年探偵×超ハイスペック美形大学生)
        全年齢/無料
        「2」はブログ未掲載の新作部分を冊子にしました
      

ペーパー:高橋くん、風邪をひく(同級生。高校寮で看病する話)
        全年齢/無料

既 刊 :シミュレーション・ラブ(高校生先輩×後輩)
        R18/400円



ペーパーは高校生ふたりの新キャラです。
結構好きな感じに書けたので
ぜひお手に取ってご覧ください(^^)


当日、すごく楽しみです。
よろしくお願いします!
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2015/9/12

最終回ありがとうございました  お知らせ・雑記

こんにちは!

「プロポーズ/提案」
最終回を迎えました。
一回目の、2012年12月(!)より
長きにわたり、おつきあいくださった皆様
本当にありがとうございました!

このお話は、最初40回くらいまでの予定でした。
書いているうちにエピソードが増えてきて
でも、同人誌の紙媒体ではなく、ブログなので
全部載せてしまおう!と決めて書きました。

途中、なかなか更新できない時期が続きました…
たくさんの励ましコメント、拍手、ランキングをいただき
本当に嬉しかったです。
アクセスがあるだけでも、
あ、忘れられていないのかな…と勇気が出て
ブログを続けることができました。
ありがとうございました!

更新が途切れて、
読むのをやめてしまった方も多いと思います。
それは、とても残念なことですが
これからもブログを続けていけば
どこかで目に留まるかもしれませんね(^^)

他の止まっている(汗)お話も、
こつこつ更新して行きたいです。

これからもよろしくお願いします。

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コメント欄に、お返事書きました
ありがとうございます♬
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2015/9/9

プロポーズ/提案 【60】最終回  プロポーズ/提案

「確かに、俺の存在、まだ認識されていないって感じですが……。でも、その、実際対等ではないわけですし……」
 前の車が、ウィンカーを出して左に寄ってくれる。加速して、四台並んだ黒いレクサスのセダンを追い抜いた。ハザードを二回点灯させて感謝を伝える。
「い、今の車、見た目怖い人が乗ってましたけど」
 西山の小さな声は、回転数を上げたエンジンの音でかき消された。
「あの、俺、考えたんです。今年のバレンタインまでは、神野さんとこうやっていることも、本当に想像もできないことでした。まさか、俺なんかが、って……。だから、来年も、何が起こるか、わからないと思うんです。もしかしたら、家族が増えているかもしれません」
「どうやって」
「犬を飼っているかもしれないです。神野さんのお母様が、もしも、うちの犬に会えなかったら、とても悲しまれると思うんです」
 犬か。そうだ。西山は、まだ、くろくまに会ったことがなかった。
 くまは、神野家の、れっきとしたメンバーなのに。


「そうだね……僕は、君の言う通り、少し怒っていたようだ。撤回するよ。いらいらして、すまない」
 くろくまを動物病院やカットサロンに連れて行くのは自分の役目だ。いまさら他人に任せては、くまが驚いて可哀想だ。それを忘れていた。
「今日は、僕も含めて皆どうかしている。平常運転なのはねえやくらいのようだ」
「ということは、ねえやさんは、いつもああなんですね。慣れないと駄目ですね」
 西山はにこにこして嬉しそうだ。遠慮がちに、シフトレバーに置いた神野の左手に、自分の手を重ねた。
「ご家族を大切になさって下さい」
 早くに親を亡くした、ずっと年下の彼に気を遣わせている。
 視野の狭い考えが恥ずかしくなった。
「俺は、さっきの神野さんのお言葉で、一生大丈夫です」
「君に頼りっぱなしだな」
「えっ、いえいえいえいえ! とんでもないです。あの、俺で良ければとことん使って下さい。あと、その、もしお金が足りない時は、土日や夜中に交通整理の棒振りでもヨイトマケでもして俺が稼ぎます。俺、体力だけはありますから」
「ヨイトマケ?」
 ふっと息をつき、話題を切り替える。
「牧瀬さんも、たぶん今病院に来ているよ」
「え? GMもお父様のお見舞いですか?」
「牧瀬さんは、僕の一番上の兄と婚約しているから」
 長兄との結婚は、牧瀬の子供たちと調整がつかず保留の状態だが、西山には教えてもかまわないだろう。
「そうだったんですか。全然知りませんでした」
「牧瀬さんと兄は昔からの知り合いなんだ。喫茶室に来た高校生は、牧瀬さんの子供たちだと思う」
「あんな大きな子が二人もいたんですね」
「双子なんだよ」
 似ていないので気づきませんでした、と西山は驚いていた。
「まあ、それはまた、別の話だ。一番上の兄はアメリカに住んでいるから、帰国したら紹介する」
 カーナビが、現在位置を音声で知らせた。ずいぶん遠くに来てしまっていた。
 今更ながら、行き先の確認をする。
「これから、どこへ行こうか」
 どこかで食事でもしようという提案の意味で聞くと、西山は手に持っていた携帯の画面を示した。
「あ、はい。今、宿を探していて、予約画面まで来たところです」
「宿?」
「さっきおっしゃっていた、旅行の宿です」
「そうだった。今日は旅行に行かないといけないね」
「はい。新婚旅行です!」
 西山は助手席で体を弾ませる。
 こちらまで嬉しくなるような、幸せそうな顔だった。
「行き先は、伊豆か、箱根などいかがでしょうか?」
「伊豆は……うーん。箱根でどうだろう」
「箱根は、うちの親の新婚旅行先です」
「僕たちも、それにあやかろうか」
「はい。ありがとうございます……!」
 すごく、すごく嬉しいですと言い、西山は目をこすった。こんなに喜んでもらえるなら、早く一緒に旅行に行けば良かった。後から気がつくことばかりだ。
「今日の予約、なんとかとれそうです」
 西山は満面の笑顔になった。太陽の光を浴びて、頬がつやつや光っている。とても綺麗だ。
 高速道路の分岐点で西に向かう道を選んだ。
 同じ道を走っていた他の車も、それぞれの行き先に向って行く。同じ進路の車は少なくなくなり、視界が開けた。
 晴れ渡った空。
 帰ったら、西山の指輪を探しに行こう。遅くなったが、この指輪と対になるものを受け取ってもらわなくては。
 その時、今度はこちらからプロポーズしようと考えた。


ーーーーーーーーーーーーーー☆ーーーーーー☆

最終回です。
途中、更新できない時期がしばらく続きましたが…
最後まで読んで下さった皆様、本当にありがとうございました!


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2015/9/9

プロポーズ/提案 【59】  プロポーズ/提案

 病院の駐車場に、神野と同じSMCの白いポーツカーが停まっていた。地方都市の総合病院駐車場にXシリーズが二台。もう一台の持ち主は白河専務に違いない。
 自分の車に乗るとほっとした。親しみのある空間に、やっと少し落ち着いた気持ちになる。西山も、慣れた様子で車の助手席に座った。
 エンジンをかける。
 アクセルを踏み込み、車をスタートさせる。エンジンの回転数を感じながら、正確なタイミングでダブルクラッチをつなげた。
 西山は下を向き、しきりに携帯を操作している。
「病室に置いてきたバッグは、何か大切なものが入っている?」
「いいえ。洗ったタオルケットとミネラルウォーターと……、とらやのようかんくらいです……」
 携帯を見つめたまま、上の空といった様子の返事が返ってくる。
「そう。もう取りに行けないかも知れないから」
「え?」
 西山が携帯の画面から顔を上げた。
 右折の信号が消える直前にカーブを曲がった。西山は遠心力の作用で体勢を崩し、ドアの上についているグリップを慌ててつかんだ。
「うわわわ」
「シートベルトをしめて」
「はい。すみません」
 西山は急いでベルトを留める。
 高速道路の入り口から合流地点にさしかかった。一気に加速して本線に合流する。そのまま一番右の追い越し車線に滑り込んだ。他の車は、神野の車を避けるように車線を変える。
「神野さん、あの、もしかして……、何か怒っていらっしゃいますか」 
「怒ってはいない。最近、家の周辺が慌ただしくなったから、しばらく、誰にも邪魔されず二人だけで暮らしたいと、そういうことを考えていたんだ」
「大賛成です」
「具体的には、引っ越しを考えている」
「えっ」 
 西山は目を丸くして絶句する。
 当然、一も二もなく賛成してくれると思っていたので、意外な気持ちになった。
「経済的な問題は、僕がなんとかする。極力、君に苦労をかけないように考えているよ。それと、父の看病は、僕がプロを雇って来週から通わせる。これから君の手を煩わせることはない。今まで貴重な休日を使わせてしまって、すまなかったね。ありがとう」
 いつも頼むハウスキーパーの会社に依頼すれば、適した人材を紹介してくれるはずだ。
「そんな、極端な。さっきはお兄さん、正月に来いっておっしゃっていましたよね。何かあったんですか? 引っ越しのこと、お母様とねえやさんはご存知なんですか?」
「言っていない」
 西山は、シートベルトをしたまま、背筋を伸ばし、神野のほうに向き直った。
「急に決めてしまうのは良くないと思います」
「これからずっと、二人だけで暮らして行くのだから不都合はない」
 返事はなかった。ちらりと横目で見ると、西山は何か言いたげな表情をしてこちらをうかがっている。意見を撤回する気はなさそうだった。
 目で促すと、おずおずと口を開いた。
「神野さんが庶民の暮らしをしているなんて知ったら、お母様はびっくりなさって、ショックで体調を崩してしまうかもしれません」
「詳しく報告するつもりはないよ」
 緩やかな上り坂の途中、インターチェンジが近づき、車が込み合ってきた。神野はやむなくスピードを落とす。 
「僕の家族が、全員、自分たちが君を選ぶ側だと考えているのが気に入らない。波風を立てるつもりはなかったが、僕たちを対等なパートナーと認める気がないのなら、付き合いは控えることに決めたんだ」
「え? 俺のためなんですか!?」
 本来なら、結婚を決めて西山を迎え入れる前に、自分が環境を整えておかなくてはならなかった。嫌な思いをさせてしまって、彼に申し訳ないと思う。

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前回更新に、拍手とランキングありがとうございました!
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2015/9/6

プロポーズ/提案 【58】  プロポーズ/提案

 西山と手をつないで病院の出口に向かう。一歩先を歩く西山は、廊下の曲がり角で立ち止まり、首を伸ばしてそっと先を伺った。
「あ……。先回りされていました」
 戻ろうとする西山を制し、神野は首を横に振った。
「正攻法で行こう」 
 母とねえや、次兄がいる。二人はベンチに座り、次兄だけは立って、大きな紙袋を両手に持っていた。全員が一斉にこちらを見る。
 母は白いボウタイのブラウスに紺色のスカート、くろくまの顔を手元に彫刻した特注の杖を横に置いている。ねえやはからし色の着物を着ていた。
 次兄は二人がつないだ手を凝視し、みるみる般若のような顔つきになった。
 ねえやが満面の笑みを浮かべて、素早く立ち上がる。
「英明さん、ちょうど良いところにいらっしゃいました。お客様がたくさんお見えになったので、今から三角山ホテルのラウンジでお茶会を始めるところだったのですよ」
 ねえやは、そこで初めて西山を見る。
「もちろん、西山さんもご一緒にどうぞ」
 西山は神野に弱気な視線を送った。
「え、えと、でも、神野さんには、その、もう俺がいるので……」
「まさかとは思いますが」
 ねえやは笑顔のまま、身長が三十センチメートルも大きい西山に詰め寄った。
「お嬢様直々のご招待をお受けできない、などとは申されませんよね。わたくしがお嬢様にお仕えして五十五年。そんな方は、今までただの一人もおりませんでしたよ」
 西山はおびえた表情で固まった。つないだ手の体温がすっと下がり、汗がにじんできた。
「せっかくだけど、今日は彼と先約があるんだ」
 ねえやは、神野に向かって微笑んだ。板付きかまぼこが二つ並んだような、邪悪な形の目をして。
「お客様も英明さんにぜひお目にかかりたいとおっしゃっています。明日も会社はお休みでございましょう。お二人のお約束はそのときに。ささ、お支度を」
 神野は西山の腕をひいて、母に向き直った。
「今日は記念日なので、これから彼と旅行に行くことになっているんです」
 西山は驚いた顔で神野を凝視する。そして、すぐに何度も力強くうなずいた。
「まあ、記念日! 仲がよろしくて大変結構でございます。ですが、お嬢様のお茶会と重なるとは、お日にちが残念でございましたねえ」
 ねえやは少しも引かない。
「お母様、申し訳ありませんが、今日は失礼しても良いでしょうか」
「ええ。かまいませんよ」
 母は簡単にうなずく。
 ねえやは母の顔を伺い、すぐに引き下がった。
「そうですか。残念ですねえ。せっかくのお茶会でしたのに。またいくらでも機会はございますけれど」
「お父様がご病気なんだ。浮かれた集まりで遊んでいる場合じゃない」
 次兄は赤い顔で、まだ怒った表情をしている。元々こんな顔だったかもしれない。
 戒めの言葉に、ねえやは眉を吊り上げた。神野は素早く口を挟む。
「お父様の手術をした先生、お兄様のお知り合いだったのですよ」
 母は目を大きくし、顔の前で両手をあわせた。
「まあ、そうでしたの」
「とても有名な先生で、普通は何ヶ月も順番待ちのところを、お兄様のご紹介ということで、特別に緊急手術をして下さったとか」
「では、宏明さんがもうすぐ退院できるのは、友明さんのおかげね」
 そう言って、母は次兄を見上げて優しく微笑む。
「いえ。当然のことです」
 次兄は落ち着かない様子で咳払いをした。
「お兄様は、頼りになるかたですから」
「本当ね」
 ねえやは同意も、反対の様子もなく、黙って横を向いた。
 神野は、母が前に差し出した手を取って、立ち上がるのを助ける。母は少し膝を折り、この上なく上品なしぐさでお辞儀をした。
「西山さん、ごきげんよう」
「失礼します」
 西山もあわてて頭を下げる。 
 手をつないで立ち去る二人の背中に、次兄は声をかけた。 
「正月に、二人で家に挨拶に来い。俺が段取りしておく。それで……イーブンだ」
 足を止めて振り返ろうとした西山を目で制し、出口に向かった。



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拍手とランキングありがとうございました☆

次回更新で最終回です(記事は二回に分けるかもです)
最後までお付き合いいただけるとうれしいです!!
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2015/7/7

2015年GWの思い出  同人誌・イベント

2015年のGWは東京に行ってきました!

森先生の講演会と、
講演会前日のスーパーコミックシティに一般参加するためです☆

すごく楽しい旅行になりました

東京で会ってくださった皆さま
本当にありがとうございました♬

とくにYさんには、旅行初日と最終日の二日間にわたり
おつきあいいただきました。
たくさんお話できて楽しかった〜
地元っ子Yさんには、食事や買い物のお店選び
イベント会場への電車乗り換えまでお世話になりました
(新木場行きの万能さにシャッポを脱ぎました…!(古)
念願のシロノワールも食べることができて良かったです
本当にありがとうございました(^▽^*)

皆さまが北海道にいらっしゃったときは
私がご案内致します。
ぜひお待ちしております〜

つぎは10月のJ庭と、11月の北ティアに
直接参加したいと考えております。
X島事件を一冊の本にまとめて出したいです!
当日配布する、無配のSSはもうできあがりました。
イベントご参加のかたいらっしゃいましたら
ぜひ当スペースにお立ち寄りください。
よろしくお願いします!(*^^*)

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前回更新に、拍手ありがとうございました☆

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ここからは旅行記です
(後日消すかもしれません)


2015/7/5

プロポーズ/提案 【57】  プロポーズ/提案

「神野さん」
 顔を上げると、西山が目の前に立っていた。
「良かった、会えて。電話しようかと思いました」
 神野は、持っていた車のキーをポケットに戻した。
 西山は、まわりをきょろきょろ見回す。何かを警戒しているようだ。
「大変なんです。ついさっき、喫茶室に、白河専務がいらっしゃいました」
「え?」
「お見舞いだっておっしゃって、秘書の人と。それだけじゃなく、あの、いつか神野さんのマンションの前にいた和服の人と、もう一人……」
「誰?」
「神野さんに会いに、SMC本社に勝手に来た人です。日焼けして、素足に革靴はいてるような感じの」
「浅水が……」
 浅水は同じ建物の中から電話をしてきたということだ。さっきの電話の通話記録を消しておいて本当に良かった。
「引っ越した家の電気配線が壊れて、しばらくこっちで暮らすとかなんとか、ねえやさんと仲良さげにしゃべっていました。そうこうするうちに、制服を着た男子高校生も二人やって来たんです。俺、とにかく、神野さんはここに来ちゃ駄目だって直感して、こっそり喫茶室を出てきたんです」
 おそらく、ねえやが集合をかけたのだろう。表向き西山を認めた振りをして、裏では活動の手を緩めていなかったということか。
 辺りを見回し、小さく手招きをする。西山はすぐにうなずき、身体をぶつけるように、性急に神野を抱きしめた。それと同時に唇を重ねる。
 いったん離れ、彼の熱くなった耳に唇を押し付け、小さな声で問いかけた。
「なぜ、今、キスを?」
 西山の肩が少しだけこわばり、おそるおそる、ささやくように聞き返した。
「違いましたか?」
「いや……合っている」
「良かったです」
 弾んだ声になる。触れ合う首筋の感触から、西山が微笑んだのがわかった。
 神野は、彼の腹筋を服の上から指でなぞる。西山は細いため息をつき、腕に力を込めた。
「一緒に逃げましょう」

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2015/7/5

プロポーズ/提案 【56】  プロポーズ/提案

「浅水と会ったのは何のためだったのですか?」
 ああ、と次兄は億劫そうに煙草を灰皿に投げ捨てた。
「お父様はお前を勘当すると言い出して、弁護士を呼んだり、うちのやつも巻き込んだ大騒動に発展したんだよ。すったもんだの末、ようやく、縁を切るのはお父様の気持ちの問題、という形に収まった。それで……俺は浅水に釘を刺しに行ったんだ。まあ、単なる八つ当たりだな。あいつ、へらへらした単なる馬鹿に見えるけど、一応作家なんかしている奴だからな。勢いで行ったは良いけど、何か勘づくかも知れん。浅水を脅した後、英明にこの事は絶対言うなと念を押したんだ。それを、あの野郎、いい度胸してやがる」
「浅水は今、昔の恋人とよりを戻して、九州のX島に住んでいるようです」
「ほう……。面白い」
 とことん俺に逆らうというわけだな、と唇を斜めに曲げて残忍な笑いを浮かべた。
 部屋から出ていく寸前、次兄は背中を向けたまま早口で言った。
「英明、今の話は絶対誰にも言うなよ。特に、あの若いのと、うちのやつには」



 驚いた。
 思ってもいなかった負の感情を知らされて、ショックを受けた。
 彼は家族の中の誰よりも大人で、達観した人格者だと思っていた。まさか、子供時代の出来事に、一人こだわり続けていたなんて。
 次兄は、いまや莫大な金を動かす仕事をしている。本気になれば、国の法律さえ変えるほどの権力を持っている。世界を自分の基準にあわせられる立場だ。いままでは、とてつもなく自由な身分だと思っていた。でも、子供の頃受けるべきだった愛情を確認したくて、不合理な行動をし、十年間も後悔している。
 愛を求める気持ちがからむと、誰も本当には、自由に生きられないのかもしれない。


 廊下を歩いていると、携帯の着信音が鳴った。浅水の番号だった。
 そろそろかかって来ると予想していたので、そこまで驚かない。
「はい」
「あ、英明? 俺俺、浅水。なあ、親父さんが倒れたって新聞で読んだけど」
「そう」
 五秒ほど、沈黙が流れる。
「なに」
「うん……切られるかと思って」
「浅水」
「ん? 英明は元気か? 看病で疲れてない? 何か俺が手伝えることある? あのさ、X島はめちゃくちゃ暑くて大変なんだ。さすが九州だよな。ヘビはまだ見ていないよ。結構町中だからかな。でも、引っ越しした家が、もう昔ながらのさあ……」
「もう電話するな」
 しばらく待ったが、返事はなかった。
「何があっても、僕は大丈夫だから。浅水も……そうだろう?」
「………」
「さよなら」
 神野は浅水の返事を聞く前に通話を終了させた。
 電話帳の浅水のアドレスと、通話履歴を削除する。今の記録は、西山に見られない方が良い。
 携帯から目を上げると、病院の案内板に、駐車場へ向かう表示があった。反対側は、喫茶室とロビーへと続く廊下。
 とても不自由だ、とふと思った。
 約束がある。行動を制限されている。
 面倒なことだ。
 このまま車に乗って、一人で帰ってしまおうか。


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前回更新に、拍手とランキングありがとうございました!
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2015/4/30

プロポーズ/提案 【55】  プロポーズ/提案

 喫煙室に戻ると、次兄が壁にもたれて煙草をふかしていた。自動販売機で、さっきまでとは違う、強い種類の煙草を買ったらしい。
「大昔、家族みんなでイタリアに行ったのを覚えているか? お父様が取締役になって、最初の夏休みの」
「ああ……唯一の家族旅行ですね」
「あのとき、お母様は、兄弟の中でお前だけ連れて帰った」
 三十年以上も前の出来事だった。珍しいことに、父の発案で家族全員がそろってイタリア旅行をしたことがある。父はイギリスとフランスに留学していた時期があり、ヨーロッパの芸術に造詣が深かった。父の計画はローマの遺跡をまわる旅程で、駐車場から歩く場所も多かった記憶がある。
 旅の中盤、レストランで食事中のことだった。父は、母の歩くスピードが遅くて、こんな調子では、目的の半分も見ないで旅行が終わってしまうとつぶやいた。別居で母の様子を良く知らない父は、通常のペースで計画を立ててしまったのだろう。日を追うごとに知識を披露できる機会が減って行き、歯がゆい気持ちになっていたのかもしれない。
 失言を聞いたねえやは烈火のごとく怒り狂い、なんと母と神野を連れて、三人だけで帰国してしまった。父と長兄、次兄を残したまま。ねえやはイタリア語はおろか、片言の英語さえ使えないはずなのに、どんな手段を使ったのか、その日の夜の成田行きの飛行機に乗ったのだった。
 あれから、ねえやは父のことを天敵とみなし、父が何か母のためになる事をしても「しょせん人の皮をかぶった岩石」などとけなし、絶対に認めようとしない。
 次兄は足元に視線を落とした。
「旅行から帰ったあと、しばらくして、お兄様に、どうしてお母様は英明だけつれて帰ったのだろうと聞いたことがある。お兄様はあれだけの大事件を忘れていたよ。旅行中に読んでいたユークリッド幾何学の本しか覚えていないって、きょとんとしていた。さすがに驚いたな。気にしているのは俺だけだったなんて」
「お母様がねえやに逆らえないのは昔からです。外国の事ですし、仕方がなかったのだと思いますが……」
「俺がお母様の家の庭で、車のラジコンで遊んでいたら、ねえやがすっ飛んできて、ラジコンひったくって庭石に叩きつけられたことがある。車のおもちゃで遊ぶなんて、父親そっくりの思いやりの無い子だ、だから貴方は駄目なんだって叫びながらな」
「コントローラを壊したのですか?」
「走っているラジコンを素手で捕まえやがった。化け物だろ」
 武芸の心得のあるねえやの動体視力と身体能力は折り紙付きだ。今でも、もし賊が家に潜り込んだなら、警備会社のガードマンが来る前に、胸の懐剣で一突きに仕留めるだろう。
 ねえやが、母の扱いに敏感になるのは、足の怪我が自分のせいだという負い目があるからだ。信号無視をしたトラックや、それをよけ切れなかった当時の運転手など目もくれず、自分にすべての罪があると信じきっている。母の脚がもう元に戻らないと医者から宣告されたてから、ねえやの思い込みはいっそうかたくなになったように感じる。
「英明がSMCに就職決めたときは、白河の会社に決まって良かったって、大はしゃぎして紅白まんじゅう配ってたんだからな。乗用車もトラックもじゃんじゃん作ってる会社だってのにアホかっつうの。あのくそばばあ」
「ねえやは、なんでも思いつきで突進する子供みたいな人じゃありませんか」
「あの時、俺は本物の子供だった」
しばらく次兄の吐く煙を眺めていた。煙は、二人の間に少しだけ留まり、すぐに分解する。
 次兄は煙草を消す。静かな表情で、手の平を合わせて指を組んだ。日焼けした、中年男の頑丈な手だった。
「俺は、お母様の反応が知りたかった。お前の秘密がお父様から伝わった時、お母様はどうなさるのか、何とおっしゃるのか。それがどうしても知りたかった。こんな歳になってもな」

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2015/4/29

プロポーズ/提案 【54】  プロポーズ/提案

 喫煙室の扉の窓から、中の様子をうかがいながら、行ったり来たりする西山の姿が見えた。次兄はそれを見て舌打ちをした。
「もういい。やった事に変わりはない。俺を恨め」
「何を言っているんですか……」
 次兄は話を終わらせて、立ち上がろうとする。
「妬みですよね」
 外に聞こえないように、声をひそめた。
「密告の動機はわかります。ただ、お兄様が僕に嫉妬する理由がわからないのです」
 西山がまた窓から顔をのぞかせて通り過ぎた。神野は次兄の目を見たあと、戸をあけて廊下に出た。西山は潜んでいた柱の陰から飛んで来る。
「終わりましたか?」
「もう少しかかる」
「俺、もう五ヶ月くらい待っているような気がします」
「まさか……」
 思わず笑ってしまったが、西山は心配そうな、困ったような表情をしている。
「あの、神野さんのお兄さん、俺の話をしているのでしょうか……」
「お説教ではないよ。大丈夫。兄はね、ああ見えてとても優しい人なんだ」
 父ゆずりの岩石のような強面で皆に恐れられているが、神野の知る限り、次兄は最も優しい性格の持ち主だと思う。面倒見の良い親分肌と言っても良い。戦略で激しい気性を装っているだけのことで、優しいから人に関わり、無関係な重荷まで背負い込んで悩むのだ。
「俺、終わるまでここで待ちます」
「ありがとう。ただ、そうだな、できれば……一階の喫茶室にいてもらえたら助かる。終わったらすぐに君のところに行くよ」

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2015/4/28

もうすぐGW  お知らせ・雑記

ブログの更新、ご無沙汰していました。
遅くなりましたが、続きを載せました。

あっというまに4月も終わりですね。
もうすぐGWなんてびっくりです


今更過ぎますが、
前回の秋のJ庭、委託でカット出していたのに
参加できなくて…
当日見て下さった方がいらっしゃいましたら
申し訳ありませんでした

去年の秋からいろいろありまして(;;)
用意できなかったのです。
とても残念でした。

同人のサークル参加はしばらく
出来ないかもしれませんが…
ブログのほうでよろしくお願いします!(*^^*)

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拍手ありがとうございました!
久々更新にもかかわらず、
見に来て下さって嬉しかったです☆
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2015/4/28

X島事件【27】  X島事件  A Murder Case X

 今、
 小さな光が。
 一瞬だけ。

 僕の願望が見せた
 幻かもしれない。
 
 でも、僕はあれに縋るほか
 方法が
 もう
 ないのだ。



ああああああああああああああああああああああああああ―――――」

「慎哉!」
 手を強く掴まれた。
「ああああああぁぁ……………」
 ぎゅうっと体を抱きしめられると、やっと部屋の様子が目に入った。
 夢幻館の、翔有さんの部屋だった。
 夕刻、僕はここへやって来て、翔有さんと眠っていた。
 それで、夢を見たーー
 過去の、現実を、記憶を。
「慎哉、ごめん。よく眠っていたから、遮光カーテンを閉めたんだ。夜と間違えてしまったんだね」
 分厚いカーテンが半分開いて、金色の陽が射した。まぶしすぎる光が僕の網膜を白く焼く。地獄の業火は爆弾に似ている。すべてを焼き尽くし、一瞬で人間を、人生を破壊する暴力的な光だ。
「怖い夢を見たんだね」
「も、もう……、だいじょうぶです」
 きつく目を瞑る。
 全身に汗をかき、震えが止まらない。
 寒い。頭ががんがんする。喉が痛い。
「あと少し、このままでいよう」
 翔有さんは、カーテンのリモコンをベッドの上に静かに置いた。僕を抱きしめたままゆっくりと横になる。僕は上半身を起こして叫んでいたのだ。手を振り回して暴れていた気がする。
 翔有さんは二人の体を頭からシーツでくるりと覆った。
 くるまれていると、まるで、二人で繭の中にいるような気持ちになる。
 この世界に二人だけで――
 柔らかい唇が額に触れる。目を上げると、翔有さんは、申し訳なさそうな表情で僕を見ていた。まるで、僕の動揺の原因が、自分にあるかのように。 
 僕のせいなのに。
 全部、僕のせいで、こんな――
「生駒荘に連絡したよ。今日は、夢幻館に泊まるって……」
「すみません」 
「ここにいれば、何も心配いらない」
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2015/4/27

X島事件【26】  X島事件  A Murder Case X

 運動会の翌々日、休み時間に教室で本を読んでいると、担任の先生があわててやって来た。僕を呼び、鞄を持ってついて来いと言う。荷物をまとめて廊下に出ると、先生は早足で玄関に向かった。
「職員室に電話が来て、時田くんの家が火事になったらしい。タクシーを呼んだから、先生と一緒に家に行こう」
「火事?」 
 胸がどきんとした。お昼の支度。
 母と天さんは、よく昼寝をしている。十二時まえにお昼を食べて、その後居間の小布団で休むのだ。でも……きっと大丈夫だ。天さんは勘が鋭いし、母は運が強い。それに、昼寝をするのは、いつも、ほんの一〇分くらいのことなのだから。
 ただ「家が火事になった」と聞いただけだ。こんな日中の火事なのだから、きっとただの小火だ。もうすぐ会える母と天さんと、笑い話にできるはず。タクシーの中で、必死で自分に言い聞かせた。

 黒こげの僕の家――
 くすぶる煙。
 鼻を突くにおい。
 僕は……何も……知らずに学校で――
 本当に、本当に亡くなったのは母と天さんなの?
 だって……そんなこと、どうやってわかるの?
 僕は見ていない。見せてもらえなかった。
 怪我をして、火傷かなにかで病院に担ぎ込まれただけなのに、この騒ぎで他人と間違えられているだけなのでは?
 DNA鑑定をするまでは信じない。


 消防の人から聞いた。天さんは母におおいかぶり、庇うようにしていたそうだ。
 母は、泣かなかっただろうか。嬉しくても悲しくても、いつもすぐに泣いていた。熱い助けてと、僕を呼んでいたのではないだろうか。
 天さんは、苦しんだだろうか。もう、どうしても逃げられないとわかったとき、それでも最後まで母を守った。
 今日の朝、みんなで一緒にご飯を食べた。たった四時間前のことなのに。
 どうして、どうしてこんな……
 消防の人が、まだ何かを言っている。
 よく聞こえない。


   出火場所は
       
二階の

             押し
                

                         入



                            れ






 暗闇。


 手を伸ばしても。
 何もない。
 なにも。
 目を凝らしても。
 ほんのわずかな光でも。
 光のかけらさえ。
 
 くらい。
 
 
 ここ
 が
 僕の堕
 ちた
  地
 獄。

 僕へ
 の
 罰。



 誰かが
 叫ん
 で
 
 いる。
 子
 供だ。
 
 罪にお
 びえる
 よ
 うな。
 声 だ。
 まるで
 僕
  のよ
 う に、
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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