錆びついた二本の前歯が 手招きしてる
アルミ箔を噛んだときの感覚が 奥歯に走る
錆しい
錆しい
寂ついたカラダ
さも今しがた土から帰ってきたみたいな笑顔で
さも世界に塩水はないとでも言いたげな口元で
しびれ、
原因不明の、
まさか、
いつも通る、広い通りに、ある日マメができた
マメを潰そうと ハリを炙ったら
黒ずんでそのまま 黒目を突き刺した
マメはタコになった
アンコウのオスみたいに 広い通りの一部になった
盲目の老人でもつまづかない程度の
ロードローラーのエンジン音をまねる鳥が 道端に倒れてる
羽根は もうない
盛りのついた猫の啼き声を
わが子の声だと言って聞かない母親の執拗さが
いとしく見えた

0