2018/6/23

4484:月一ゴルフ  

 ヒレカツとシャトレーゼのデザートでお腹を十二分に満たしてから、後半のINコース向かった。空は曇り空のままであるが、多少明るくなってきた。天気予報通り雨の心配はないようであった。

 INコースの最初、10番ホールは412ヤードのパー4。距離があるミドルホールである。体が少し重くなったせいか、ドラーバーショットを引っ掛けてしまった。

 10番ホールの左側は下り斜面になっていて、ボールはその斜面を転がっていった。2打目はフェアウェイに戻すだけ。3打目でもグリーンに届かず、フォーオン・ツーパットのダブルボギーとなってしまった。

 INコースのスタートも、OUTコース同様、ダブルボギー発進となってしまった。やや出鼻をくじかれてしまったが、その後の二つのホールをボギーでしのいだ。

 13番ホールは339ヤードのミドルホール。ドライバーショットが良ければ十分パーが取れる可能性がある。

 しかし、気負ってしまったのか、ドライバーショットはだふってしまって200ヤードも飛ばなかった。

 気を取り直して打ったセカンドショットは珍しくグリーンを捉えた。しかもカップから2メートルほどの距離にボールはあった。

 滅多にないバーディーチャンスである。慎重に打ったバーディーパットはカップに向かったが、弱くなってから軽くフックした。カップの端をするっと舐めて、ボールはカップのすぐ近くに止まった。「惜しい・・・」思わず天を仰いだ。バディー外しのパーであった。

 続く14番ホールは173ヤードのショートホール。5番アイアンで打ったボールはグリーンの左側に外れた。

 そこから、ゆっくりとアプローチウェッジを振ってふわりと放ったボールはするするとグリーンを転がっていって、ピン手前30cmに付いた。OKパーとなった。

 13番、14番と連続パー・・・「後半はいけるかも・・・」と気を良くした。15番のロングホールは惜しいパーパットを外してボギー。

 16番は162ヤードのショートホール。ここは左右にOBエリアが潜んでいてティーグランドは立ちづらい。

 6番アイアンで放ったボールは左に引っかかった。左の木の枝に当たって右下に落ちて、ガードバンカーに入った。

 今日のバンカーの砂は昨晩の激しい雨で重かった。フェースを開いてサンドウェッジを振った。ボールはバンカーから出るには出たが、グリーンには届かなかった。

 結局このホールはダブルボギーとなった。これで16番まで終えて、パー二つ、ダブルボギー二つ、ボギー三つとなった。

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 もう一つパーが欲しかった。17番は492ヤードのロングホール。どうにかパーオンしたいところである。

 ドライバーショットは良い当たりであった。しかし続くセカンドショットはやや右に出てしまった。

 ボールは右のラフ深くにあった。落ちた場所が良くて、木が邪魔になることはなかった。ここからグリーンまでは80ヤードほど・・・アプローチショットで打った3打目は見事にグリーンにオンした。ここからツーパットでパーであった。

 最終18番ホールはドライバーショットをミスしたが、どうにかこうにかボギーで収めた。その結果、後半のINコースは「44」であった。トータルは「91」。私としてはまあまあと言えるスコアであった。

 月一ペースのゴルフで、練習場にも全く行っていないので、これが精一杯であろう。1ケ月前の5月の飯能ゴルフ倶楽部でのゴルフも同じ「91」であった。

 「週一ぐらいで練習場に行けば、90を切れるようになるのかな・・・」とも思ったが、まあそんなに甘いものではないであろう。 

2018/6/22

4483:曇り空  

 水曜日は梅雨らしく一日中雨が降った。その翌日にはゴルフの予定が入っていたので、天気予報が気になった。スマホで何度か確認すると、午前中の降水確率は30%で、午後は10%であった。「どうにか大丈夫かな・・・」と思っていた。

 当日の朝は、曇り空であった。雨は降ってはいなかった。6時半に自宅を後にした。向かった先は、東京国際ゴルフ倶楽部。

 ゴルフ場には8時前に到着した。スタート時間までは40分ほどあったので、練習グリーンでパター練習をした。昨日降った雨の影響もあり、グリーンは重めであった。

 スタートまで10分ほどになったので、OUTコースの1番ホールへ向かった。1番ホールは465ヤードのパー4。ミドルホールとしては異様に距離が長い。

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 ここはツーオンするのはとても難しい。スリーオンでのボギー狙いでいった。狙い通りスリーオンはしたが、ファーストパットが随分とショートしてしまい、スリーパットとなってしまった。

 残念ながら、ダブルボギー発進となった。続く2番はショートホール。距離は160ヤード。6番アイアンで打ったボールはグリーンの右手前に落ちた。ここからアプローチしたが、あまり寄らずにボギーであった。

 3番もボギー。4番は336ヤードのミドルホール。距離は短いが、左に引っ掛けるとOBジーンが近くに広がっていて、ちょっと嫌なホールである。

 ドライバーショットは良かったが、2打目がシャンク・・・右斜めに飛んでいった。この2打目のミスが響いて、二つ目のダブルボギーを献上した。リズムが悪くなりそうであった。

 5番ホールは494ヤードのロングホール。ドライバーショット、セカンドショットともまずまず、グリーンまでの残り距離は80ヤードほど・・・アプローチウェッジで打ったボールは見事にグリーンにオンした。ここはしっかりとパーオン・ツーパットでパーを取った。

 しかし、この5番ホールのパーが前半OUTコースでの唯一のパーとなった。7番ホールでもスリーパットしてしまい、OUTコース三つ目のダブルボギーを打ったため、前半のOUTコースは「47」であった。

 まあ、いつものようなスコアである。グリーンがいつもよりも重くて、なかなか距離感が合わなかった。パッティングがもう少し良ければ、ボギーペースでは回れたはずである。

 雨は降ってこなかった。午後も天気は大丈夫そうであった。空は灰色の雲が覆っていた。「晴れるよりも曇りの方が良いですね・・・暑くもなく、寒くもなくという感じで・・・」と同伴者と話した。

 昼食には「ヒレカツ御膳」を選択し、しっかりとカロリーを補給した。このゴルフ場は数年前に倒産し、郊外型洋菓子店を経営する「シャトレーゼ」が買い取った。

 そのため、レストランにはデザートしてシャトレーゼのお菓子が取り放題になっている。ヒレカツを胃袋に納めた後には、小さくカットされたシャトレーゼのデザートを皿一杯に取った。

2018/6/21

4482:170km  

 メンバーが全員柳沢峠を上り終えた。皆一様に「きつかった・・・」という表情をしていた。しばしの休息の後に恒例の記念撮影を済ませた。

 ウィンドブレーカーを着用して、長い下りに備えた。当初思っていたよりも気温は高かった。それでも下りでは風を強く受けるので、体温が奪われていく。

 ウィンドブレーカーをバタバタとなびかせるようにして下り始めた。まっすぐに下っていくときはスピードを増していき、カーブの手前でブレーキングして減速、曲がる方向にロードバイクを倒していってカーブを抜けていく。

 そういったことを何度も繰り返していった。やがて釣り堀の前を過ぎ去り、そして「おいらん淵」近くのトンネルを抜けていった。

 往路で休憩した「道の駅 たばやま」を通り過ぎると時折上り返しも挟まる。そこでは脚がすかすかであるので、ペースを維持するのに苦労した。それはメンバー全員が同じであった。

 奥多摩湖が見えてきた。往路とは逆に右手に湖面を見ながら走った。このエリアは下り基調であるので、アドレナリンに刺激されてついついペースが速くなりがちであるが、今日はしっかりとペースがコントロールされていた。

 奥多摩湖の駐車場で一息入れてから次なる休憩ポイントである古里駅そばのセブンイレブンを目指した。

 下りながら幾つものトンネルを抜けていき、しばし走った後にセブンイレブンに着いた。ここでしっかりとした補給食を摂った。

 私が選んだのは、「明太子と大葉の和風パスタ」。明太子を使い醤油で仕上げた和風パスタで、比較的さっぱりとした味わいであった。

 ここからはノンストップで走った。しっかりと補給できたので、ややペースは上がった。自宅に帰りついた時にサイコンを確認すると走行距離は170kmであった。

 普段のロングライドよりもかなり長い距離を走った。しかも、柳沢峠では相当に追い込んだ走りとなったので、体に刻み込まれた疲労感は相当に深いものとなった。

 シャワーですっかりと汗を流し去って、リビングのソファでくつろいでいると、疲労からか、その上半身の角度はだんだん緩やかなものになっていき、やがて3人掛けソファの座面にすっかりと横たわっていた。

2018/6/20

4481:ヒルクライム  

 柳沢峠の斜度はそれほど厳しいものではない。平均斜度は7%ぐらいであろうか・・・10%を超えるような厳しい斜度はほとんど顔を出さない。

 テンポ良くクランクを回し続けることができれば、一定のスピードを保っていけた。しかし、ここまですでに80km以上の距離を走ってきている。しかもその行程は上り基調であった。

 脚の余力はいつものヒルクライムの時よりもかなり少なくなっている。そのことは、柳沢峠の上りの後半ではっきりと表に現れてくる。

 左手に釣り堀をやり過ごしてから体感的に230ワットほどの強度で走ってきた。しばらくは順調に走っていけたが、距離が伸びてくるにしたがって、脚は重みを増していった。

 リーダーは残り5km程のところで前に出ていき、その背中は徐々に小さくなっていった。自分のペースをキープして、気持ちが切れないに心掛けながら、後半のコースを走っていった。

 残り2kmあたりでもう1名のメンバーが追いついてきて前に出た。Mt.富士ヒルクライムで1時間20分を切るタイムで走るメンバーなので、付いていくのは少々危険ではあったが、「付いていけるところまで行ってみるか・・・」と、しばしその背後に付いた。

 終盤に入ってきているので、前を行くメンバーのペースが上がった。今までの一定の負荷と違い、より大きな負荷が体と脚にかかった。

 その高い負荷により脚の筋肉の消耗具合は一気に高まった。すると、脚の筋肉が硬くなったかのような感じで強張った。

 柔軟性を失った筋肉は滑らかな運動を阻害する。クランクの回転がぎこちなくなってきた。斜度が上がるポイントでは前のメンバーとの間隔がすっと広がってしまう。

 そういったことが何度か繰り返されて、その差が徐々に広がってきた。視界の中には納まっているが、ラストスパートで追いつける射程距離からは随分と外れてしまっていた。

 遠い記憶をたどりながら、「確かゴール手前は、斜度が随分と緩やかになるはず・・・」と思った。そして、その景色を視界の先に求めた。

 歯を食いしばって上っていくと、峠の頂上が現実の世界として眼前に差し迫ってきた。力感の伴わないラストスパートをして、その最後の直線を駆け抜けた。

 柳沢峠の頂上には峠の茶屋があり、それほど広くはないが店の前に駐車場がある。その脇に東屋がある。

 東屋の傍にロードバイクを立てかけて、座り込んだ。かなり追い込んだヒルクラムとなったので、体が随分と疲弊していた。

 天気は晴天になっていた。御岳駅近くのコンビニで休憩した時には、空はどんよりとした曇り空で、思っていた以上に肌寒かったが、柳沢峠の頂上は正反対に晴れ渡っていた。

 強く降り注ぐ太陽光を直接受け続けていると暑くなってくるほどであった。峠の頂上を渡る風は、ここまで走り切った者を褒めたたえるかのように優しく吹き抜けていった。

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2018/6/19

4480:柳沢峠  

 縦に長い奥多摩湖の湖畔を走り抜けていった。奥多摩湖が見えなくなってくると、上り基調のアップダウンが長く続く。

 ここでは知らず知らずに脚の余力が削られていく。しばしの距離を上っていた後に下りが入るとほっとする。

 しかし、この下りは帰路では上り返しに変わる。「脚がまったくない状態での上り返しはきっとつらいにだろうな・・・」と思いながら風を切って走っていった。

 ようやく、「道の駅 たばやま」に着いた。天気は朝方のどんよりとした曇り空が信じられないくらいにすっきりと晴れてきた。

 サイクリストも結構来るようで、ここにはサイクルラックがある。そのサイクルラックにロードバイクをかけて、補給食を購入した。

 小ぎれいな売店には「鹿肉バーガー」と大きく書かれた垂れ幕があった。「鹿肉バーガーが・・・変わっているな・・・」と興味をそそられた。

 しかし、「1個700円」という価格を見て「ちょっと高いかな・・・」と少し引いてしまった。するとその下に「鹿肉チョリソーのブリトー」というものが目に入った。こっちは350円。なんだかリーズナブルに思えた。さらにその下には鹿肉入りのコロッケもあり、こちらは1個250円。

 そこでブリトーとコロッケを1個づつ購入した。二つで600円。とぢらも鹿肉というイメージからすると、癖はなく、いたって普通の美味しさであった。

 二つの鹿肉メニューで胃袋を補充してから、いよいよ柳沢峠へ向けて走り始めた。心霊スポットとして有名な「おいらん淵」近くのトンネルを越えた地点までは、隊列をキープしてじっくりと走った。

 トンネルの出口の近くで一旦止まって一息入れた。ここから柳沢峠の頂上まで約10kmほど上る。3名のメンバーが先行スタートしていった。

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 後発スタートの5名は、その数分後にゆっくりと出発した。上りの距離はまだまだ長い。序盤は脚にそれほどの負荷をかけずに走っていった。パワーは200ワット以下の感じ。斜度はそれほど厳しくない。

 ほぼ同じペースで走っていった。後発組の先頭を引く形で進んでいくと、釣り堀が左手に見えてくるあたりで、先行スタート組に追いついた。

 この釣り堀から頂上までは、まだ7kmほどある。この釣り堀から負荷を上げた。パワーは230ワットほどであろうか・・・パワーメーターが作動していないため、サイコンにはパワーの数値が表示されていない。体感的に「このくらいかな・・・」という感じでクランクを回すペースを調整した。

2018/6/18

4479:奥多摩湖  

 JR青梅線に沿って走る道を西へ走った。空は灰色のままで、路面は所々濡れていた。気温は期待していたものよりは随分と低かった。

 このルートを通る場合いつも休憩する御嶽駅そばのセブンイレブンに着いた。トイレを済ませて、補給食を選択した。店の脇にある休憩コーナーの椅子に座って、補給食を摂った。

 「肌寒い・・・ここでこれくらい寒いなら、標高が高い柳沢峠の頂上ではもっと寒いのかも・・・下りは寒さで凍えることになりそうだ・・・」

 そんなことを思った。防寒着としてはウィンドブレーカーをサイクルジャージの背面ポケットに入れてきていたが、それだけではそれほど役に立たないのでは、と危惧した。

 コンビニ休憩を済ませて、次なる中継ポイントである奥多摩湖を目指した。所要のため早めに帰る必要があった一人のメンバーがここで離脱したために8両編成となったトレインで走っていった。

 「将門」の交差点で左折して城山トンネルに向かった。城山トンネルを皮切りに奥多摩湖までは幾つものトンネルを通り過ぎていく。

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 トンネルを幾つか通り過ぎていくと、道は緩やかに上っていく。斜度は緩めであるのでペースを抑えて走れば、それほどの負荷はかからないが、体の発熱量はあきらかに増えていった。

 トンネルを通り過ぎるごとに肌寒く感じていた体は熱くなっていき、そして空を覆っていた雲が途切れ始めてきた。

 奥多摩湖に着くころには体は汗ばみ、そして青空が見え始めてきた。「あれ、晴れてきた・・・」と嬉しくなった。

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 奥多摩湖は穏やかな表情を見せていた。その湖面を眺めながら、駐車場まで走っていって、そこで休憩をした。

 ここの駐車場は旧車マニアが集まることで有名で、今日もそれらしい車が数台停まっていた。車だけでなく、バイクも古い時代のものがあった。

 「こういう古いもののコンディションを保つのはきっと大変だろうな・・・」と思いつつ、眺めた。

 天気が良くなってきたので、皆の表情は安心したものになった。次なる中継ポイントは、「道の駅 たばやま」である。

2018/6/17

4478:VALEGRO  

 今日は第三日曜日である。第三日曜日は普段のロングライドよりも長めの距離を走る。昨日の土曜日に、以前発注していたKASKのヘルメットを受け取りにバイクルプラザに行くと、「明日は柳沢峠に行こうかと思っているんです・・・」とリーダーが話していた。

 なので、今朝の7時にKuota Khanに跨って自宅を後にした時には「今日は柳沢峠か・・・結構長い距離だから・・・ペース配分をしっかりとしないと・・・」と思いながら走っていった。

 ヘルメットは今日から新しいものになった。KASKのVALEGROである。色はホワイト。従来から使ていたUVEXのものと比べると30gほど軽くなった。

 「30gだから大差ないか・・・」と思っていたが、昨日試しに箱から出して手に持ってみると「軽い・・・」とその差が実感された。

 その軽くなったヘルメットを装着して集合場所であるバイクルプラザに向かって走っていった。天気は曇りであった。

 天気予報は悪いものではなかった。午後は晴れるとの予報であったが、朝のうちは灰色の雲が空を覆いつくしていて、気温も低めであった。

 バイクルプラザに到着した。すると、メンバーの一人が集合場所に向かっている途中のカーブで落車したとのことで、痛々しい傷跡が見えていて、レーサーパンツも破れていた。

 そこで、そのメンバーは一旦家に帰り、着替えたうえで傷の手当てをし、東大和市のセブンイレブンで合流することとなった。

 残りのメンバーはしばしの談笑の後、隊列を形成して走り始めた。やはり朝のうちは空気が冷たく肌寒かった。

 しばし走って、東大和市のセブンイレブンに到着した。私はここで店内に入っていってボタン電池を購入した。

 実はSTAGESのパワーメーターが作動しなくなっていた。電池を入れる蓋のゴムリングが以前からなくなっていて、先週のMt.富士ヒルクライムの下りの雨で浸水してしまったようであった。

 とりあえず電池を交換した。すると作動し始めた。しかし、結局この後すぐにまた消えてしまった。どうやら修理に出すしかないようである。

 しばし待っていると、レーサーパンツを履き替えて怪我の手当てを済ませたメンバーが合流した。

 9台のロードバイクは、再度隊列を組み直して、旧青梅街道を走った。そして、岩倉街道に入った。圏央道の青梅インターの下をクランク状に潜ってからすぐの「今井馬場崎」を左折した。

 青梅方面へ向かった。トレインは順調に走っていったが、体はあまり暖まらなかった。「天気予報が外れたのかな・・・」と思いながら、依然灰色のしっかりとした雲が覆いつくしている空を眺めた。

 JR青梅線の踏切を渡り、線路に沿って平行に走る道を走った。古い商店街を抜けていくと、道は穏やかな田舎道に変わっていった。

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2018/6/16

4477:Mito  

 トヨタ ハイエースの助手席に座った。「じゃあ、行きますか・・・」小暮さんはそう軽く言って、車をスタートさせた。

 しばらく走っていると、「彼女似てたよね・・・誰だっけかな・・・女優で・・・昔からいる・・・ちょっとつかみどころない感じの・・・」と小暮さんが、喉に何かがつっかかっているような感じで話した。

 「えっ・・・誰ですか・・・誰かに似ていましたか・・・?」

 「似てた・・・若い頃は結構美人だったんじゃないかな、彼女・・・しかし、誰だったかな・・・顔は思い浮かぶんだけど・・・名前が出てこなくて・・・」

 「もしかして、大塚寧々ですか・・・?」

 「そうそう、それそれ・・・大塚寧々だよ・・・今でもたまにテレビで観るよね・・・脇役で・・・ちょっと似てたよね・・・」

 「そうですか・・・そういわれてみるとそんな感じがしますね・・・」

 車は新青梅街道に入り、片側2車線の広い道路を走った。このハイエースはディーゼルエンジンを搭載しているようで、ディーゼルらしい乾いたエンジン音を奏でていた。

 「そういえば、POLO買い替えたの・・・?」
 
 「いえ、まだです・・・新型のPOLOにしようかなって思ったんですが、まだ踏ん切りがつかなくて・・・」

 「そう、じゃあ、今度はちょっと毛色の変わったものにしてみれば・・・POLOじゃ正統派すぎるから・・・」

 「毛色の変わったものですか・・・例えば・・・?」

 「そうね・・・シトロエン C3とか、プジョー 208とか・・・あとアルファロメオなんかどうかな・・・ちょっと車格が上がっちゃうけど、ジュリエッタとか・・・思いっきり変化球でボルボ XC40とかどう・・・?最近はやりのSUVだし・・・」

 「ボルボ XC40ですか・・・あれは確かにボルボとしては大胆というかポップなデザインですよね・・・日本でもきっと売れるでしょう・・・それにしてもコンパクトSUVは今一番ホットなジャンルですよね・・・フォルクスワーゲンも今度新しモデルを出すそうですよ・・・」

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 「そういえば、あの家の駐車場に停まっていたよね・・・アルファロメオ・・・」

 「Mitoですよね・・・黒のMito・・・」

 「そう、ちょっとぞくっとくる車だよね・・・基本設計は随分と古いはずだけど・・・イタリアデザインは全然古く感じない・・・」

 「あのデザインは良いデザインですよね・・・」

 黒のMitoの風貌を目に浮かべた。それはどこかしら捉えどころのない雰囲気を有している。そして、彼女もまた同様な雰囲気を相変わらず有していた。 

2018/6/15

4476:引取り  

 「随分と広くなりましたね・・・」

 私は、オーディオ機器がすっかりと取り払われたリビングルームを見渡して、つぶやいた。

 トールボーイタイプのスピーカーが両サイドに置かれ、そのセンター位置に設置されていたラックには、レコードプレーヤ-とプリンプとパワーアンプが綺麗に縦に並んでいた。

 オーディオセットの設置方法としてはオーソドックスに纏められていたが、その占有していた空間が思っていたよりも広いものであったことは、その存在が亡くなった今では、はっきりと分かった。

 それらのオーディオ機器は、小暮さんが借りてきたトヨタ ハイエースの広大な荷室に綺麗に収まり、彼女のリビングルームはその本来の役割に徹する空間に戻った。

 オーディオ機器はスピーカーも含めてすべて元箱が保管されていたので、小暮さんと私で慎重に元箱に納められて搬出された。

 巨大なものや、恐ろしく重いものは含まれていなかったので、思っていたよりも作業は順調に進んだ。

 2階の「レコード部屋」に収納されていたレコードは一足先にすべて引き取られていったので、亡くなった彼女の夫が、大切にしてきた「宝物」達はすべて、この家からなくなったことになる。

 レコードはディスクユニオンが2週間ほど前に引き取っていった。後日送られてきた明細表によるとその総枚数は13,425枚であった。そして買取価格は4,363,125円であった。1枚当たりの平均価格は325円ということになる。

 さらにオーディオ機器一式の買い取り価格は、4社の買い取り業者から出されたうちでもっとも高い査定額であった850,000円で、小暮さんが引き取ることになった。

 小暮さんはこれらをすべてヤフオクで捌く予定である。おそらくその利益は70万円から90万円ぐらいにはなるであろう。

 Oracle DELPHI5、OCTAVE HP-300SE、OCTAVE RE280 MK2、そしてRaidoh Acousitcs AYRA C-2・・・これらのオーディオ機器は、すべて状態も良く、根強い人気もあるはずなので、ある程度以上の値段では落札されることが予想されていた。

 レコードとオーディオ機器を処分して500万円を超えた。彼女はその金額に少々驚いているかのようであった。

 「こんなになるんですね・・・予想外でした・・・」

 彼女は、そう言った。

 「実はこれも相続財産になるんです・・・つまり相続税の対象になるんです・・・」

 「そうでしょうね・・・この金額ですから・・・」

 「きっと申告しない人も結構いるでしょうが・・・振り込まれた金額が通帳に記録されていますので、正直に申告したほうが良いでしょう・・・」

 「もちろん、そうしてください・・・」

 「分割協議書や、相続税の申告書は今月中にできますので、改めて連絡してお邪魔します・・・それはそうと、まだ乗っているんですね・・・Mito・・・」

 私は彼女の表情の変化を窺いながら、気になっていることを訊いてみた。

 「ええ、でももう買い替えます・・・たくさんのお金も入ったことですし・・・」

 彼女は、からっとした表情でそう言った。

 「で・・・次は何にしますか・・・?」

 「Giuliettaにしようかと・・・」

 「ああ、良いですね・・・あのイタリア感は半端ないですからね・・・色は・・・?」

 「やはり、白でしょうか・・・清楚な白・・・」

 彼女の唇はその両端がかすかに上に上がった。そしてその瞳の色合いには、清楚な白というイメージとは相容れないかすかな光が広がった。

2018/6/14

4475:下山  

 チームメンバー全員が走り終えた。周囲は霧で煙っていたが、雨は降っていなかった。「このまま、雨に降られずに下山できるかもしれない・・・」そんな淡い期待を抱いていた。

 富士山は望めなかったが、恒例の記念撮影を済ませて、下山することになった。下山スタート地点は多くの参加者が並んでいて、渋滞していた。

 そのためすぐには下山できずにしばし待たされることになった。体が随分と冷えてきていたので、早く標高の低いエリアに行きたいところであったが、ここはじっと我慢するしかなかった。

 下山は霧で白く煙り、視界が悪いなか、スピードを抑えながら始まった。昨年は下山時の落車事故を2件見かけた。自分がそういった目に合わないように慎重に下っていった。

 ようやく樹海台駐車場に到着した。長い時間ブレーキを頻繁に使ってきたので、手や腕さらに肩が随分と疲れていた。

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 樹海台駐車場には公衆トイレもあるので、トイレを済ませた。一息入れた後、さらに下り始めた。

 樹海台駐車場を後にして間もなく雨が降り始めた。その勢いはすぐに本降りになった。路面には水が溜まり、前を走るメンバーのロードバイクの後輪が跳ね上げる水が飛んでくる。

 コンディションは一気に悪化した。サングラスにあたる雨が、もともと霧で悪かった視界をさらに悪いものにした。

 自分のロードバイクの後輪が跳ね上げる水がレーサーパンツのお尻のところを直撃してくるので冷たい。

 雨で濡れネズミ状態になってようやくスタート会場地点にまで戻ってきた。会場に着くと雨は小降りになった。

 計測チップを返却して、完走証とフィニッシャーリングをもらいに行った。ヘルメットに貼られたシールに記載されたナンバーを見せると、プリントアウトされた完走証とブロンズ色のフィニッシャーリングをもらった。

 完走証に記載されたタイムを確認すると「1時間22分59秒80」とあった。手元のサイコンで計測したタイムは1時間23分00秒であったので、なんだか「オマケ」をもらったような気がして頬が緩んだ。

 ほんのわずかとはいえ1時間23分を切り、1時間22分台のタイムであったことは、頑張った自分へのささやかなご褒美のような気がした。

 その後、参加者に無料で振舞われる「吉田うどん」を食べてから、宿の駐車場へ向かった。雨は止んでいた。

 宿の駐車場に着いて、雨で汚れたロードバイクを綺麗にしてから、車の中に収納した。そして宿の風呂場の脱衣場で濡れたサイクルウェアを脱いで乾いた衣服に着替えた。

 この後は皆で日帰り温泉施設である「紅富士の湯」に向かった。暖かい温泉に浸かって、疲れ切った体を癒した。

 のんびりと湯に浸かっていると、今年のMt.富士ヒルクライムが終わったことが実感された。結果が良かったので嬉しかったが、終わってしまったことが少し寂しいような気がした。



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