2017/5/11

4077:工房  

 まだ、5月というのに夏日が続いている。BMW 523iに乗り込むと、むっとした暑い空気が出迎えた。エンジンを始動して、すぐさまエアコンを作動させた。しばらく走るとエアコンの効果から車内は涼しくなってくる。

 向かった先は都内某所である。二度目の入院をしていたのMarantz Model2の修理がようやく終わったとの連絡を受けたのは、先週末であった。

 Marantz Model2をビンテージオーディオショップで購入したのは2年ほど前のこと。購入してすぐにフルレストアに出した。

 このフルレストア作業がとても難航し、半年以上の時間が必要になった。ようやくフルレストア作業が終わり戻ってきたが、しばらくして不具合が発生した。

 そのため、再度入院したのである。その修理作業も当初予定していたよりもはるかに長い時間が必要になった。

 昨年末にはできるかと期待していたのであるが、結局年越しとなった、さらに3月末までにはと期待していたが、それもかなわず、結局5月に入ってから完了したのである。

 調布インターから中央道に乗った。道はやがて首都高速に入っていった。ナビどおりに首都高速から降りて、しばし一般道を走った。

 ビンテージオーディオ機器の修理を専門に行う工房は一人のマイスターにより細々と運営されている。都内のビルの一室がその工房の在処である。

 近くのコインパーキングに車を停めて、その工房が入っているビルに向かった。このビルに入るとのは、今日で四度目である。

 4階までエレベーターで上がって、そのフロアに幾つかある部屋の一つに向かった。そしてドアの横のインターホンの小さなボタンを押した。

 要件を伝えると、ドアが開いた。中に入り、ソファに座った。中は2部屋に別れていて、一方は試聴室で、もう一方は作業をするスペースのようである。

 試聴スペースには小ぶりなソファが置いてある。そこに座ると目の前にはTANNOYのGRFの雄姿がある。

 このGRFにはモニターゴールドが装着されている。エンクロージャーはオリジナルではなく、1970年代初めに「進工舎」が製作したものとのことであった。

 エンクロージャーは専門の木工所でレストアされているので、とても綺麗な状態である。まるで新品のような輝きを放っていた。

 リスニングポイントから見て左側には頑丈な棚があり、そこにはトーレンスのレコードプレーヤーとMarantz Model7が設置されていて、さらに修理を終えたばかりの私のMarzntz Model2も置かれていた。

 トーレンス TD-124にはオルトフォンのアームとSPUが装着されていた。Marantz Model7はウッドケースに綺麗に納まっていて、そのフロントパネルの色合いからすると初期型であると推測された。

 「お待たせして、すみませんでした。Model2はとても難しいアンプで・・・」

 と、この工房のオーナーであり、唯一の作業員でもある男性は言った。そしてコーヒーを出してくれた。コーヒーの良い香りがかすかな湯気とともに立ち上がった。

 隣の作業室は覗くことはできなかったが、8畳ほどの広さの試聴スペースは、清潔で整理整頓が隅々までいきわたっていた。




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