こんにちは。まな!です。
コント。
場所はファミレス。テーブルの上には和食。
A すまん待たせたな
B いえこちらこそ
A (落ち着きのない様子で咳払い)
B では改めて。はじめまして、息子の大樹です
A ああ
B 今は中学の講師をしています。……あの、お父さん
A 父さんと呼ばれる筋合いはない。よしてくれ
B そんな事を言わないで、お父さん。僕はずっと探していたんです。
A やめろ。ワシはお前を捨てた男だ
ここで雨がしとしと降ってくる
B お父さん(と言って鞄から国語の教科書を取り出す)
A ……
B 僕は今母親と暮らしています。(便覧を取り出す)
A ……
B お父さん、一緒に住みましょう。(チョークを取り出す)
A ダメだ
B なぜですか(付箋の貼っているページを開く)
A ダメだダメだ!
B そんな。お互いの為にも一緒に暮らしましょうよ。(教科書を手に持つ)
A なぜ雨天中止だと思ったんだ!
B え?
A 生き別れの父親との再会だろうが! なぜ念の為に授業の用意もしてくるんだ。
B お父さん、これは癖なんです。気を取り直してお願いします。
A ダメだ!
B すいません(教科書を直す)
A 何なんだよ、今日の約束なんてどうでもいいのかよ
B いえ、大切な日が雨の見込みが分かるとつい癖で(ホイッスルを出す)
A ……
B お父さん、僕たちの事を考え直してください(ジャージを出す)
A 大樹君(ゆっくりとジャージをAの鞄の中にいれる)
B お父さん(ジャージを出す)
A ……
B 母も貴方の事を待っているんですよ。(体育館シューズを取り出す)
A ……
B (黙ってバスケットボールを取り出す)
A ……
B (ボールを二回つく)
二人、見合う
A 勝ったと思うなよ
B (ボールをつく、ずっとつく)
A そうか楽しいのか
B (ボールをつく)
A そうか楽しいんだな。わかったぞ
B お父さん
A なんだ
B 一緒に暮らしましょう
A まだ言うか。無理だ。俺の気持ちは変わらん。
B (ボールに夢中)
A そうかやっぱり楽しいのか。それともプライドか。教師としてのプライドがそうさせるのか。
B お父さん
A もういいんだよ、帰るぞ。店の迷惑になっている。
B (ボールをつくのをやめる。脇に置く)ちゃんと話をしましょう。こうして会うことが出来たのですから。
A いいんだよ、そもそもワシは今更普通の生活など出来ん。自慢じゃないがな、とても人様には見せられないような生活をしているんだよ。
B そんな事言わず(顕微鏡を取り出す)
A やめろ
B どうか一緒に(プレパラート等を設置して覗き込む)
A 何度も言うがワシはこんな老いぼれだ。今更幸せな家庭の中に入っていくことは出来ん
B (顕微鏡に夢中)
A それにお前の母親とも別れて随分経つ。今更来られても気まずいだろうし
もう別々の人生だと思って、え、それ何が見えるの?
B (じっと見ながら顕微鏡をしまう)
A ねえ何が見えんの。
B 大したことじゃないですよ。
A あれだろう、アオミドロとかだろ。
B いいえ。
(A、覗き込む)
A 「yes」……?
B アートです。
A 君が子供たちに伝えたいことは大き過ぎる
B お父さん(包丁を取り出す)
A 家庭科だな、それは。家庭科だよな。
B あなたに足りない物ってご存知ですか?
A 何なんだ急に。
B 罪の報い、裏切りの意識、そして(包丁を振りかざす)
A まさか
B 和のとろみだ!(テーブルの上の料理を包丁で裁き、アレンジ料理に)
A うわー!
B はいどうぞ!(差し出す)
A な、なんだこの味は! 一時期家庭の味が恋しくて妻の元に帰ろうとしたけど
もうこれでええわ!
ありがとうございましたー。

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