2012/5/26

2263:T3  

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 那須の風は心地良い涼しさであった。天気は良く、ウッドデッキでバーベキューをするのに最適な天候であった。

 今日は那須にあるサウンドデザインの試聴室で、オーディオ仲間が多数集まってのバーベキューパーティーに参加した。

 チューバホーンさんのお宅に朝の9時半に集まり、A氏さん、Shuksさん、seiboさんも加わって5名で那須に向かった。

 心配された渋滞もほとんどなく2時間ちょっとで到着。到着したときには、既におおかたの参加者が来られていた。

 早速、ビールやウーロン茶を飲みながら、バーベキューを楽しんだ。参加者の顔ぶれは様々・・・オーディオを趣味としているという共通点はあるが、年齢も職業も千差万別である。

 試聴室内では、PSD T3をSD05で駆動していた。送り出しはPCが使われていた。しかし、美味しいバーベキューにアルコール、そして尽きない話題に花が咲き、試聴室は比較的閑散としていた。

 私は斑目さんとのロードバイクについての話に時間を忘れ、Sさんとはゴルフのスウィング理論に関する話で盛り上がった。ほとんどオーディオに関する話は結果としてしなかった。

 楽しい時間は早く過ぎ去ってしまうもの・・・気付くと、帰宅すべき時間が迫ってきていた。「このまま帰ったら、バーべキューパーティーにのみに参加しただけで、終わってしまう。オーディオイベントでもあるので、少しは聴いたほうが良いか・・・」と思い、試聴室に入った。

 ログハウスの内部は気持が良いもの。木の優しい肌合いが目に馴染む。PSDのスピーカーのキャビネットの色合いは、このログハウスの雰囲気にぴったり。いろんなものが調和して、時間の流れは、ゆったりと感じられる。

 PCオーディオに関しては、まったくと言っていいほど知識も経験もない私は、試聴室に置かれたノートパソコンや様々な機器から、どのようにして音が出てくるのか全く分からなかった。

 ここ2日ほど、QUAD ESL989を目の当たりにしてきた私の目には、PSD T3がとてもコンパクトに見えた。そのT3は以前と同じように、整然とした音を放っていた。

 振り返ってみるとオーディオを趣味とするようになって6年の時間が経過した。その時間の経過のなかでSD05とPSD T3とも出会った。そしてどのような流れからか、QUADに辿りついていった。久しぶりにPSD T3の姿を目にして、短いながらも私のオーディオ歴にもそれなりの歴史があったな・・・と少々懐かしくその音をひと時の間愛でた。

2012/5/25

2262:浸透力  

 QUAD989は、リスニングルームのなかを優雅に泳ぐ熱帯魚のように、ゆっくりとその位置を変えた。背面の壁との距離は当初想定して距離よりもはるかに短いエリアを好んで泳いだ。

 二つの989の距離は絶え間なく変わった。ある時は近づき、ある時は離れた。しかし、時間の経過とともにおおむねセンター間で2m05cmほどのところでホバリングするようにその位置を定め始めた。

 狭い部屋なのでこの配置だと部屋の横幅をほぼ使い切るような形となる。内振りは若干の角度、10度程であろうか、がつけられ、わずかにこちらに視線を向けてくる。

 これがベストとは言い切れない。今後時間をかけて調整すべき項目であり、たった2日で結論を出すべきものではないのであろう。

 この配置であると、ESL独特の漂うような空間表現は出てくる。直線的な音の矢は飛んでこないので、ジャンルによっては向いていないものも当然ある。

 しかし、私のメインジャンルであるバロック音楽の場合、聴き心地が良い音の出方である。クラシックを聴いているかぎりにおいては帯域の不足感は感じられない。

 次は足元の調整である。床とスピーカーベースとの間に幾つかのインシュレーターを挟んでみた。金属系のもの、木質系のもの、幾つか試したところ黒檀の小さめのウッドブロックの印象が一番良かった。

 これも聴くジャンルによって向き不向きがあるように感じられた。金属系はジャズ・ロック・ポップスの場合強みを発揮する。音の際立ちがしっかりとして気持良いのである。

 木質系は音をマイルドにまとめ上げる。木質系でも黒檀のように比較的硬いものの場合、多少音をすっきりとさせて、バランスがとれているように感じられた。

 次にボードを活用するかどうかである。Chatsworthのセッティングの場合、カエデの集成材のボードを活用していた。

 今回もそれを使用するか否か・・・床とスピーカーの間にカエデボードを入れ、さらにボードとスピーカーベースの間に黒檀のウッドブロックを挟む。

 この状態で何曲か聴いた。「滲むというか、響くというか、画家が色を入れた後指でなぞってその色をぼやかすような感じで、音の余韻が伸びる・・・」

 これは一長一短あるが、バロック音楽の場合、ボードを入れた方が雰囲気が出る。オンマイクで録るジャンルの場合には向いていないかもしれないが、オフマイクで録るソフトの場合には相性が良いと感じられた。

 これで、おおむねのセッティングは決まった。もちろん様々な愛聴盤を聴いていくうちにスピーカーの位置は微妙に変化していくであろうし、足元を飾るアクセサリーも変更される可能性は大きい。

 しかし、今の段階ではこのセッティングでまずまずの線が出ているような気がする。ESLはおおむね部屋との協調関係がとれる位置を探りあてれば、それほど神経質なスピーカーではないのかもしれない。

 989の音はESLらしく伸びやかである。漂うようでいてよく聴くと細かな音情報も出ている。細密画的な音の表示は決してしない。微細な克明ではなく全体の俯瞰がしっかりと呈示される。その大きさゆえか低域に関しても不足感を感じることは全くない。もちろん不得手なジャンルは存在するが、私がメインで聴くジャンルに限って言えば、とても得意としているようである。

 私がもっとも数多く聴く曲の一つであるPergolesi「Stabat Mater」がとても心に沁み入る感じで、耳に入ってくる。「このスピーカー、浸透力があるな・・・」そんな言葉が自然と漏れ出てしまう。

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2012/5/24

2261:巴投げ  

 QUAD988と989の中古を探してみると、989のみ二つ見つかった。一つはVintage仕様。もう一つはBlack仕様である。

 Vintage仕様の方が優雅で好みではあったが、価格差が20万円。これではBlack仕様を選択した方が賢明というものであろう。価格は648,000円。現在の新品定価からするとリーズナブルに感じられた。

 ショップに電話で確認にしたところ、ユニットは全てロッキーインターナショナルで交換してもらったとのこと。ワンオーナー品で傷はない。「それなら安心かも・・・」ということで即決。

 そのQUAD989が昨日我が家に届いた。昨晩、箱から出して、リスニングルームに移動した。電源コードを接続しベース部の背面にある電源スイッチをONにした。

 「しばらく鳴らしていない場合には5時間以上通電してから鳴らしてください」と取り扱い説明書に書かれていたので、昨日は音出しはしなかった。 

 今晩はQUAD989の位置を調整しながら音出しすることにした。QUAD989は、背後の壁からは1mほど離した位置に置いてみた。背後の空間を十分に確保した方がコンデンサー型スピーカーにとっては良い、というのが定説であるからである。

 スピーカーの間隔はセンター・センターで2mほどに。ほんの若干内振り角度を付けた。この狭いリスニングルームではリスニングポイントとスピーカー位置とは結構近い。背が高いスピーカーであるので少々威圧感がある。

 「とりあえず、この辺で良いか・・・」という感じで置いてみた。コンデンサー型スピーカーは部屋との位置関係が大きくその音質に影響を与える。とりあえずの位置で嵌まることはまずない。「きっと思いっきりはずすだろうな・・・最初は・・・そんな雰囲気がプンプンする」

 「こいつ、巴投げをくらわす気だな・・・」そう思いながら、アンプの電源を入れて、CDプレーヤーのトレイにCDをセットした。そしてリモコンスイッチを押した。

 まずは、ベートーベンのピアノ協奏曲第3番第1楽章。「音がすかすかだ・・・しばらく鳴らしていないユニットがほぐれずに強張っているのかも・・・部屋との協調関係も薄いような・・・」

 スピーカーと後ろの壁との距離は1mほど・・・「空間が十分あった方が良い・・・とは思ったが、少し量感が足りないような気がする・・・もう少し壁に近づけよう・・・」

 スピーカー位置を調整し、曲を聴く。さらに調整して曲を聴く。そんなことを繰り返していくと、スピーカーは徐々に後ろの壁に近づいていった。結局後ろの壁から50cmほどまで後退した。

 部屋との関係が改善されたせいであろうか、ユニットがこなれてきたのか、真空管アンプが十分に温まってきたからであろうか、あるいはそれらの要素が複合したのであろうか、音に勢いと厚みが加わってきた。

 明日は、さらにその位置を調整をして、そのうえで現在床にべた置きであるスピーカーの足元をどうするか、といったことを詰めていく必要があるであろう。

2012/5/23

2260:漆黒の双璧  

 昨日は冬で、今日は夏であった。四季のはっきりしている日本であるが、一日違いで大きく季節が変わることが最近多いのは、やはり異常気象の現れなのであろうか・・・

 太陽からの熱を屋根が吸収して車のなかは暑かった。窓を開けて走っているだけではどうしても暑く、結局エアコンのスイッチをONにした。

 今日の午後、車で顧問先の会社に向かっている途中で、自宅から携帯に連絡が入った。「ものすごく大きな箱が二つ届いているけど、どうするの・・・」妻のいぶかしそうな声であった。

 「あっ・・・あれか・・・もう届いたのか・・・でもそんなに大きな箱なのであろうか・・・」と心のなかで思った。

 「とりあえず玄関に置いておいてもらって。着払いのはずだから、払っておいてね・・・」そう答えて、電話を切った。

 ひととおり仕事を済ませた後、家にたどり着いた。車を駐車場に停めて、家の玄関を開けると、その大きな物体は、二つ肩を寄せ合うようにして置かれていた。

 確かに大きい。その箱の中に入っている物体は重量はそれほど重くないはずであるが、まずは背が高い。そして横幅もそれなりにある。

 箱に入れるに当たっては、発泡スチロールで四つ角をしっかりと支え、そのうえで段ボールに入れるので、その箱の容積はそれなりに巨大になってしまう。

 その大きさを間近に見て「想像以上に大きいな・・・失敗であったであろうか・・・この大きさは少し持て余してしまうかもしれない・・・」そう思った。

 その大きさに多少怯んだが、「とりあえず開梱して、中身を確認しなければ・・・」と思い直して、カッターで段ボールを留めているビニールテープを切り開いた。

 そして、四隅を固定している発泡スチロールのいくつかを取り除き、その中の物体を箱から引きずり出した。

 一つが澄んだら、もう一つにとりかかる。ようやく2つの物体はその全容をさらした。これらの物体を覆っていた巨大な段ボールは一旦玄関から家の外へ出された。「これだけ大きいと裏庭の物置しか収納場所はないであろう・・・明日の朝にでも放り込んでおこう・・・」そう思った。

 二つの物体の色は漆黒である。飾りっ気のない色合いが、男性的である。それが二つ正面を向いて並ぶと「漆黒の双璧」と呼びたいような威容を誇る。

 高さは1335mmある。横幅は670mm。しかし、重量は23.5kgと軽量である。少々持ちづらいがひとりで運ぶことは十分可能な重さである。

 腰をかがめ、両手で持ちやすい場所を探して持ち上げた。そしてリスニングルームに運び込んだ。とりあえず今日は移動のみ。電源コードを壁コンセントに接続して、電源スイッチをONにした。取扱説明書には5時間以上通電してから使用するように注意書きしてあった。アンプにつなぐのは明日になるであろう・・・

2012/5/22

2259:メロンパン  

 5合目は、想像以上に寒かった。曇っていて太陽が全く顔を見せなかったことも影響しているのであろうが、防寒着を着ても体が震えるくらいであった。

 5合目で食料を補給し、疲れ切った体を休めた。5合目は多くの観光客が訪れていて、とても賑わっていた。いくつもの土産屋やレストランがあった。その一つに入り、ここの名物だという富士山の形をしたメロンパンを買った。土産屋では大きなストーブが焚かれていた。そのストーブの暖かさがとても嬉しかった。

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 名物の富士山メロンパンは1個250円と少々高いが、家族の土産に3個が箱に入ったものを買った。それとは別に、自分がここでが食べるためにばらで1個を買った。食べてみると、ふわっとして柔らかく、美味であった。人気商品のようで買うためには行列に並ぶ必要があった。

 体を十分に休ませた後にいよいよ下りである。隊列を組んで下り始めた。「やはり、寒い・・・」スピードが上がるとともに体が受ける風圧も上がってくる。その冷たい風はわずかに残った体の熱をも根こそぎ奪い去ってゆく。

 疲労成分が充満している足は、その寒さで攣りそうになる。ビンディングで足が固定されていなので下りは少々怖い。路面状況が悪いと、大きな振動がロードバイクを襲うが、その際足が踏ん張りきれないので、安定性に欠けるのである。

 下っていくにしたがって、気温が上がっていくのが分かる。2合目まで下ってくると寒さは収まってきた。北麓駐車場に着くころには、あの寒さは何だったんだろうというくらいに、暖かかった。

 北麓駐車場に着いたのは1時半ごろ。これから日帰り温泉で体を休める予定のメンバーと別れ、私は一路家を目指すことにした。「この時間に出れば、さすがの中央高速も渋滞はしていないはず・・・」そう思いながら、車のエンジンボタンを押した。乾いたエンジン音がした。しっかりとした感触のシートが疲れた体をいたわるように支えてくれるのが嬉しかった。

 サイクルシューズを忘れ、ゴール直前では「変なおじさん」につっかえ、下りの寒さのなかで足が攣りそうになったりと、いろんなことがあったMt.富士ヒルクライム事前走行会であった。

 体のあちこちには痛みが残っている。車のハンドルを握りながら、曇りがちの空に少しだけその威容を垣間見せている富士山を見つめた。

 「また、ここに来たい・・・とても辛い1時間45分であったが、またチャレンジしたい・・・」そう思わせる何かがここにはあった。

2012/5/21

2258:変なおじさん  

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 何人かのサイクリストに追い抜かれ、何人かのサイクリストを追い抜いた。ホビーローディーの場合、早い人は1時間10分程度で、そして遅い人は2時間以上かかる。私は遅いほうの部類に入るので、追い抜かれる方が多い。

 こんなスピードで24km上がりきれるのであろうか・・・と思うような凄いスピードで追い抜いて行く人もいる。

 他の人のペースに惑わされてしまうと、後半地獄に落ちるので、自分のペースを極力乱さないように、時間を細かくチェックしながら上がっていった。

 10Km経過地点でのタイムは42分であった。だいたい予定していた時間である。「良いペースで走れている・・・問題はこれからか・・・」そう思いながら、サイクルコンピューターを眺めた。

 10kmを経過したくらいから、体のあちこちが痛みだしてきた。まずはお尻。重力でお尻はサドルにきつめに押しつけられる。しびれるような痛みが襲ってくる。そして腰・・・こちらは鈍い痛み。そして当然足にも痛みが・・・ビンディングで固定されていないので足の負担はいつもより多めである。

 斜度がきつくなるともっとも軽いギアで、少し緩やかになるとギアを上げて、なるべく負荷が均一になるように走った。

 それでも時折急に心拍数が上がる。170程度で推移していた心拍数がいきなり200以上の数値を示し、そしてサイクルコンピューターの心拍数表示が消える。

 「えっ・・・故障かな・・・」と思ったが、確かに心臓が苦しい。「心臓の異常か・・・」と少々あわてる。深呼吸をしながらペダルの回転数を抑える。すると数分で落ち着いてくる。

 落ち着いてきてから恐る恐るまたペースを戻した。後半にこういったことが2度ほどあった。「もしかして心臓に疾患でもあるのであろうか・・・」少しいぶかしく思ったが、ペースを落とすと戻るので、単に負担をかけすぎた心臓が悲鳴をあげただけなのであろう。

 後半は様々な痛みや心臓が時折上げる悲鳴に苦しめられながらゆっくりと上がっていった。17kmあたりが本当に苦しかった。苦しさを紛らわせるために「自分は機械になったんだ・・・機械は痛みを感じない・・・」と言い聞かせながらクランクを無心に回す。

 20km地点でタイムは1時間30分であった。「最後4kmを15分で駆け抜ければ目標タイムの1時間45分・・・ゴール前には平坦なエリアがあるのでそのエリアを思いっきりペースアップしたら目標タイムを達成できる・・・」そう思ったら、急に元気が出てきた。

 ようやくゴール前の平坦部分に到着。ギアをグイッと上げてスピードアップ。「まだ体力が残っていたんだ・・・」と自分でも思いながら、風を切って疾駆した。

 そして最後の最後、ゴール直前の急斜面でアクシデントが生じた。5合目駐車場へ入りきれずに、観光客の車がその坂で長蛇の列を作っていた。

 それだけであれば車の列の横をすり抜けていけばいいのであるが、ロードバイク一台分しかスペースがないので、前を走っているロードバイクが遅いと抜けずにつっかえてしまうのである。

 私がそのエリアに突入したとき、こともあろうにママチャリであえぎあえぎ上っているおじさんにつっかえてしまった。「何だあのおじさん・・・」思わず心の中で叫んだ。

 何台かのロードバイクがつっかえてしまっていた。ここで思いっきりスローダウン。車との隙間を目ざとく見つけて、ようやくこの変なおじさんをパス。

 タイムロスした分を取り戻そうと、ラストスパート。ゴールしたところでタイムをチェック。「1時間45分18秒」であった。

2012/5/20

2257:富士スバルライン  

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 富士山北麓駐車場に着いたのは朝の8時頃であった。そこで、車からロードバイクを降ろし、サイクルウェアに着替えた。

 本番のMt.富士ヒルクライムまで2週間と迫っていたので、多くのサイクリストが試走のために訪れていた。

 天気は薄曇り。気温は比較的暖かい。アームカバーはいらなそうであるが、五合目まで登ると気温はぐっと下がるので、念のためにアームカバーは着けることにした。

 ロードバイクを整え、着替えも終わって、最後にシューズを履き換えようとたとき、私の顔色は青くなってしまった。

 「もしかして、忘れた・・・」車に積んだと思っていたサイクルシューズがどこにもない。朝早く起きて、多少頭がぼうとしていたのか、用意していたサイクルシューズを玄関に置き忘れてきたようであった。

 富士山を目の前にして気分は暗澹たるものになった。「うわ、大失敗・・・なんてこと・・・五合目からの下りはものすごく寒い、と聞いていたので、防寒着の用意の方に気を取られてしまった・・・これでは目標タイムのクリアは難しいか・・・」思わずそんな思いが頭をよぎる。

 「いまさらじたばたしてもしょうがない・・・履いてきたテニスシューズで上るしかない・・・」と腹を括った。テニスシューズでも漕げないわけではない。少々安定感に欠けるのと、ひき足が使えないので足には厳しい。

 ヒルクライムはそれほどスピードは出ない。ケイデンスの数値も比較的低い。「どうにかなるだろう・・・」ということで、予定通り走ることにした。

 富士北麓駐車場から富士スバルラインの料金所までは4kmほどある。そこをバイクルプラザR.T.のメンバーと一緒にゆっくりと上った。やはり足元が少々心許ない。

 本番は料金所の少し手前がスタートポイント。今回の事前走行会では料金所を通過したところからスタートする。

 事前の申告タイムに従って、遅いタイムのメンバーから順次スタートする。私は一度も走ったことがないので目標タイムの1時間45分を申告タイムとしていた。

 富士山山麓を吹く春の爽やかな風に乗って、いよいよ富士山五合目を目指してスタートした。サイクルシューズの件ではすっかり意気消沈してしまったが、始まってしまえば、それほど気にすることなく漕ぎつづけることができた。

 序盤はペースを抑え気味にゆっくりと上る。先は長い、とてつもなく・・・ヒルクライムを始めてもうすぐ1年になろうとしているが、今までに体験したことのない長い距離である。

2012/5/19

2256:スランプ  

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 明日は富士山へ向かう。Mt.富士ヒルクライムのコースを事前に走る走行会に参加する予定が入っているのである。富士スバルライン料金所から5合目までの24kmをロードバイクで上るのである。

 残念ながら本番のMt.富士ヒルクライムのエントリーには失敗してしまった。でも、今回の走行会に参加すると、とりあえず本番と同じコースを走れる。

 24kmもの長い距離のヒルクライムは初体験となる。体力がもつのか心配である。しかも、明日は上がりきったらすぐさま下って、家に直行というハードスケジュールである。

 明日に備えてというわけではないのであるが、今日はチューバホーンさんが経営する杉並区の「Pro・Fit」で整体を受けた。

 「Pro・Fit」に着くと、チューバホーンさんは開口一番「今、スランプなんですよ・・・オーディオが・・・」と少々浮かない顔であった。

 ということで、整体を受ける前に、そのスランプ状態を確認することに・・・2階のリスニングルームに向かった。

 リスニングルームに入りその様子を窺うと、3連のクワドラスパイアのラックの高さが「低・高・低」と変わっていた。前回は同じ高さで並んでいた。

 パワーアンプはスピーカーの間からラックの側に移動。スピーカーケーブルも変わっているようであった。さらにCDプレーヤーの下には黒いボードが据えられ、なんだか相当もがいている痕跡があちらこちらに・・・

 さて、その「スランプ状態」の音であるが・・・何曲か聴かせていただいて「確かに・・・何というか、うねりがない・・・躍動感が足りないような・・・中域の密度感が足らないのであろうか・・・低域の量感はある。硬めの高域が中域をマスキングしているのであろうか・・・」そんなことを頭で考えていた。

 「前回訪問時の時の方が印象が良い・・・ぱっと見はそれほど変わっていないのであるが、微妙な変化が、聴き心地を大きく変えたのであろうか・・・」

 オーディオは摩訶不思議な世界である。スランプの原因はすぐには分からないもの・・・一旦最初に戻り、一つ一つ検証するしか方法はないのかもしれない。ほっといて時間が経てば、良くなるなんてこともあるかもしれない。

 スランプ状態であることは確かなようであった。でも、スランプがあるからこそ、そこから抜けきった時の嬉しさもひときわなのかもしれない。

 2ケ月に1回は「Pro・Fit」で整体を受けている。2ケ月後には「すっかり良くなりました・・・」と、チューバホーンさんは相好を崩しているかもしれない。

2012/5/18

2255:リコール  

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 フォルクスワーゲンからPOLOのリコールに関するはがきが来たのは、4月であった。ようやくディーラーに修理に持っていくことができた。

 リコールの内容は過給機の制御機構の不具合と、トランスミッション制御コンピューターのプログラムに関するバグである。その補修に要する時間は1時間ほどとのこと。

 1時間は短いようで長い。ディーラーのソファーに座ってじっと待っていると、きっと眠くなってきてしまう。そこで、事前にPassatの試乗車が空いていたら30分ほど乗りたい旨伝えてあった。

 試乗車は二つあるグレードの上の方のHighlineであった。色はホワイト。Variantと呼ばれるステーションワゴンである。

 Passatはワゴンの比率が比較的高い。営業に方に訊くと販売台数の55%ほどがワゴンであるとのことであった。

 サイズは全長4,785mm全幅1,820mm全高1,530mm。Mercedes-Benz E350 Stationwagonと比べると若干サイズは小さくなるが、ぱっと見にはほぼ同じサイズに見える。

 エクステリアデザインは、質実剛健。シャープでスマート、落ち着いた質感でまとめられている。POLOと共通するデザインテイストは長い時間が経過したとしても古臭くならないはずである。

 その乗り味は、ドイツ車らしいしっかり感のある足回りがまず好印象。ボディーの剛性は相当に高められている。しっかりとした骨格に守られている感覚が安心感をもたらす。

 エンジン音やタイヤノイズはしっかりと抑えられている。エンジンやミッションの質感はPOLOのそれと共通するテイストである。

 1.4Lという排気量がにわかには信じられないぐらいにスムースなエンジンであり、街乗りにおいてはパワー不足を覚えることはなかった。

 アイドリングストップ機構も十分に練られたもので、ほとんど気になることなかった。これで低燃費に貢献しているなら、今後は全ての車種に導入すべき・・・そんな風に思える出来であった。

 サスペンションに関しては、若干ひょこひょこしたところもあるが、スピード域が上がるときっとフラット感が増すのであろう。シートの出来はまずまず。やや硬めの座面は長距離乗っても体の疲労が少ないだろうと想像できる。

 価格を考えるとその質感は恐ろしく高い。フォルクスワーゲンの底力を感じさせるPassatである。確かに華やかな雰囲気は足りないが、ドイツ本流的などっしりとした質実剛健さにはやはり魅力を感じる車である。

2012/5/17

2254:たられば  

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 ハーフの9ホールのうち、6ホールでパーがとれた。こんなことはめったにないことである。もしも残り3ホールが全てボギーであれば「39」である。たとえ、残り3ホールが全てダブルボギーであったとしても「42」。いずれであったも、私としてはとても良いスコアである。

 では現実はどうであったかというと、残り3ホールが全てトリプルボギーであった。しかも、いずれもOBを出してのトリプルボギーである。

 「こんなこともあるのか・・・前半のハーフはボギーが一つもない。パーかトリプルボギーだけなんて・・・きっとはじめての経験である・・・」そんなことを考えながら昼食休憩をとった。

 今日は、久々のゴルフである。場所は東京国際カントリークラブ。ここは比較的OBゾーンが近い。平均的な距離なあまりないので、ティーショットさえよければパーはとりやすい。

 心配された午後からの天気の急変もなく、穏やかな5月の好天のもと、ゴルフを楽しむことができた。芝の色合いも濃くなってきた。天気さえ良ければ一年で一番ゴルフを楽しめる時期である。

 前半は3つのOBを叩きながらも、6個のパーをとり「45」のスコアであった。「OBさえなければ・・・」という思いはあるが、ゴルフに「たられば」は禁物である。やはり、相変わらずドライバーショットの出来不出来の差が激しい。

 アイアンは切れていた。パターも3パットが1回もなく比較的安定している。あとはティーショットさえぶれなければ、後半も良いスコアが出る可能性が高い。

 期待感を持ちながら、後半に進んだ。しかし、課題のドライバーショットがどうしても安定しない。ナイスショットをすると目の覚めるようなボールがはるかかなたまで飛んでいき、2打目はウェッジというケースが何回かあった。

 しかし、ぶれるとOBゾーンにダイレクトに飛びこむ。後半もOB3発という痛手を被った。しかも前半と違い後半はパーが一つしか取れなかった。

 そうなると、OB3発の痛手を挽回することはできない。結局後半は「50」と叩いてしまった。「やはり課題はドライバーショットか・・・OBをいかに少なくするか・・・当分はドライバーの練習を集中的にしなければ・・・」収穫もあったが、課題が浮き彫りになったラウンドであった。 



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