2015/12/28

今日の気になるニュース:日韓外相会談  

今日は仕事納めという会社も多いだろうが、我輩はもう冬休みである。しかし、外務省の人たちはたいへんだろうなあ。この年末も押し迫った時期に日韓外相会談である。

引用開始

慰安婦問題、日韓が合意=日本政府「責任を痛感」―人道支援へ10億円財団
 時事通信 12月28日(月)15時39分配信

 【ソウル時事】日韓両国間の大きな懸案となってきた、いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる両政府の協議が28日、合意に達した。
 日韓外相会談後の共同記者発表によると、日本政府は同問題への旧日本軍の関与を認め、「責任を痛感」するとともに、安倍晋三首相が「心からおわびと反省の気持ち」を表明。元慰安婦支援のため、韓国政府が財団を設立し、日本政府の予算で10億円程度の資金を一括拠出する。合意に基づく解決策が「最終的かつ不可逆的」であることも確認した。
 首相は28日、韓国の朴槿恵大統領と電話で会談し、慰安婦に対する謝罪と反省を伝達するとともに、「慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを歓迎したい」と表明。朴大統領は「両国の最終合意がなされて良かった」とした上で、「首相が直々におわびと反省の気持ちを表明したことは、被害者の名誉と尊厳の回復、心の傷を癒やすことにつながる」と評価した。
 また、国交正常化50年を迎えた日韓関係の今後について、首相は「未来志向の新時代に入ることを確信している」と述べ、朴大統領の訪日を招請。大統領は「互いに信頼関係を強化し、新しい韓日関係を築くべく、互いに努力していきたい」と語り、訪日を検討することを約束した。
 焦点となっていた元慰安婦の請求権を含む法的問題について、首相は電話会談で「1965年の日韓請求権協定で最終的かつ完全に解決済みとのわが国の立場に変わりはない」と伝えた。
 これに先立ち、岸田文雄外相と尹炳世韓国外相はソウルの韓国外務省で会談した。岸田氏は共同記者発表で、慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。今後、国連など国際社会で、本問題について互いに非難、批判することを控える」と表明。尹氏も合意事項の履行を前提に、「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と述べた。
 また、ソウルの日本大使館前に設置された慰安婦問題を象徴する少女像について、尹氏は元慰安婦支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」を念頭に、「関連団体との協議などを通じて適切に解決されるよう努力する」と語った。日本政府は少女像の撤去を求めている。 

引用終わり

日韓基本条約が「完全かつ最終的に解決した」という「合意」だったのである。それを覆して慰安婦問題の解決を求める韓国に対しては、「今回が最後だ」といくら言っても、文書を取り交わしても無駄なように思える。

そもそも、なぜ合意する必要があったのかよく分からないが、何か事情があるのだろう。加えて、今年が日韓基本条約50周年で、安倍首相には「何とか今年中に」という思いもあったのだろうか。首相自身が、岸田外務大臣に訪韓を指示したそうだ。ネット上では、批判的な意見が大勢を占めているように見える。もっとも、Yahooニュースのコメント欄くらいしか見ていないのだが...

それでは我輩はこの合意をどう評価するかというと、これは難しいところだ。感情的には、「またしても、しなくてもよい譲歩をして、韓国にやられたな」という気がする。ただ、安倍首相の真意が奈辺にあるのかが ...読めない。

12月17日、朴槿恵大統領に対する名誉毀損で訴追されていた産経新聞の元ソウル支局長加藤氏に対し、ソウル地裁は無罪判決を言い渡した。12月22日、ソウル地検が控訴を断念し、加藤元支局長の無罪が確定した。

12月24日、韓国の憲法裁判所が1965年の日韓請求権協定が憲法違反であるという訴えを棄却した。戦時中動員された韓国人の遺族が日韓協定は財産権を侵しているとして訴えていたもの。

もしも、安倍首相がこの流れを見て、いまが関係改善の好機とみているとしたら、ちょっと甘いんじゃないかと思う(そもそも、これらの司法判断が韓国政府の意図したところだとしたら、韓国で司法が独立していないことになり問題なのだが)。安倍首相には、韓国政府が無言のうちに「仲良くしよう」というサインを送ってきたと思えたのだろうか。あうんの呼吸でこの問題を終結できると見たのだろうか。

だとしたら、それは1993年の河野官房長官談話と同じだろう。

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当時の経緯を調べると、河野談話は、韓国政府側からの要望で出された感が否めない。要望というのは「経済的補償を求めないので、韓国の慰安婦だった女性の名誉のために認めて欲しい。そうすればこの問題には今後触れない」というものだ。当時の日本政府は日韓友好のためにこの要望を受け入れ、政治的判断により河野談話を発表した。つまり慰安婦の募集に関して政府の関与や強制連行について何の証拠も無かったのにもかかわらず、韓国政府とのいわば阿吽の呼吸で河野談話を発表し、事実でないことを認めてしまったのだ。
(2014年11月15日、自民党武藤貴也衆議院議員のブログhttp://ameblo.jp/mutou-takaya/entry-11948455539.html

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そして、岸田外務大臣が会談後の記者会見で述べた内容は、河野談話の一節とほとんど同じなのである。

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いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。
(平成5年[1993年]8月4日「慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話」)

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周知の通り、河野談話は慰安婦問題を終わりにするどころか、国際社会で日本軍の慰安婦「強制連行」と「性奴隷」制度を糾弾する際の論拠となって、我が国の国益を損ない続けるという計り知れない禍根を残した。日本的な、非常に日本的な、言葉にしなくても無言のうちに相手の意向や感情を忖度して個人的な友好関係を築くというゲームのルールと、外交交渉の場で自国の国益を最大化するという全く違うゲームのルールを混同したが故の大失策だった。またしても同じ轍を踏むのか、いままでの経緯から何も学習していないのかという気もする。

もう一つの可能性としては、安倍首相は全てを熟考したうえでの冷徹な判断としてこの合意を行ったというものだ。自民党内には、親韓派議員が、それこそうじゃうじゃいる。連立パートナーの公明党も基本的に親韓だ。いかに安倍政権が強固に見えても、彼らに一定の配慮をしなければならないところに追い込まれているのかもしれない。

さらに、来年は、参議院議員選挙がある。消費税の10%への税率引き上げを凍結して、信を問うために衆議院も解散してダブル選挙があるのではないかという推測もある。安倍政権は中国韓国との外交関係の停滞を招いているという批判を封じる必要を感じているのかもしれない。

今回の合意の背景も、外務大臣や首相が用いる言い回しも、河野談話に酷似しているのだが、それでも「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」との言質を取ったことは、河野談話に比べて一歩前進している。もしも10億円で、本当にこの問題が解決するのならば、そんなに高い買い物ではないと思う(たぶん解決しないだろうけどなあ...)。日韓基本条約によって解決済みである以上、びた一文払う義務はないというのはまさにその通りだが、この問題に関しては原則論で押し通せる状況ではないと思う。

多くの日本人には、慰安婦問題で「終わったはずの問題を蒸し返してくる韓国には辟易する」という思いがある。しかし、よく考えてみれば、慰安婦問題は日本人が作り出したものなのである。吉田清治というホラ吹きが『私の戦争犯罪−朝鮮人強制連行』(1983)という本を書いて、彼が朝鮮人女性を強制的に連行して慰安所に送ったという言い分を朝日新聞が何本もの記事にして煽った(朝日新聞がそれらの記事を誤りと認めて取り消したのはやっと昨年になってのことだ)。当時の宮沢喜一首相も河野官房長官も、謝って済むものならばと、ペコペコ謝罪してしまった。レールは敷かれた。安倍首相が個人的にどのような信念を持っていようとも、そこから踏み出して、「日本は悪くない」と主張することは非常に困難である。即座に「修正主義者」というレッテルを貼られる。いくら「事実を見てくれ」と言っても、河野談話がある以上国際社会は耳を傾けることはないだろう。そもそも、「性奴隷(Sex Slave)」という用語を国連まで行って売り込んだのも日本人の弁護士なのだから。

もしも、現在の首相が安倍ちゃんではなくて、石原伸晃や石破茂や谷垣禎一だったら、どんな合意をしていただろうか。安倍首相だからまだこんなもんで済んでいるという考え方もできると思う。こと慰安婦問題については、日本は絶望的な状況を何とか抜け出すべくもがいている状況だということを認識しなければならない。

繰り返しになるが、韓国の外相から「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」との言質を取ったことは、一歩前進なのである。約束が守られるという保証はない。おそらく守られないだろう。たぶん韓国の政権が変わったとたんに反故になるのだろうが、それでも言質を取ったぶん、河野談話の時よりはマシなのだ。

今回の合意で、安倍首相を非難するべきではない。

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2015/4/8

左翼学生とオッサンの会話  

我が輩が授業をしている大学には、今どき珍しく左翼学生が出没する。授業の後に校舎の前で知人と待ち合わせをしていたら、数人の左翼学生がビラを配っていた。見ていると一般学生やその他の通行人は、彼らのビラを受け取ることなく、無視して通り過ぎてゆく。しばらくして、ようやく一人のオッサンが彼らの差し出すビラを受け取った。

オッサンは、年の頃は我が輩と同じくらい、40代後半か。ジーパンにポロシャツ、ジャケットとかなりカジュアルな格好をしていた。

物好きな人だなあ、あんなビラを受け取るなんて。案の定、左翼学生がそのオッサンにまとわりついて、「集団的自衛権容認の署名集めに協力してくれ」などといっている。ヒマだったので、我が輩もその近くで彼らの会話に聞き耳を立てていた。以下、その左翼学生とオッサンの会話。

オッサン:集団的自衛権行使賛成だけど。
左翼学生:えっ、ナンセーンス!なんでですか?
オッサン:そうでもしないと日本を守れないから。そうでもしないと、日本は中国に対抗しえないから。
左翼学生:でも、首相の靖国参拝などで日中関係を悪化させているのは日本のほうですよ。
オッサン:いやあ、靖国神社に参拝するのが悪いとも思わないけど。自国のために戦って死んだ人たちに尊崇の念を表すのは当然のことで、それはどこの国でもやっていることだから。
左翼学生:(激高して)何を言っているんですか!あんなに侵略をしておいて。
オッサン:どこを侵略したの?
左翼学生:侵略しましたよ、中国も韓国も。
オッサン:いやあ、そんなこと言っても、どこの国でも戦争はやるものだから、侵略かどうかということはおいといて、国のために戦死した人たちをあがめるのは当然のことだと思うよ。それに中国こそ、今もチベットやウイグルを侵略しているじゃないか。
左翼学生:分かっていますよ。ぼくらも反対していますよ。
オッサン:それに日本は朝鮮を併合したのであって、侵略したのではないと思う。その当時は、国際的にもどの国からも非難を受けることはなかった。朝鮮の人たちだって、併合を望む人がたくさんいたんだよ。
左翼学生:何を言っているんですか!伊藤博文を暗殺した安重根が朝鮮人民の怒りを表しているではないですか。
オッサン:安重根は頭がおかしかったんだよ。伊藤博文は朝鮮併合に反対していたのに、その伊藤を暗殺するなんて...
左翼学生:そのあとも、朝鮮の民衆はずっと日本に対して抵抗運動を続けてきたんですよ。
オッサン:そんなことはないと思う。だって、朝鮮の独立運動って、三一運動があっただけで、その後はシュンとしぼんでしまって。結局、たいした独立運動も無いまま、1945年8月15日の日本の敗戦まで行ったじゃないか。もしも、朝鮮の人々がほんとうに独立したかったのなら、どうして日本が敗戦する前に、昭和19年とか昭和20年とか、日本の敗北がほぼ明らかになった時期に独立運動が起こらなかったんだ?
左翼学生:起こってたよ、抗日パルチザンとかが日本の支配と戦っていたんだよ!日本がそれを徹底的に武力弾圧したんだ!
オッサン:そんなことはないと思うよ。その頃日本の軍隊は太平洋でアメリカと戦争をしていて、朝鮮には少数しかいなかったんだ。朝鮮の治安を守っていたのは警察で、朝鮮の警察というのはほとんど朝鮮人だったというじゃないか。
左翼学生:日本の傀儡だろうが。
オッサン:まあ、そうとも言えるが。だけど、日本が降伏して戦争が終わるまで、その傀儡すら倒せなかったのだから、朝鮮の独立運動はたいしたことなかったんじゃないの。
左翼学生:そんなことはない。戦争中には、日本で在日朝鮮人すらも反乱を起こしていたんだ。
オッサン:日本で在日朝鮮人が反乱を起こすぐらいなら、なぜ朝鮮半島で朝鮮人が反乱を起こして日本人を追い出さなかったんだ?
左翼学生:それは、だから...
オッサン:....
左翼学生:だから...
オッサン:だから?
左翼学生:だから、それは前と同じ論理です。とにかく、絶対に許さない。あんたの修正主義的なそういう考え方は絶対に許さない!
オッサン:そう言われても。うーん、たとえばね、私は、あなたがあなたなりの考え方を持つのは認める。そのあなたの意見に私は賛成できないとしても。だけどねえ、「その考え方は絶対に許さない」というのは、それは内心の自由、思想信条の自由を否定することであって...
左翼学生:あんた、教員なの?
オッサン:学生に見えるかね?
左翼学生:あんた、そういう授業やってるんだな。そうなんだな。
オッサン:あっ、いや。授業では政治の話なんてしないよ。
左翼学生:やればいいだろうが!堂々とやればいいだろう!
オッサン:いや、ここではあなたが聞いてきたから、少し踏み込んで自分の考えを話しているんであって。授業の時は、やっぱり教員はなるべく政治的に中立な立場をとらないと。
左翼学生:やればいいだろうが!できないんだろう!そうだろう!学生の反乱が怖くて。
オッサン:あのね、私はじつはあなたみたいな人が嫌いじゃないんだよ。今の学生たちって、みんな自分の身の周りのことやるだけで精一杯で、あなたみたいにある意味広く世の中を見られるというか、政治に関心を持てる人はなかなかいないと思うし、自分も昔はあなたと同じような思想を持っていたから。
左翼学生:あなたここの教員?
オッサン:あー、いや。パートタイムの教員で、月曜日だけここに来て教えている。あなたはここの学生なの。
左翼学生:いえ、ちがう大学です。
オッサン:ああ、そうなの。あのね、私は今46歳で、あなたはまだ20歳そこそこだろうから私はあなたの倍以上は生きているの。その間にそれなりにいろいろなことを見聞してきたから、人生の先輩としての話をあなたに聞いてほしい。私が学生だった頃、私のクラスメートにもあなたと同じような運動をやっている女性がいたの。そのころ、ちょうどフィリピンのアメリカ軍の基地が撤退して、スービックという海軍の基地とクラーク空軍基地なんだけどね。まあ、クラーク空軍基地のほうは火山灰に埋まってしまって、滑走路が使えなくなったというのもあったらしいんだけど。それで、私はそのクラスメート、フィリピン・沖縄の民衆と連帯する運動をしている彼女の話を聞いて、日本人もフィリピンの民衆を見習わなければならない。我々もアメリカ軍を追い出して、安保条約を破棄するべきだとか思っていたの。でも、フィリピンでアメリカ軍が撤退してから、どうなったか知ってる?
左翼学生:...。
オッサン:アメリカ軍が撤退して、軍事力の空白ができると、中国軍がそこにやってきて、パラセル諸島とかスプラトリー諸島を占領して、基地まで造ってしまったの。彼らの言う、西沙諸島とか南沙諸島だけどね。だから、平和というのは、軍事力の空白を作らずに、軍隊と軍隊が相対してパワーバランスを保ちながら、戦争が起こらないようにすることだと...
左翼学生:いつあったんですか?そんな(平和な)時代がいつあったんだよ?
オッサン:だから、いまそのパワーバランスが崩れているんだよ。中国の軍拡というのはものすごいんだよ。このまま中国が強くなっていくと、パワーバランスという歯止めがなくなって、だから日本は何とかアメリカ軍の袖を引っ張って、ここにいてくれ、と言っているんだよ。オバマ大統領になってから、アメリカはまた孤立主義的になって、海兵隊とかグァムまで撤退して、アジアを放置しようというような感じだったの、だから...
左翼学生:我々だって、集団的自衛権が、日本がアメリカの戦争に巻き込まれるというようなことではないと思ってるよ。
オッサン:そう、そうなんだよ。日本がアメリカに巻き込まれるというよりも、日本がアメリカを巻き込もうとしていると私は思う。
左翼学生:とにかく、あなたのその修正主義的な考え方、歴史の見方は絶対に許さない。あなたの考え方は許さない、絶対に!
オッサン:私はこれでも学者なんだけど。といっても近現代史の専門の学者じゃなくて、もっと違う時代のことを研究しているんだけど、少なくとも学問は修正主義的でなければならないと思っている。新しい学術資料がでてきたら、そのデータと矛盾しないようにこれまでの学説を修正して、新しい学説を展開させる、そうでないといけないと思っている。だから、私は修正主義者だ。
左翼学生:それはそうでしょう。
オッサン:とにかく、君はまだ若くて、こう、その運動にすごく熱心に打ち込んでいると思うんだけど、ものの見方が一方的で、視界が狭くなっているんじゃないかと思う。だから、「その考え方は絶対に許さない」とかいう前に、世の中にはいろんな考え方があって、自分の考えが絶対ではなくて、そのうちに変わるかもしれないということを意識しておくべきだと思う。
左翼学生:その言葉、そっくりあなたに返しますよ。
オッサン:そうだね。
左翼学生:そのビラを読んでみてください。
オッサン:ああ、わかったよ。
左翼学生:それじゃ。
オッサン:さようなら。

二人はそこで別れて、左翼学生は校舎の前でビラをまいている仲間の法へ、オッサンは駅の方へと歩いて行った。
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2015/2/27

今日観た映画:『アメリカンスナイパー』  映画鑑賞

クリント・イーストウッド監督『アメリカンスナイパー』(2014)アメリカ

ネタバレ注意!これから観に行く人は読まないで。

クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)はテキサスで信心深いキリスト教徒の父のもとで育った。父はクリスに射撃を教え、また「世の中には、羊とオオカミと番犬がいる。おまえは番犬になれ」と諭される。世の中には弱者と、それを力づくで食い物にする悪と、そして弱者を悪から守る者がいる。世の中に悪というのは存在する。つまり悪いやつはどうしようもなく悪いのであって、それは育った環境がどうだとか、いろいろな偶然や不運が重なってを悪を為す人たちがいるというのではなく、いわば先天的に悪人は悪人と言うがごとくの決めつけかたなのだ。

大人になって、カウボーイ、といえば聞こえがいいが、牧場の労働者になったクリス。ロデオ大会に出るなどして、賞金稼ぎをしていた。そんななか、1998年のケニアとタンザニアのアメリカ大使館爆破事件に衝撃を受けて、クリスは弟とともに軍隊に志願する。「弱い者を守り悪を倒せ」という父の教えが心の中によみがえったのだ。海軍特殊部隊ネイビー・シールズの猛訓練にクリスは耐え抜く。もともと射撃は父親に仕込まれていて、狙撃手としては申し分ない。

訓練中に、クリスはバーでタヤ(シエナ・ミラー)という女性と知り合う。タヤはバーで飲みすぎてゲロを吐いてしまうような女なのだが、超美人でなかなかガードも堅い。クリスはなんとかかんとかタヤを口説き落とすことに成功、二人はめでたく結婚する。実はこの間、2001年9月11日の同時多発テロがあり、そしてアメリカはアフガン攻撃からイラク戦争(2003-2011年)へと戦争を拡大させていた。奇しくもタヤとの結婚式の日、クリスたちの隊にも出動命令が下り、これがイラクへの一度目の派遣となる。

クリスの任務は、建物の屋上などで身を潜めて敵の接近を監視・狙撃して、市街地で掃討作戦を行う海兵隊の安全を守るものだった。最初の狙撃は気が重いものだった。海兵隊員たちに近寄ってゆく母とまだ幼い男の子。母は着衣の下に何かを隠し持っており、それを男の子に渡す。クリスはそれが対戦車用の手榴弾であることを見逃さなかった。母親から離れて戦車へと進んでゆき手榴弾を投げようとした男の子をクリスは射殺する。つづいて男の子に駆け寄って手榴弾を拾い上げ、それを持ってアメリカ軍に向かってゆく母親も一撃で射殺する。

やがて、クリスの狙撃の腕はイラクに派遣されたアメリカ軍の間で広く知られるようになり、彼は「伝説の男(Leyend)」と呼ばれるようになった。イラクとアメリカを行き来すること4度。タヤとクリスの間には長男が生まれ、やがて長女も生まれる。

この間、シールズと海兵隊の喫緊の課題は、あのイスラム原理主義武装勢力のリーダー、ザルカウィを捕獲または殺害することだった。クリスらは、ザルカウィの片腕である「虐殺者(the Butcher)」に関する情報提供を受け、追跡に動く。しかし、敵の思わぬ待ち伏せ攻撃を受けて、そのあおりで情報提供者の現地の長老(シャイフ)とその幼い子供が殺されてしまったり、同僚のビクルズが撃たれて負傷、その敵をとろうと出撃して、逆にやはり仲間のマークが戦死してしまったり。

そして、過酷で凄惨な戦場の体験は、確実にクリスの心を蝕んでいた。イラク派遣の合間にアメリカに帰って家族と過ごす日々にも、クリスはなにか心ここにあらずといった感じで、ほんとうに打ち解けて心を開いているようではない。静かに自宅の居間でくつろいでいるときにも、クリスの頭の中では、常に銃声と悲鳴が響いているのだ。それでもイラク行きを止めないクリスは、妻のタヤとの間に徐々に溝を深めてゆく。

4度目のイラク派遣。戦場はファルージャからサドル・シティへと移っている。クリスたちは、それまで手を焼いていたイスラム武装集団の狙撃手、シリア人でオリンピックのライフル射撃金メダリストでもあるムスタファをおびき出す作戦に出る。凄腕のスナイパーどうしであるクリスとムスタファの対決。まず、ムスタファがアメリカ軍の兵士を狙撃。その射撃により、クリスが、1900メートルという射程外とも言える距離にいたムスタファを発見し、スコープに捉えた。

クリスが満を持して放った一発がみごとにムスタファを倒す。血飛沫を吹き上げて倒れ込むムスタファだったが、これでクリスたちの位置も敵に知られることになり、武装勢力の兵が殺到する。激しい銃撃戦の末、味方のヘリコプターのミサイル攻撃と、折しも到来した砂嵐に紛れてクリスたちはようやくのことで脱出して生還することができた。

ようやくクリスは除隊を決心して家族の元へと帰り、やがて妻のタヤや子供たちにとっても、優しい夫、父親になっていった。しかし、戦争の後遺症は簡単には癒えず、クリスはある出来事がきっかけで精神科(?)を受診する。そしてその病院でクリスが出会ったのは、体にも障害を負い、心身ともに戦争で傷ついた元軍人たちであった。

クリスは一緒に射撃をすることで、彼らを癒やすという試みをはじめる。銃とは縁遠い日本人には思いもよらない「射撃セラピー」。撃つ対象は紙の標的であり、うまく命中させることができたときの満足感・達成感と射撃の合間のなにげない会話を通した心理療法であるらしい。

ある日、クリスは、やはり戦争で精神を病んだ患者と射撃セラピーに出かける。その患者の母親に頼まれたのだ。しかし、そこで悲劇は起こる。

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クリント・イーストウッドの戦争映画といえば、なんといっても『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』の二部作だ。あれはいい映画だった。今回も期待できるだろうと思って観に行った。今回の作品の評価は....70点。

戦闘シーンがド迫力。スナイパー・ライフルのズキューーーーンという腹に響くような銃声のリアルさは、やはり映画館ならではかも。平地で撃っていてもなぜかこだまのように後に尾をひいて響く。我が輩はもちろんほんとうの戦場など知らないのであるが、単なる憶測で言うと、たぶんこの映画は、本物の戦闘と『ランボー』みたいな荒唐無稽な戦争映画のちょうど中間ぐらいか。戦争映画として、とてもよい出来だと思う。

この映画はアメリカでは大ヒットしていて、興行収入が3億ドル(360億円)を超えたのだという。よい出来ではあるが「単なる戦争映画」というだけではここまで多くの観客を集めることはない。

それは、この映画の製作直前(?)にクリス・カイルが殺されるという事件が起きてしまったことにある。日本でも有名な歌手が死ぬと一時的にCDがバカ売れし、有名な俳優が死ぬとDVDが売れたり、いくつかの映画館がその俳優の作品をリバイバル上映して観客が殺到したりする。

戦争や軍人というものをほとんど実感できなくなっている日本人には理解しがたいことだが、クリス・カイルは真にアメリカ人にとってのヒーローであって、いわば日露戦争の広瀬中佐、支那事変の爆弾三勇士、真珠湾攻撃における特殊潜航艇の九軍神、みたいなものなのかもしれない。

戦争映画としての完成度の高さと、クリス・カイルが殺人事件の犠牲者になってしまったという偶然の出来事によって、3億ドルという興行収入をたたき出した大ヒットの要因はほぼ説明できると思う。しかし、もしかしたらプラスアルファの何かがあるのかもしれない。

多くのイラクの軍人と多くのイラクの市民が殺されて、傷つき、そして多くのアメリカの軍人も殺されて傷ついたイラク戦争とはいったい何だったのか。結局はイラクには大量破壊兵器はなかった。今になってみれば、イラク戦争は大義なき戦争だったと、多くのアメリカ人もうすうす感じているのではないだろうか。イラクをはじめ、中東の石油資源だって、アメリカで膨大なシェールガスの産出が可能になり、世界のエネルギー需給の構図が一変してしまった今では、たいした重要性を持たなくなってしまった(すくなくともアメリカにとっては)。

そして、アメリカ軍がフセイン大統領を倒し、ザルカウィを殺し、その結果イラクは平和で民主的な国になったかと言えば、いままたフセイン政権の残党(スンニ派過激集団)やアルカイーダの残存勢力がISISいわゆる「イスラム国」という怪物になって復活している。

ISIS「イスラム国」は、恐怖による統治を行い、アメリカやイギリスや日本のジャーナリストや国際援助関係者を誘拐して、拘束して、身代金を要求して、あげくのはてに殺害して、その様子を動画でインターネットに投稿したりしている。

クリスたちは何のために戦ったのか、多くのアメリカ兵が命を落とし、あるいは体に障害を負って、心を病んでしまったあの戦争を、アメリカの人々がいま振り返ってみようという機運が、ひょっとしたらあるのかもしれない。

ちなみに、クリスは自分が多くの敵を狙撃して殺したこと(アメリカ軍の記録では160人)について、なんら良心の呵責を感じていない。精神科医の「こんな経験はしないほうがよかったと思いますか」という問いに対して、「自分はそんな人間じゃない」と答えている。クリスは戦争の是非について疑問を感じてはいない。ただ、壮絶な戦場での経験が心理的外傷となっているだけだ。彼は父親の教えの通り「番犬」となった。自分と家族と国を守るために「悪」と戦っただけなのだ。ちなみに映画の中では、クリスは、「蛮人(the savages)」という言い方をしている。

この映画のラストシーン。クリス・カイルの葬列とおもわれるパトカーや白バイのすごく大規模な車列、それに星条旗を振る沿道の人々、老いも若きも、男も女も、ほんとうに多くの人たちがこの英雄の死を悼んでいる。告別式は野球場で行われ、多くの軍人と民間人が参列して別れを惜しんだ。その実際の映像がラスト・シーンなのである。

イラク戦争が大義なき戦争だったのかどうか、そんなことは関係ない。国のために命を賭けて戦い、多くの敵を倒した英雄の死に際して哀悼の意を表する。アメリカ人には当たり前のことなのだ。首相の靖国神社参拝を巡って国論が二分する我が国とは、なんたる違いだろうか。

映画館では、我が輩の隣で老夫婦がこの映画を観ていた。映画が終わってエンドロールが流れはじめた瞬間、老人が「実話だったのか」とひとりごちた。知らずに見に来る人もいるのか!ちょっと笑えた。

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2015/2/26

今日の気になるニュース:韓国大物政治家の発言  

今日は2月26日。79年前の今日、陸軍の青年将校らがクーデターを企てて首相官邸などを襲い、多くの政府要人を暗殺した。昨年末、高倉健さんが死去したときに追悼企画で映画『動乱』を衛星放送で放映していた。二二六事件に参加する将校を高倉健が演じており、その妻は吉永小百合だ。

高倉健さん演じる宮城少尉(階級はうろ覚え)の部下の二等兵が部隊から脱走する。彼は、姉の薫(吉永小百合)が借金の形に、売春業者に連れて行かれるのをなんとかするために故郷に戻ろうとする。しかし、捜索隊に見つかってしまい、「自決せよ」と拳銃を渡される。だが、どうしても引き金を引くことができず、もみ合いの末上官を撃ってしまい、彼もまた射殺される。宮城少尉は父親に金を出してもらって、二等兵の実家に行き、姉の薫にその金を渡して借金を返すように促すのである。

今なら、「お金返せませーん。自己破産しまーす」と言えばそれでいいのだが、昔はたいへんだったのだ。とにかく、そうこうしているうちに宮城少尉は朝鮮満州国境の国境守備隊に配属される。そこで日本軍御用達の売春宿で女郎に身をやつした薫と再会する。言ってみれば、それは慰安所、薫は内地から連れてこられた慰安婦なのだ。慰安所を逃げだそうとした(自殺しようとしたのだっけ?)薫が、制裁と見せしめのために厳寒の冬に雪原に放置されて凍死しそうになったりなど、慰安婦の女性たちの過酷な生活、悲惨な運命も描かれている。

宮城少尉は内地に転属になり、薫を妻にしてふたりの静かな生活が始まる。ただし、宮城と薫のあいだには性的な関係はない。やがて昭和11年、宮城少尉は父親に自分亡き後の薫のことを頼んで、はじめて彼女を抱き、2月26日、彼の小隊を率いて政府要人のだれだったか襲撃に向かうのである。

さて、話はがらりと変わって、韓国の元政治家の興味深い発言である。

引用開始

「日本は韓国を一段下に見ている」 重鎮、金鍾泌元首相の苦言に韓国メディア注目
 2015.2.25 19:27 産経ウェブニュース
 【ソウル=名村隆寛】日韓国交正常化(1965年)の際に対日交渉を担当し首相も務めた韓国政界の重鎮、金鍾泌(キム・ジョンピル)氏(89)の日韓関係悪化を懸念した発言が注目されている。金氏は「(日本は)韓国をどこか一段下に見ているようだ」と述べる一方で、韓国政府に対しても「日本を過剰に刺激すべきではない」と忠告したという。
 金氏は21日に夫人を亡くし、弔問客らと24日までに交わした発言として韓国各紙が伝えた。
 金氏は「(日本には)まだそんな(韓国を見下す)認識から抜け出せない人々がいる」と憂慮。菅義偉官房長官については、「韓国をもう少し知り、理解した上で両国の友誼(ゆうぎ)を深めようという思いが感じられない」と苦言を呈した。
 一方、韓国側についても「朴槿恵大統領もそんな空気をなぜ読めないのか」「必要以上に日本を刺激し批判することは控えなければならない」などと述べ、過剰な対日批判を行わないようクギを刺した。
 金氏は朴正煕政権初期の62年、国交正常化に向けた交渉の大筋を、日本側の大平正芳外相(当時)との間でまとめた。韓日議連会長を務めるなど日本政財界と関係が深い知日派で、2004年の政界引退後も重鎮として存在感は大きい。
 最近は日韓関係の悪化を懸念していたといい、日韓双方への苦言や忠告はそうした心情から出たものとみられる。
 金氏は日韓の懸案となっている慰安婦問題についても言及。1965年当時、元慰安婦らは「帰国し配偶者との間に子供ができ必死に生きていた」と振り返った。その上で「(元慰安婦を)引きずり出し難題を作ってしまった。誰の発想か分からないが胸が痛む」と述べたという。

引用終わり

キム・ジョンピル氏は終戦時19歳、つまりほとんど成人の年まで日本人だったわけだ。その彼が「日本は韓国をどこか一段下に見ている」という不満を抱くとは、具体的にはどういうことなのか、ぜひ知りたいものだ。「昔はオレたちは日本の植民地だった。1948年、独立したのはいいけど二年後には朝鮮戦争が起こって、国土は破壊され、悲惨な生活が待っていた。韓国は世界の最貧国だった。だけど、日本からの援助もあったとは言え、オレたちは経済発展を遂げ、1988年にはオリンピックを開催するまでになった。いまや、サムスンの家電やスマホ、ヒュンダイの自動車は世界を席巻する。もはや日本とは対等な国同士のつきあいのはずだ。だけど、まだオレたちを下に見やがって!」。

たいていの書店に行けば「嫌韓本」が目につくところに置かれており、その中にはずいぶんと韓国を馬鹿にしたことが書いてあったりする。我が輩は『マンガ嫌韓流』は買って読んだし、呉善花氏の著作は『漢字廃止で韓国に何が起こったのか』をはじめとした何冊かを読んだ。ただ、最近の「嫌韓本」は全く読んでいないので、正確には内容を知らない。

いずれにせよ、キム・ジョンピル氏が言っているのは、嫌韓本のことではないだろう。日本で韓国をディする書籍があまたあるのと同じように、韓国でも日本をけなす出版物には事欠かないはずだ。その点ではむしろ対等なのだ。我が輩が子供の頃は韓国という国を意識したことはなかった。日本の隣に小さくて貧しい韓国という国がある。ただそれだけ。だから、嫌韓も何も、韓国が何を言おうと気にもとめなかった(報道されていなかった?)。悪口を言ったり、喧嘩したりするのは、相手に存在感があるからだ。

興味深いのは、キム・ジョンピル氏が安倍首相のことには言及せずに、菅官房長官のことを話しているという点だ。もしかしたらキム氏は安倍首相のことも何か言ったかもしれないが、とにかく報道されたのは菅長官のことなのである。いわく菅長官には「韓国をもう少し知り、理解した上で両国の友誼を深めようという思いが感じられない」。

そう、これこそがキム氏が「日本は韓国を一段下に見ている」と嘆く不満の核心ではないだろうか。友好の反対は敵対ではなく、無関心なのだ。菅長官の言動を詳しく追いかけているわけではないので正確なところは分からないが、安倍首相が「第二次大戦までの日本の行動が侵略かどうかは歴史家の判断にゆだねるべきこと」、「日本が国ぐるみで慰安婦を性奴隷にしたというのはいわれなき中傷」と発言し、また靖国神社に参拝し、とにかく中国や韓国の非難に対して自分の意見をぶつけている。それに対して、菅長官は「ああ、また中国や韓国が何かほざいているわ」と軽くスルーしているような印象を持つ。すくなくとも、「菅長官が妄言!」という非難が中国や韓国から聞こえてきたという記憶はない。

高齢の韓国人にとって、韓国の主張に反論してくる日本人よりも、そして韓国の主張に媚びておもねる日本人よりも(キム・ジョンピル氏世代の韓国人は心の中では彼らのことを軽蔑していると思う)、いちばん嫌なのは、韓国の主張になど反論もせずに聞き流す日本人、あるいは韓国に無関心な日本人なのだろう。

そして、またなんとも意味深長なのが、記事の最後に紹介されているキム氏の発言なのである。「元慰安婦らは帰国し配偶者との間に子供ができ必死に生きていた」。「(元慰安婦を)引きずり出し難題を作ってしまった。誰の発想か分からないが胸が痛む」。

元慰安婦を引きずり出したのは、吉田清治、朝日新聞、そして韓国の挺対協、というのが我が輩の解釈である。いずれにせよ、キム氏の言葉は日本政府に対する非難ではない。あるいは、慰安婦問題で不用意に韓国に譲歩し、かえって解決を阻んで問題をこじらせる原因になった宮沢内閣、河野官房長官談話に対する非難かもしれないが...

戦後長らく慰安婦問題が騒がれることはなかった。1965年の日韓基本条約の予備交渉でも、一度も韓国側からこの問題は提起されなかったと聞いている。一生苦界に身を沈めて生きた女性たちもいたが、やがて他の生業を得て、世間の片隅でひっそりと生きた女性たちもいたし、映画『動乱』で描かれているような、軍人と結婚して売春業から抜け出た慰安婦もいたと言われている。

もちろん、慰安婦問題が世の関心を引くにしたがって「自分は元慰安婦」と名乗り出た女性たちが大勢いて、それ以外の元慰安婦たちは、もしかしたら自分たちの過去を隠して、いまも息を殺すように生きているのかもしれない。ただ、たとえ自ら名乗り出た一部の元慰安婦とは言え、彼女たちを「引きずり出し」、政治の道具、金儲けのネタにした人たちのなんと罪深いことか。
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2015/2/15

今日の気になるニュース「二階の韓国訪問、日韓通貨スワップ、農協改革、西川農水相スキャンダル」  

二階俊博自民党総務会長、衆議院議員、和歌山3区。当選11回のベテラン議員で自民党の実力者だが、小沢一郎と行動を共にして自民党を離党していた期間が長いようだ。小沢一郎同様に、大の親中派政治家である。それゆえ、和歌山の動物園にはたくさんパンダがいる。

引用開始

「まったくその通りだ」と訪韓の二階氏、朴槿恵氏に慰安婦問題で
 2015.02.15 産経新聞ウェブニュース
 【ソウル=名村隆寛】韓国を訪問中の自民党の二階俊博総務会長は13日、ソウルで朴槿恵大統領と会談した。二階氏は安倍首相の親書を朴氏に手渡した。朴氏は「今年は(日本の戦後)70年の年で歴史問題が話題になろうが韓日双方が慎重に対処していくことが大事」と述べた。
 慰安婦問題では「(元慰安婦の女性たちが)生きているうちに問題を解決したい」と、日本側に速やかな対応を求めた。二階氏は会談後、朴氏の発言について記者団に「まったくその通りだ」と述べ、認識が一致したことを明らかにした。
 加藤達也前支局長の出国禁止状態が続いている問題では二階氏が、安倍首相の「日本国民は皆心配している。自由に日本に渡航し家族と会えるようになることを望む」との意向を伝えた。朴氏は「問題は司法の場に移っており、司法の判断に委ねるしかない」と答えたという。

引用終わり

親中派であるというのは知っていたが、親韓派でもあったか。慰安婦問題について二階氏が韓国に媚びた発言をするのは困ったものだ。安倍首相はじめ、日本政府は「すべての問題は日韓基本条約で解決済み」という立場をとっている。それに対して、政府の役職に就いていないとはいえど、与党の幹部である政治家が「慰安問題は未解決で、日本政府の謝罪と賠償が必要」と主張する韓国大統領に、「おっしゃるとおりですぅ!」とへつらう。

実は、この構図自体が韓国人を怒らせているのではないかと我が輩は推測する。我が輩の見るところ、韓国には言論の自由がない(少なくとも慰安婦問題については)。この問題について、日本の肩を持つような主張をする韓国人もいないことはないようだ。だが、そのような主張をしたが最後、糾弾され、つるし上げられて、ナムルの家とかでハルモニばあさんたちに土下座させられて、社会的に抹殺されるらしい。それに対して、日本では言論は自由であり、国会議員たるものが、慰安婦問題について日本政府が責任をとるべきだと主張することもある。その最たる例は民主党政権下、菅内閣の仙谷由人内閣官房長官である。彼は、日韓基本条約において個人の請求権が韓国政府の意向で消滅したことについて、「法律的に正当性があると言って、それだけでいいのか、物事が済むのかという話だ」と言い放った。ちなみに、この発言をしたとき、彼はまさに内閣官房長官(つまり日本政府のスポークスマン)だったのである。これは大問題なのだが...

韓国人にとっては理解しがたいことだろう。慰安婦問題という重大な問題について、政権が変わったら日本政府は言うことが違う。否、同じ政権であっても、安倍首相や菅官房長官の言うことと、彼らと同じ政権与党の幹部である二階総務会長の言っていることは違う。

こちらでは同じ相手と交渉しているつもりなのに、相手の言うことが、時によって、担当者によってころころと変わって一貫性がなく、こちらとしては「いったいどういうことなんだあああ!」とフラストレーションを感じることはよくあるのだ。

さて、二階氏であるが、韓国に拉致されている産経新聞の加藤前ソウル支局長のことについては、たぶん形だけだろうがパク大統領に一言いったようだ。この点に関しては、2014年10月にパク大統領と会談して、相手に媚びるだけで加藤前支局長ことを話題にもしなかった額賀福志郎日韓議員連盟会長よりは少しはましだった。

二階氏は安倍首相の親書も持参してパク大統領と会見したようである。それでは、安倍首相は二階氏とはけっこう気心が通じた仲なのか。昨年末の安倍首相の衆院解散に先立って、二階氏がさかんに解散風を吹かせる発言をして地ならしをしたという報道もあった。

しかし、これは全く違うようだ。日本政府は、2月13日パク大統領と会見した二階氏が日韓協調を呼びかけたその翌日の14日に、たいへん素晴らしい決定をしたのである。

引用開始

関係悪化影響?日韓通貨スワップ協定、延長せず
 Yomiuri Online 2015年02月14日 16時01分

 日本と韓国が、金融危機などで外貨が不足したときに通貨を融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」を延長しない見通しとなった。
 今月23日の期限切れとともに、2001年から続いてきた協定は終了する。日韓関係の悪化が背景にあるとみられる。日本政府関係者が14日、明らかにした。
 スワップ協定は、緊急時に通貨を供給し合うことで経済の悪化を防ぐ取り決めで、日韓は現在、100億ドルの融通枠を確保している。
 融通枠は、リーマン・ショックなど経済が悪化したときに拡大され、11年には700億ドルまで増えた。
 しかし、12年の韓国大統領による竹島上陸などで日韓関係が悪化し、130億ドルに縮小された。13年7月には韓国経済の回復を理由に30億ドル分の協定を延長せず、100億ドルの枠が残っていた。

引用終わり

この日韓通貨スワップとは、外貨準備が潤沢な日本にしてみればたいして利点がない協定で、一方的に韓国を援助するものらしい。始めたのは麻生政権下だが、民主党政権下で700億ドルまで枠が拡大され、それが政権交代以降徐々に減っていた。それにしても、韓国を訪問して日韓友好を協調した二階氏にしてみれば、冷や水を浴びせられたような気分ではないだろうか。やはり、自民党内には安倍首相(自民党総裁)−麻生財務大臣(副総裁)のラインと、二階派&額賀派(旧田中派)の親中・親韓グループの間に隠れた対立があるのではないだろうか。そう考えると、安倍首相が農協改革に熱心なのにもうなずける。

引用開始

二階氏「農協と自民党は仲良くしてきた」 農水相に配慮を要請
 2015.2.4 21:47更新 産経新聞ウェブニュース
 自民党の二階俊博総務会長は4日、党本部で西川公也農林水産相と会い、安倍晋三政権が進める農協改革について「農協と自民党とは長い間、仲良くしてきた」と述べ、全国農業協同組合中央会(JA全中)などに配慮するよう求めた。
 西川氏は、JA全中を法的権限がない一般社団法人へ転換させることを柱とした農協法改正案の骨格を説明。二階氏は「地方の農業をしっかり守ってほしい」とも語った。

引用終わり

JA全中をなんとか助けたい二階俊博と、JA全中の権限を奪いたい安倍首相。もちろん、画一的・横並び的・みんな一緒的な農業を全国の農家に強要するJA全中に対して、TPPが締結されて農産物の貿易が自由化されても、それを逆手に品質のよい農産物を外国に輸出するような「闘う農家」を育成するのが安倍首相の第一義的な目的だ。だけど、もしかしたらJA全中に支援されている二階をはじめとする自民党内の守旧派議員たちの権力基盤を掘り崩すというもうひとつの目的があるのではないだろうか。

そう考えると、以下のニュースもこの流れの中にあることが分かる。

引用開始

西川農水相側に違法献金か=補助金企業が300万円
 時事通信2015/02/13-13:08
 西川公也農林水産相が代表を務める「自民党栃木県第2選挙区支部」(栃木県さくら市)が2012年9月、国から補助金を受けることが同年5月に決まった同県鹿沼市の木材加工会社から300万円の献金を受けていたことが13日、分かった。
 政治資金規正法は、補助金の交付決定を受けた会社が1年間、献金をすることを禁じており、違法献金の疑いがある。
 栃木県や第2選挙区支部の政治資金収支報告書によると、同社は12年5月、林野庁の「森林整備加速化・林業再生事業」で補助金を受けることが決定。同年9月と11月の2回にわたり計7億円の補助金を交付され、工場の設備導入費などに充てた。同社は同年9月、同支部に対し300万円を献金した。
 西川農水相は13日の閣議後記者会見で、献金を受けたことを認めた上で、「問い合わせたら会社が補助金を受けていることが分かった。違法性が考えられるということもあり、返還させていただいた」と説明した。
 一方、木材加工会社は「社長が不在で詳しいことは分からない」とコメントした。

引用終わり

そう、西川公也農林水産相は志帥会、つまり二階派の議員なのだ。「300万円の献金を受けていたことが13日、分かった」って、いったいどのようにして分かったの。誰がその情報を流したの???もしかして、首相官邸の意を汲んだ誰かなのだろうか。

いいじゃないですかあ。安倍首相には、きれいなことも、汚いことも、やれることは全部やって、自民党内の反対勢力を駆逐してほしい。我が輩が熱烈な安倍ちゃん支持者なのに、「自民党を支持します」とはどうしても言えないのは、二階のような議員が幅をきかせているからだ。まずは自民党内の敵を一掃し、公明党を政権与党から追い出し、それは無理でもなんとか黙らせて、その先は...

もちろん、憲法改正である。
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