2018/6/20

4481:ヒルクライム  

 柳沢峠の斜度はそれほど厳しいものではない。平均斜度は7%ぐらいであろうか・・・10%を超えるような厳しい斜度はほとんど顔を出さない。

 テンポ良くクランクを回し続けることができれば、一定のスピードを保っていけた。しかし、ここまですでに80km以上の距離を走ってきている。しかもその行程は上り基調であった。

 脚の余力はいつものヒルクライムの時よりもかなり少なくなっている。そのことは、柳沢峠の上りの後半ではっきりと表に現れてくる。

 左手に釣り堀をやり過ごしてから体感的に230ワットほどの強度で走ってきた。しばらくは順調に走っていけたが、距離が伸びてくるにしたがって、脚は重みを増していった。

 リーダーは残り5km程のところで前に出ていき、その背中は徐々に小さくなっていった。自分のペースをキープして、気持ちが切れないに心掛けながら、後半のコースを走っていった。

 残り2kmあたりでもう1名のメンバーが追いついてきて前に出た。Mt.富士ヒルクライムで1時間20分を切るタイムで走るメンバーなので、付いていくのは少々危険ではあったが、「付いていけるところまで行ってみるか・・・」と、しばしその背後に付いた。

 終盤に入ってきているので、前を行くメンバーのペースが上がった。今までの一定の負荷と違い、より大きな負荷が体と脚にかかった。

 その高い負荷により脚の筋肉の消耗具合は一気に高まった。すると、脚の筋肉が硬くなったかのような感じで強張った。

 柔軟性を失った筋肉は滑らかな運動を阻害する。クランクの回転がぎこちなくなってきた。斜度が上がるポイントでは前のメンバーとの間隔がすっと広がってしまう。

 そういったことが何度か繰り返されて、その差が徐々に広がってきた。視界の中には納まっているが、ラストスパートで追いつける射程距離からは随分と外れてしまっていた。

 遠い記憶をたどりながら、「確かゴール手前は、斜度が随分と緩やかになるはず・・・」と思った。そして、その景色を視界の先に求めた。

 歯を食いしばって上っていくと、峠の頂上が現実の世界として眼前に差し迫ってきた。力感の伴わないラストスパートをして、その最後の直線を駆け抜けた。

 柳沢峠の頂上には峠の茶屋があり、それほど広くはないが店の前に駐車場がある。その脇に東屋がある。

 東屋の傍にロードバイクを立てかけて、座り込んだ。かなり追い込んだヒルクラムとなったので、体が随分と疲弊していた。

 天気は晴天になっていた。御岳駅近くのコンビニで休憩した時には、空はどんよりとした曇り空で、思っていた以上に肌寒かったが、柳沢峠の頂上は正反対に晴れ渡っていた。

 強く降り注ぐ太陽光を直接受け続けていると暑くなってくるほどであった。峠の頂上を渡る風は、ここまで走り切った者を褒めたたえるかのように優しく吹き抜けていった。

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