今日は曇りで湿度が高い。
厚く重い雲が垂れ籠める窓の外を眺めていたら
胸の奥に甘い病いを抱えていたあの頃の気分に包まれてきた。
あれが何年前のことだったのか、定かでなくなった。
つい数日前のことだった、と言われても、不思議に思わないような、
今と過去が同時に存在するような、
そんな気分で居た時に
携帯に電話着信。
発信者「海人」
そう、海斗とは一文字違いの、仕事関係の人。
現実の世界に戻ってくるのに、数秒かかった。
気持ちの半分は
これが海斗からの電話でも一向におかしくない、
と思っていた。
ほんとうに、いつかいきなり
当たり前のように普通に
連絡があるかも知れない。
ことさら淋しくなるわけでもなく
普通に
そう思った。

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