「必ず同窓会に来て下さいね。先輩が見えないと淋しいから」と年賀状に書かれたKさんの殺し文句に誘われて、ミッドランドスクエアの41階、吉兆に出かけた。
何時ものように松坂屋で10時半にHさんと待ち合わせた。駅前松坂屋は近々撤退する予定、百貨店の売り上げは不景気で激減し、大丸との合併が早まった。
「ミッドランドでお茶にしましょう」氷雨が降ってどんよりと暗い。
コートのえりを立てて信号を渡りミッドランドスクエアに入ると、華やかで快適で別世界だ。
時間が早くレストランやティルームも地下以外は開いていない。ズラリと行列が続いている店もあるが其処を避け、チョコレート入りのスコーンとコーヒーを注文して席に着き、久し振りの会話を楽しんだ。
吉兆に着くと、懐かしい顔ぶれが揃って賑やかだ。
吉兆も問題が有ったが、何も無かったように、器とマッチした美しいお料理で楽しませてくれる。
様々な話題が飛び交い、身内のような親しさと信頼を感じる。
縁は異なもの乙なものと言い、袖すり会うも多少の縁と言うが、総ての縁を絶って大都会の街角で孤独に生きる人、自殺する人、えにしとは何なのだろう。
出合う総てが縁だと思う。草木も動物も人々も。
他界した奥様に語りかけ、相談をし、勇気を貰い、社会活動を続ける佐藤修さんのブログを読んでいるが、触れあう事の出来ない人も心は深いえにし結ばれる。
NHKの無縁社会と言う番組を見ていた夫が、去年1年で32000人の身元不明の死者があった。地縁、血縁、最近は社縁(勤め先の縁)もない孤独な人が増えていると言うのだ。
一期一会と1度きり出合う人とも縁は存在する。
ある人は「縁と言うのは心の問題で、無縁社会と言う言葉は冷たい厭な言葉だ」といった。
無縁社会にはまり込んで行く人々に接触して助けようとしているボランティアの人々、団体もある。何が有ろうと縁を大切に、捨ててはいけない。


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