寒い冬の間消えてしまっていたニラの葉が13センチ位伸びてきた。
早速卵とじにしたが柔らかくて美味しい。20年の余にもなるだろうか、友達に頼まれて買った大津の土地へ行った時の事だった。
隣家へ挨拶にゆくと90歳をこえるお婆さんがおられ、話される度に強烈な臭いが流れてくる。
「お元気そうですね、健康の秘訣は何なのでしょう」と尋ねると
「綺麗な水と自然の恵み、そうそう今も食べたんじゃけど韮は何より良いですが、病気知らずでのう」と家の裏の土手を指した。
真っ直ぐ伸びた濃緑の葉と長い花枝の先に白い花を付けた植物があった。
一瞬ハッとした。素朴で清らかな少女が笑みを浮かべて佇んでいるような気がした。それが韮を知った最初だった。
清楚な白い花は多数の小花を小球状につけ、一つの小花は六枚の花びら、そして花が終わると六個の黒い実。
日当たりが良く、水はけの良い斜面は最適の場所で、自然に実生と株で増えて行ったのだろう。
その実は韮子と言って乾燥させて腰痛や頻尿の薬にするそうだ。
生葉は料理に用いると強壮や下痢止めによい。
根本から刈り取って、ニラレバ、餃子など様々つかって楽しむ。寒い冬を除いて一年中あるからとても経済的で、忙しい時のピンチヒッターになる。

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