庭の片隅に毎年、曼珠沙華の花が咲く。
子供の頃、花の下の茎を皮を残し交互に二センチ位に切り込みを入れ垂らし根元の方を手に持って、狐の提灯と言って遊んだりした。
曼珠沙華の提灯を持った狐の嫁入り行列を幻想して、子供ごころに大真面目でおままごと遊びをしていた。
彼岸の日お墓参りの道によく咲いていた。
「これは彼岸に咲くから彼岸花と言うのよ、死人花とも言うけれど」と母はサラッといった。
家の庭には敬遠されて彼岸花はなかったがその名のせいだろうか。
しかし不思議な花で花の時は花だけ、花は自分の葉を見得ない。
葉の時は葉だけ、葉は美しい自分の花を知らない。
とても運命的な気がする。
幼い時は茎と花だけの植物だと思っていた。
何時か新聞で中国に群生している白い曼珠沙華の写真を見た。
飢饉の時その球根を砕いて水に晒してアクを抜き澱粉を食したように書かれてあったと思う。飢饉の時、沖縄でもソテツの実をアクを抜き食した。



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