2008/11/11

おいしい空気を読め!  ぬるめに本の話

昔から、食べ物関係の本が大好きです。
料理人による「レシピ本」ではなく、作家の書いたもので、その料理や食材にまつわる色々な話や、食べる時のエピソードあれこれ・・・そして盛りつけや食器も含めた写真やイラストがあると、尚更好きなんですなぁ。

想像力を働かせ、味や、その場の空気感、そしてその作家さんのセンスとか、生活もあれこれ脳内で展開してみたりとか。

そこで!今日は
池波正太郎や東海林さだお、開高健、魯山人に内田百ケン(※漢字が文字化けしたのでカタカナねw)etc..etc..のような、このジャンルのエッセイにおける「不動の御大」の本は、私が語らずとも鉄板なのは間違いないので、おいといて (笑)
(上記御大以外の)私のオススメ「料理の載ってる本」・・・「おいしい空気のある本」をいくつかご紹介。


●「白洲次郎・正子の食卓」 牧山桂子
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白洲次郎と正子の長女、牧山桂子による、白洲家の食卓です。

正子は、「まったく料理しない」ヒトなので(-_-;)・・というか家事らしい家事いっさいしないヒトなんだけど・・(笑) 
桂子がおとなになってから夫妻の食事は、桂子が作っていたようですね。

これが・・もう素人と思えない粋な料理の数々で、料理しない正子(しかも気難しい)がうなるのも当然・・という写真がたくさん出てきます。

スーパーお嬢様とスーパーおぼっちゃま夫婦の、まあ晩年の食卓ではあるけど(笑)
高価なものばかりではなく、庶民的な食材での、
きちんとした家庭料理がほとんど
だし、レシピ見てもけっこう簡易なものが多いので、実際作れそう。

きちんとした食材ってのは、重要かもれないけどね。

白洲正子の趣味で蒐集されてきた素敵な食器に、美しくおいしそうに盛られたきちんとした料理、テーブルクロス・・・あちこちにやはり品のよさがあふれ、画像だけでも満足。
また、海外生活の長かった次郎の趣味や嗜好による食材・料理もたくさん出てきます。
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それをまたその時入手できる材料で、応用して作る桂子のセンスも素晴らしい。
画像は、はまぐりで「エスカルゴ風」の味付けにしておつまみにしたもの。

個人的には、白洲家の「おせち料理」に、おうちの伝統や慣習のようなものが見て取れるのが、好みですね。

私は今、ある大学のオープンカレッジで、日本の食文化に関係する講義を受けているのですが
その中に、各地のおせちや正月料理食文化の意味や、伝播についてというものがあり、伝統的な上流階級の「おせち」の中身を文献や映像で見たりしているので、大学行き出してから余計にこの本に
リンクするところがいろいろあり、非常に興味深い・・

つうか私、やっぱこういうジャンル(食文化とか伝統行事事系)好きなんだなぁ・・・(^_^;)

また、そういう事とは無関係に、この本に出てくる「家庭料理」はおいしそうだし、手軽そうで、作ってみたいなぁ。高級なもの取り寄せとかまではしないけど(笑)

この本では、料理だけでなく娘から見た正子や次郎の「人間性や性格」、そして「生活」が垣間見えてきます。



そうそ、白洲次郎・正子については来年のドラマが楽しみですね。
前にも書いたけど・・
伊勢谷が次郎役ってハンサムすぎかもしれんが(笑) 



●「森瑤子の料理手帖」 森瑤子 クリックすると元のサイズで表示します

この人の小説やエッセイなどの作品のなかには、たくさん料理が出てきますが、
この本は森瑤子が実際作っていた料理、作品に出てきた料理などを写真入り・またその作品の引用付きで集めたもので、森瑤子の死後、出版されたものです。
(※現在は絶版です。 私はamazonで中古を探して購入しました)

料理が得意だった森瑤子の・・まあ「森瑤子的な」簡単料理の数々ですが、パーティ料理なども多い&大好きだった与論島でバカンスやパーティで作っていたもの、またはやはりこだわりの贅沢な食材を使ったものも多いので、家庭で・・・という感じのは少ないかも(笑)

しかし、写真がふんだんで、また作家に捧げる料理など、まとめ方も楽しく
見ていて飽きません。
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森瑤子の作品によく登場していた「オイルサーディン丼」も「ヨロン丼」として登場します。

それから、以前私が、大量のお花見弁当を作った記事でレシピをご紹介した、黒柳徹子の「ビスケットケーキ」も、なんかちょっとオサレでおハイソなレシピとなって紹介されています・・・!!!
(黒柳徹子の文章付き!)

好きなのは、英国式朝食の一週間の献立のページですね。
玉子料理だけでも楽しい・・・しかし本当は和食党だったので(笑)
そういうメニューもあります。(英国人の夫とは、別に食べる用)

白洲家と同じく、この本も、森瑤子の蒐集してきた食器やファブリックがふんだんで、とても美しいです。


●「ビールでいただきます!」 太田垣晴子クリックすると元のサイズで表示します

キリンビール大学食学部でWEB連載されていた漫画を集めたもの、だそうです。
もともとこれは、ウッタの所有していた本ですが(笑)面白いのでご紹介。

太田垣晴子の本は、どれも面白く、シンプルな絵と手書き文が読みやすくて(しかし鋭いんだけどね)大好きです。

ビールに合う食材・ビールに合う料理(おつまみ含む)、食品との取り合わせについてあれこれ描いてあります。
イラスト入りの簡単なレシピは、けっこうわかりやすく、これ読むと
このおつまみ作ってみよう♪という気になったり。

その前に、ものすっごくビールが飲みたくなるけどさぁ。

ビール飲みながら「何食べよう」と考えることもあるし
何か食べながら「これはビールに合う!」と思うこともある
のですが、
自分の「好きな取り合わせ」だけでなく、こういうの見ると「へえー、これも意外と合うのかぁ・・・」と思ったりね。
私的な例としては、天ぷら。
この本には出てきますが、天ぷらでビール・・はあまり考えなかったなぁ・・・から揚げでビール、ならあるけど(笑)


●「森茉莉 贅沢貧乏暮らし」 神野薫クリックすると元のサイズで表示します

これは、料理の本・・というわけではなく、5年ほど前に「森茉莉の生誕100年」を記念して森茉莉にまつわるあれこれを写真入りでたくさん紹介した本です。
(※この本は出版当時写真の肖像権をめぐるごたごたがあって、一事回収さわぎがあった記憶があるのですが、私の所有しているのは発売日に買ったまさに回収対象になった初版本なので、いま出回ってる「騒ぎの後の本」と少し違うかもしれん・・・一時期販売も中止されていたんだけど、またAmazonで見かけるので、普通に入手可能みたいです・・よくわからん)

貧乏サヴァランや、贅沢貧乏に出てくる「森茉莉の食べていたもの」だとか
「森茉莉が作っていた料理」を実際に作ってみて写真にしたページがとても面白く、
文章だけで見ていた「にゅうとねい」だの「鯛と筍の押し寿司」だの「鮭の白ソオス」だのを、実際今見ると「ほおお・・・こうなりますか・・」という感じ。

森茉莉のあの超・独特のお耽美な表現で彩られた「贅沢貧乏」な食生活・・一週間の献立、なんかも当時の時代背景や、実際の森茉莉の「東京の秘境」と言われた倉運荘やらフミハウスで彼女の美学と美意識の中で「許された」食材、「許された」食器でこういうの食べていたんだなぁ・・・・と思います。
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↑昭和29年に「暮らしの手帖」で発表された「一週間のメニュウ」。

この本は、食べものだけでなく、所有していたアクセサリーや、手書きの落書きのような絵、若いころの写真、晩年の部屋(秘境・・・・・・・・^_^; )の写真なんかも満載。(たぶんこういう画像のどれかが、ひっかっかって回収騒ぎになったんでしょうけどね)



●「中原淳一の幸せな食卓」  中原淳一クリックすると元のサイズで表示します

これは、どこかで紹介したかった本の一つです。
中原淳一の世界のなかに「料理」もあるのですが、これは長男監修により、中原淳一が「それいゆ」や「ひまわり」などの中で少女向けに連載していた料理の読み物を集めた本です。

戦争直後のものがほとんどなので、イラストのついたレシピにはしばしば「代用品」だとか「サッカリン」「食紅」などが出てきます。

また、表現も「メリケン粉」「チサ」(※レタスのことらしい・・チシャ菜)「ふくらし粉」とか、作り方も旧字体とか漢字が多く、時代を感じさせます。

現代で作るならきっと簡単だったり、もっといい材料を投入することもできるものがほとんどですが、このころの時代背景を考えたら
この本に出てくるものは、けして「当時の庶民のたべもの」という感じはしません。
むしろ、相当な上流階級のお嬢さんがお母様のお手伝いしつつ作るもの・・?というような。
また西洋の食材や調理法が浸透もしていないので、読んでいてその部分が、おもしろく感じます。
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中原淳一の世界のすべてにいえることは「少女のたしなみ」「品格」「お行儀のよさ」そして「生活を楽しむ」ことなんだろうなぁ。

戦中戦後でも、もののない時代でも「美しく」「きちんと」生活しましょう、というのがよくわかります。

料理だけでなく、エプロンの作り方とか正月の料理、こどもの日のパーティの提案なんかも掲載されています。

中原淳一の本を読むと、「きちんとした生活」とか「ほんとうに豊かなこと」とは何なんだろう・・・・といつも思いますね。 

今は、なんでもあるのに、何もしない・・・。 生活を大事にしない・・・・そういう気がしたり。



しかし・・・
こうして記事書いてて、気がついたけど・・なんか今回の本て
太田垣さん以外・・故人ばっかしやなぁ・・・・(^_^;)
(あ、牧山桂子はもちろん存命だけどさ)

ま、古きをあたためて新しきを知る、ということで。


オルボワーーーーー(^.^)/~~~

食べ物の本は、読めば読むほど飲み食いしたくなりますが、料理したくなるのとは、別・・な気がするアナタは→人気ブログランキングへポチっとしてから、料理もセンス勝負の世界です・・ってことを考えてみる。

料理は楽しい。食べるのも楽しい。








2008/11/14  22:10

投稿者:ツバッキー

◆あささん へええーー
>>夏目漱石特集に漱石が食べた洋食やお菓子あれこれ

そういうのが見たい見たいーー。
サライって年配向けですが、企画面白いの多いですよねー。

森茉莉の本にも、森鴎外の食べてたものあれこれ出てくるんですよ。
ドイツ時代に覚えたサラダとか・・。

お店のメニュー、すごくきれいに作ってあるのは、見てて楽しいですね。

http://moon.ap.teacup.com/tsubaki-net/

2008/11/14  22:08

投稿者:ツバッキー

◆たま吉さん おつまみ横丁は立ち読みしました。簡単メニューがたくさんでいいですね。

私は、レシピを見たいというよりも
作家とか、ひとんちの食卓を見たい・・って気持ちのほうが強いかもしれません。
へぇーー、こんな食事作るのか、この人・・とかそういう感覚。

キリンビール大学面白いですよねー。
太田垣さんのイラストが好きなので
この本楽しめました。


http://moon.ap.teacup.com/tsubaki-net/

2008/11/14  20:21

投稿者:あさ

つづけてすいません
昔、サライの夏目漱石特集に漱石が食べた洋食やお菓子あれこれ載っていて
いまだにそのページ読みます〜2冊買って一冊は売り場に置いて〜

2008/11/14  20:18

投稿者:あさ

食べるのは楽しい\(^o^)/
レシピを見ながら料理をした経験がいまだかつてありません
(しないけどできますよん…と言い訳汗)
が、わたしもお料理の本やレシピみるのだいすきです〜!
あとお店のメニューも写真きれいだと持ち帰りたいくらい

2008/11/14  15:05

投稿者:たま吉

はいはい、食いしん坊な私は大好きですよ、この手の本♪
キリンビール大学食学部のWEB連載も観ておりまし(^^ゞ
美容院でも料理のページばかり観ております(笑)
しっかり食事と、私のようにお酒が伴うものとでは
見るところが違うような気がします。

そうそう、話題になった「おつまみ横丁」を購入しましたよ(^_-)-☆

http://blue.ap.teacup.com/guretya-2/

2008/11/14  13:55

投稿者:ツバッキー

◆rokoさん 「次郎と正子」でしょ??
桂子は、やっぱり娘時代「普通じゃない・・」と思いながら大人になったんでしょうね(笑) 嫁入り支度も正子はしてくれない・・みたいな(-_-;)

この、白洲家の食卓の本でも、
やっぱ正子の頑固でわがままな部分がそこかしこに出てきますね。


向田邦子ーー。ありますねー!

あと、思い出したのですが小説なのですが田辺聖子の「春情・蛸の足」って小説が
食べ物モチーフになっていて、すごく面白いですよ。 大阪の、おいしいモンいっぱいでてきます。


http://moon.ap.teacup.com/tsubaki-net/

2008/11/14  13:51

投稿者:ツバッキー

◆はる吉さん むかーーしの料理の本、味わいあっていいですねぇー^^

うちも母の新婚時代の料理カードみたいなやつ、中学とか高校生の時見て、すごく面白かったんですが、今もあったらすごいなぁ・・・・内容も(笑)

絵本にでてくる料理のって
サンボのホットケーキとか載ってるやつですよね^^ かわいいですよね、あれ。

外国の料理絵本で、探してるのあって、
でも高い(プレミア)のです・・・・・。

http://moon.ap.teacup.com/tsubaki-net/

2008/11/14  8:11

投稿者:roko

おお、〜正子と次郎の娘、佳子は文章もなかなか一味あって、世間の二人のイメージをぶった切ってるのが面白いです。いいのか?ってくらいぶっちゃけているの(笑)
向田邦子も料理本でてますよね。
(ここにも最後に黒柳がでてきそう(笑))

http://sea.ap.teacup.com/cina/

2008/11/14  5:42

投稿者:はる吉

おおお(☆ω☆)
何故でしょう(笑)料理の載ってる本には
心奪われる私でございます(笑)
古い母親が娘ッ子時代のものもとってあります(笑)
あと絵本に出てくるお菓子の作り方とかまとめた本も出て
それも気になってます(笑)

http://akira0323.blog25.fc2.com/

2008/11/13  23:36

投稿者:ツバッキー

◆雪孔ちゃん あはは・・大学のオープンカレッジって誰でも行けるものだし、そんなエラいことではないんやけどね(^_^;)

やっぱし、今になってみて興味あることや嗜好が、はっきり見えてくるのもあるし
今の方がずっとピンポイントな勉強には向いてるんだろうとは思うーーー。
資格とるとか、ふかく研究するとかそういう趣旨の学科ではなくって、教養の範囲かな・・・という講義なんだけどさ。

うんうん、食育やらロハスやらナチュラルやらなにやらって、本当の本当は
もともと「やってきてるのがあたりまえ」のことで・・・・ことさら今、それを主張するのは私も疑問。

美しいもの見て、自然とか四季感じて・・あと自分の住んでる地方の「色」も感じてっての大事なことやんな・・・と。

そういう本ばっかではないんやけど、
私はいやしいので(笑)食べるものの出てる本はやっぱり好きで・・・・料理レシピの本!みたいなんはむしろ読まないんだよなぁ。

人様の家の食卓を見たい、って感じなんかも。

http://moon.ap.teacup.com/tsubaki-net/

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