株価の下落が止まらない。
ここ2週間、日経平均で、約4000円から下がった訳で、正しく、『暴落』という言葉がピッタリだ。
こういう、下落傾向の時に、世間でよく聞くのが、
「株で儲けているような輩は、さぞかし困っているだろう…。」
「今まで、いい思いをしたんだから、当然の報いだ…。」
等…。
しかし、事は、そう単純でもない。
私の知り合いに、『空売り』専門の、個人投資家がいる。
『空売り』とは、ある銘柄が、「下がる…。」と判断した時に、証券会社から株を借りて売り、下がった所で、その銘柄を買い戻して差益を得ることをいう。
…で、彼、N氏(50代中頃)は、30年間、これ一筋で凌いできた、兵中の兵だ。
昨日、たまたま、N氏と顔を合わせる機会があった。
「最近どう?。」
なんて言葉から始まり、立ち話をしていると、
「軽く『飯』でも食べよう…。」
ということになった。
N氏は、まぁ、とにかく、話題が豊富な人だ。
『暴落』のことについても、様々な角度から分析して、これからの展望まで述べてくれる。
私は、展望については、別の見解を持っていたが、その信念あふれる説を、おとなしく聞いていた。
「…で、最近は、どうなんですか?。」
とても気になっていたので尋ねたところ、それまでの、『全世界を相手にしても、一歩も引かない…』ような表情を、ガラッと変えて、笑みをたたえながら言った。
「いやぁ〜ッ!?、儲って仕方がないよ。」
と…。
株式投資は、本質的には、博打と同じだと思う。
だから、N氏が、誉められた存在ではないとは思うものの、自分の判断と考え方を、金に替えて生きるような信念には、一目も二目も置かざるをえないように思う。
個人的には、今までの株価は、実態の経済状況を全く反映していない、作られた数値だったのではないかと、いつも思っていた。
トヨタが、過去最高益をあげようと、政府の景気観測が、上昇局面だ…、と言おうと、そんなものは、我々庶民の財布の中身とは、全く関係がないものだ。
結局のところ、お金がいっぱい集まる所の事情が、数字に反映されただけのことで、それ以上でも、それ以下でもない。
日本では、銀行の貸し渋りは、今に始まったことではないし、企業の倒産件数も、ちっとも減っていない。
つまり、ヨーロッパやアメリカは、日本と同じ苦しみを味わう条件になったから騒いでいる訳で、元から厳しい日本から見れば、大した問題ではない(それが証拠に、急激な円高になっている)。
株価が下がって、大変な人がいることも、よく理解しているつもりだ。
しかし、数字合わせに奔走しているだけでは、絶対に物事は好転しない。
他者が、同じように苦しんでいるのを見て、自分を振り返れるようになるには、良い機会だと思うのだが…、如何だろう。

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