2009/6/23

いけちゃんとぼく 〜遠くに来てしまって見えなくなったもの〜  ときどきシネマ

実写だとどういう感じになるんだろう、絵本(というか漫画だけど)で2時間の映画、モつのだろうか?・・という一抹の不安を胸に、見に行ってきました。クリックすると元のサイズで表示します
映画版「いけちゃんとぼく」。 

この本を初めて読んだ時、最後で「ああ・・・そうか、そうだったのか」と、さーーーっとすべてがわかると同時に、胸の奥ぅのほうで何かがチクンとして、キュッと締め付けられ、わーーっと大泣きしてしまいました。

映画化が決まるとともに「大人が泣ける本」だとかとにかく「泣けよ」といわんばかりの宣伝に辟易し、そこまで言われたら自分の、なにかこう「キュッ」となった気持ちとか、流した涙とかが急激に安っぽくされた気持ちになって、ちょっと嫌でした。

しかし、西原恵理子のこの本は本当に素晴らしく素敵で、これまたサイバラにしかできない表現方法であり、これが映画になるとすると、どこがどうなるのか?と非常に興味があったわけです。

そんな感じの映画レビュー。 (※私のレビュー関係はすべてネタバレです。絵本を読んでない人、映画見てない人で今後見る予定の人は、要注意。
ただし今回に限り、一番大事な「いけちゃんについて」は気分的にはっきりネタばれしない方向で書くつもりですので、その点だけはご安心を)




主人公の「ぼく」こと「ヨシオ」のそばに、
いつも、なんとなくいる謎のイキモノ「いけちゃん」。
いけちゃんはいつも近くにいて、励ましたり遊んだり、見守っています。

ヨシオは子供なので、いたずらしたり、喧嘩に巻き込まれたり、いじめられたり、
近所の高校生のおねえさんが好きだったり、色々しますが、いけちゃんはそのたびに近くにいて、的確なことを言ったり、励ましたり、諭したりするのです。

本と映画は、けっこうあちこちリンクしていて、たぶん昭和40年代のとある漁港の町(サイバラの故郷、高知の設定にたぶんしてある)なのですが、
ヨシオのやってる遊びとか、いじめっこの雰囲気とかがかなりな昭和臭さです(笑)

ヨシオ役の子「深沢嵐」くんもどことなく昭和風味の顔だなーと思いました。
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なんかこう「シュッと」してないっつーの?(笑) 
うーむ。そこがいいんだけどさ。


いけちゃんの声は蒼井優。
ハスキーな声で、かなりはまっていたと思います。

見るまではあまりイメージできなかったのですが、見始めると、「うん、蒼井優でいいよね」って感じ?

そいでまた、近所のうどんやの、ちょっとおバカな友達「キョウちゃん」が本とまったく同じというか、本のキョウちゃんよりかわいくて、いとしい感じの子で、よかったです。

キョウちゃんみたいな子って、昔は、どの町にもいたんだよなぁ・・・・
ちょっとだけ見下されてるんだけど、いじめられてはいなくて、なんとなく仲間には入れてる、ちょっとだけおバカな子。

この映画に出てくる「キョウちゃん」はとってもかわいい。
「めっちゃやぶれてるやつでええから、怪獣カードちょうだい」
ってヨシオに言う、
(家がたぶんまったく流行らないうどんやで、貧しい)笑顔がたまらなくかわいい。

しかしこの映画のなかでは、お山の大将的ないじめっ子二名が出てくるんだけど、彼ら、石投げたり舟のオールで殴ったり、おなかふんずけたり、いじめ内容がものすごく暴力的で(-_-;)
なんつーかヤバいんだけど・・・。

たしかに昔の子供は、激しいことしてても「手加減の仕方」を知っていただろうけど、
こんなに石ぶつけてたら、いつかヨシオ死ぬよ・・・と、なんかすごく腹立たしい気持ちになりました。

んでまた、隣の隣の隣町に住むいじめっ子(中学生含む)が、これまた昔っぽくなく
最近いそうなチンピラタイプで(-_-;) もっとさー、丸坊主で汚いかっこしてるよーないじめっことして描いた方がハマると思うけどなーー。

タチの悪い、チンピラそのものなんだもん・・・・、子供っぽさがもっと欲しい。

ヨシオの父=萩原聖人、母=ともさかりえ、はまあよかった。
ともさかの関西弁(高知設定だと思うけど、関西弁チックでした、みんな)がわりとうまいなーと思います。 


しかし萩原って、なんかどういう演技しても力入りすぎに見えるんだよなぁー、なんか。
浮いてる感じに見えるのはなぜだろう。

その父の葬儀に参列してる近所のおばはん軍団・・山田スミ子、たくませいこ(おばはんなのか??たくまはw)、そしてサイバラあたりは、「あーーーいるいる、こういう下世話な主婦連」みたいな感じ。

牛乳屋のおじさん「清じい」(空手の使い手)=モト冬樹も、まあ「昔いた感じのじいさん」に思います。

あこがれの女子高生「みさこさん」=蓮佛美沙子、彼氏ぃ(ヤンキー)=柄本息子(笑)
みさこさんのヤンキーへの豹変ぶりはすごく、サイバラの漫画によく出てくる人々そのものなんだけど、映画では唐突過ぎた感じがありますな。

絵本にはこういう設定ないしね。

映画でのストーリーは、「ヨシオ」がだんだんと大きく、内面が大人に成長していく過程として、いじめっことの戦い、そのために清じいに空手教えてもらおうとしたり、
亡くなった父の「愛人」といわれてるオンナの家に自転車でのぞきに行ってみたり
(なんかこのあたりの、モヤモヤ感、よくわかる。
行ってみたら自分ちにあったのとおなじ「戦艦長戸」のプラモデルが愛人の家にも置いていあって、ムカついてそれを盗み、帰り道で踏みつけるヨシオとか、このへんの表現が、非常によくわかる)

隣の隣の隣町のヤンキー小中学生と、喧嘩では負けるので、「野球で勝負しよう」と
提案し、そのことで地元いじめっこと和解して野球チームにする采配っぷりとか、
無理やり感がちょっとはあるんだけど、ヨシオの心の自立とか成長過程がそのあたりに出ている感じ。

・・・人生って思い通りになかなかならないし、何かから逃げても、またよそで同じような「何か」がある。
そういうことに気がつく成長。

ただ、そのあたりのエピソード部分が長いので、絵本の展開だけで期待していると
かなり冗長なイメージは否めませんね。

この映画のヨシオって妙に理屈っぽいしさ(笑)
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まああの絵本で2時間持たせるのは難しいと思うので、ここらあたりが映画のオリジナルエピの創作どころというか、押し込めどころではあるんだろうけどね。

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いけちゃんいないシーンもてんこもりだもん(笑)


ヨシオがだんだん成長していくにしたがって、いけちゃんは見えなくなる。
だんだんと、見えなくなっていくもの・・・。

いけちゃんだけでなくって、
子供の時見えていたあれやこれや、いつ私たちは忘れてしまったんだろう。
いつ、見えなくなってしまったんだろう?

それをすごく考えたり、した。

ヨシオと同じように一人で寝るとき、天井の節穴が大きく揺れて妖怪が出現、とか
確かに妖怪ぽいものは子供のとき、私も見えていて本気で恐ろしかったもん・・。

いけちゃんは、ヨシオが生まれたときから、実はずーーっとヨシオを見ていた。
そして、小学校のとき、だんだん見えなくなって行って、消えていく。
気配だけ残して。

「さよなら。」そう言って。

だけど、ヨシオとはずっと先に、また出会えるということをいけちゃんは知っている

ヨシオは大学生までは少なくとも「いけちゃん」を覚えているんだけど、依存してはいない。

このまま大人になって年齢を重ねるとき「いけちゃん」のことはあまり覚えてなくて「現実」に向かうのかもしれないけど、結果的に気がつくのだろう、と思う。

いつか、遠い先にいけちゃんと出会ったとき、「あああっ」と思いだせばいいな・・。きっとその瞬間いけちゃんは、笑ってくれるんだろうとも思うし。


サイバラがテレビで、この絵本みた人で、男性は「僕もいけちゃんが欲しかった」というんですが、女性は「わたし、いけちゃんになりたかった」と言う人が多い、と言ってました。

私は女性ですが、私なら「いけちゃんが欲しかったな」と思います。

あのとき、あの局面でいけちゃんがいたらな・・・と、これまたせつない気持ちになりつつ、キュっと胸が締め付けられる。

で、私も、いけちゃんになれたら、それはそれで幸せかもしれないな・・とも思うのです。

絵本や映画のいけちゃんみたいに「待つのはとくいなの」と言えるかどうか・・は今の私にはわからないけど。


いや、大人になってしまって遠くにきた私は忘れてるのかもしれません。
・・・本当は自分にもいけちゃんが、いたのかもしれないという事を。

自分が死ぬ時になれば
「あれはいけちゃんだった」と思いだせるかもしれません。


絵本でも、映画でも、わかっているのに同じところでぶわっと涙が出てしまうのは
私がやっぱり遠くに来てしまっていて「そうか・・そうだったのか・・」
繰り返し思って感慨にふけってしまうからかも。

安っぽい感じだけど「やっぱり泣いてしまう」。


・・しかしなぁ・・
この映画、いきなり冒頭でちょこっとネタバレくさくなってるんだけどどうしてこういう演出にしたんだろう・・・。
まあ見に行く人は大抵本読んでる人なんだろうけど

あれはあんまりにも見る人間をバカにしてるような気がするなぁ。
公式HPもしかり。

わかりやすく、って・・ほどがあるだろうよ。


なのでブログではいけちゃん自体のこと、はっきり書きたくないの、私(-_-;) 
書いたら全部が台無しって感じだもん。

念のため、いけちゃんの正体については知っててもはっきりここのコメント欄には書かないで下さいね(笑)


つうことで、
映画はミニシアター系なんで、見られる地域や期間限られてますが絵本は入手しやすくなってると思います。
楽天ブックスなどで手に入ります。
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映画の前に、ぜひ・・とくにせつないオトナ世代同志の方々は、必読。

ってな感じでオルボワーー
(;_;)/~~~(;_;)/~~~(;_;)/~~~


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ところで、いけちゃんストラップ欲しかったんだけどすべて売り切れて入荷待ちになってました・・・・・・(^_^;) 
まあいいや・・・。





2009/8/31  21:41

投稿者:ツバッキー

■しげのんさん おお、見たんですね!つうかまだ上映してたんですね。

本の、あの短い中での勢いというか
流れのほうがずっといいでしょ?
(-_-;)
絵本だと、うわーーーーーっ・・・そうかぁ・・・・・・・・と思うんだけど
映画はいきなりネタばれですしねぇ。。。

女の子ものがたり、行きたいんだけど
私もあの評判は気になってます(^_^;)
サイバラの世界って実写だとムリがありまくりますよね・・

そういやサイバラ無関係ですが
深夜食堂もドラマ化らしいし(-_-;)


http://moon.ap.teacup.com/tsubaki-net/

2009/8/30  16:05

投稿者:しげのん

ようやく映画を観たので、いまさらコメントを。
後から原作を読んだのですが、映画冗長だなと思いました。

女の子ものがたりも気になっているのですが、ブロスの批評で、いけちゃんよりもうんぬん な事が書いてあって迷い中(笑)

http://sigenon.at.webry.info/

2009/6/28  11:47

投稿者:ツバッキー

■あんとんさん 一応絵本のエピは
95パー入ってると思いますが、肉付けに
ヨシオの家族とか色々出てくる&野球シーンとかが増えてる感じ。

まあDVDでいいかもしれんよ・・・・。

ええーーー、ジブリって(-_-;)
絶対反対(笑)
ジブリではサイバラの感じを妙な「感動もの」だけに終始させてしまうと思う。
サイバラのさらっとした「深み」と
ジブリのねちこい「奥深さ」は全く違うと私は思う。

つうか、サイバラのこういうファンタジーって、もともと映像にするにがムリあったんかもねぇ。漫画だからこそ、のよさとか
ページめくって「あーーーっ」ていう
あの感じを思うと、本ならでは、だよなぁ・・・とつくづく思いました。

2009/6/28  10:38

投稿者:ツバッキー

■masuraさん うん、絵本見てからのほうが絶対いいと思います。
というかね、絵本だけでちゃんと完結もしてるので、映画は、「まあこういうふうになるわけね・・・・」という感じで見るほうがいいのかもしれないですわ(-_-;)

泣けるとか、泣くよーとか聞きすぎたら
本みて拍子ぬけかもしれないので
あまり先入観なしに、サイバラ作品として見るほうはいいとも思いますけどね。

本、一事あまり売ってなかったんで
私は楽天ブックすで取り寄せました。
映画してるんで本もまら大きい書店行けば平積みかも。

2009/6/28  8:45

投稿者:あんとん

|ω`)


いけちゃんは九州未上陸みたいだから、DVDレンタル待ちですわ…(涙

絵本の内容からすると、1時間〜1時間半ぐらいでまとめた方がスッキリ締まると思うんだけど、まあ色々オトナの事情があるんでしょうか(笑


ジブリあたりがアニメ化しねえかな?
宮崎駿の描くサイバラキャラが見てみたい。


(-_-)ムリポ





http://blog.auone.jp/twingo/

2009/6/28  1:09

投稿者:masura

ワタシ、まだ絵本読んでないんです。
先に読んでから観たほうがいいのですね。
うう、そうすっと、後日DVDでってことになっちゃいそう。

いろいろのところで号泣って話しをよく見るのですけど
やっぱり、泣けるのですね。
仕事の前に読むと顔がすごいことになるし、
寝る前に読むと、次の朝、きっとすごい目がはれていると思う・・・。
いつ読めばいいんだぁぁぁ。笑
とりあえず、早々に絵本をゲットします〜。

http://ivory.ap.teacup.com/masura/

2009/6/27  18:14

投稿者:ツバッキー

■副長さん こんにちは、コメントありがとうございます\(^o^)/

私も絵本を読んで涙し、感動して・・・
映画化されたので、どんなもんかな、と見に行った感じです。

あの映画、いきなりのプチネタばれが
やっぱ失敗じゃないかなーーーと思うんですよね。
絵本みたいに「いきなりそこ??」みたいにならないと、インパクト弱い気がしました。
まあ、映画も冗長な部分はあってもおおむねよかったですけどね。
蒼井優の声すごく合ってたと思います。

2009/6/27  9:43

投稿者:副長

私は絵本を見てから映画を観ました.
絵本で大泣きしたので映画でも泣きに行こうかとしたら…意外に泣けず、でした.好い造りの映画には仕上がってるんですけどね.いけちゃんの声を聞いていて、最初は“”宮崎あおいって、すげー上手いなあ、と勘違いしていて、エンドクレジット見て、あっ、蒼井優だった…(爆笑).

http://blogs.yahoo.co.jp/chakotay17275

2009/6/26  11:58

投稿者:ツバッキー

■ケイさん よかった、今日はアクセス出来てました。


映画なんですが、いきなりよりも絵本のほう読んでからのほうがいいと思います。
あの絵本は・・ヤバいです(;_;)(;_;)
店では品薄かもだけど、楽天ブックスなんかであるんで。
サイバラらしい手法というか
サイバラにしか描けない世界かなと思いますね。

2009/6/26  11:57

投稿者:ツバッキー

■Bacoさん 行ってきたよー。
やっぱね、絵本だから、二時間にするためにはヨシオの周辺をもっともっと肉付けしないといけなかったぽく、
絵本にないエピてんこもりでした。
そのせいか、ちょい冗長な部分多く・・・

つうか・・・冒頭からチョイネタばれすんの
なんとかしよーよって感じ(-_-;)
気にせず見られるといえば見られるんだけどね。

やっぱ同じとこで、涙でたけど。
遠くにきちゃったな・・・と思うことって日常でもたまにあって、色々思い出したり。

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