王道の狗  アニメ・漫画

唐突ですが、漫画を紹介します。安彦良和氏の「王道の狗(いぬ)」です。

王道の狗 (1) (JETS COMICS (4221))
安彦 良和
白泉社

ミスターマガジンKC版(講談社)とJETS COMICS版(白泉社)がありますが、今読むならJETS COMICS版がいいと思います。というのも、ボクもJETS COMICS版4巻のあとがきを読んで知ったのですが、連載していたミスターマガジンが廃刊になるということで連載後半はかなり駆け足で物語を詰め込んだらしいのです。それを白泉社から再販するにあたり、かなり加筆させてもらったのだとか。

「王道の狗」は、日清戦争前後の日本と周辺諸国を舞台にした物語です。史実に基づいてはいますが、ストーリーテラーとしての主人公・加納の存在はフィクションであり、安彦氏の独自の解釈を多分に含んでいると思われます。
フィクションとはいえ、勝海舟や孫文など実在の人物と加納とのやり取りが、歴史好きには堪らないものがあります。

戦争漫画というよりは戦争を画策する政界の人々と、裏の人間でありながら表に立って行動する加納を描いた大河ドラマと言えます。政治の話は少し難しいのですが、加納の成長物語としてはとても楽しめました。

そして1番面白かったのは、前述の4巻のあとがきです。
かつて安彦氏は「虹色のトロツキー」という歴史漫画を描いていました。その作品がある日のBSマンガ夜話で取り上げられたらしいのです。その時にいしかわじゅん氏に酷評をかったことに対して、このあとがきで反論しているのです。
いしかわ氏は、安彦さんは動きの描けない漫画家だと言ったのだそうです。しかしボクがこれまで読んできた安彦氏の漫画は、気持ちが悪いほど動きの見える漫画に思えました。コマ割りに気を遣い、吹き出しからは今にも声が聞こえてきそうなのです。ああ、これがアニメーターの描く漫画なんだなと感心したものです。
安彦氏も元アニメーターとしての自負があり、動きが描けないと言われたことに対して少なからず怒りを覚えたようです。それを自分の作品のあとがきに掲載してしまうのは、なんともかわいらしいですね。大人げないとも言えますが(笑) しかしこのあとがきを読んで、これまでよりさらに安彦良和が好きになりました。

ちなみに2005年に書かれたあとがきです。明治時代を描いた「王道の狗」と昭和10年代を描いた「虹色のトロツキー」。それらの中間に位置する作品を描いてみたいのだけれど、面倒な長い仕事やらを抱えてしまって描けないのだとか(笑) 某ガンダム雑誌の某漫画のことですね(笑) あれも壮大な大河ドラマだからなぁ。

とはいえ、ガンダムで漫画家人生を終えて欲しくはないなと思っていたので、ガンダム以降の氏の活躍にも期待しています。



2009/6/19  12:13

投稿者:bonjovi

感じ方は人それぞれだからね、どっちが正しいとかはないよな。
バガボンドは読んだことないから分からんけど、スラムダンクの後期の絵についてだったらいしかわじゅんの言いたいことは分かる気がする。
でもあれは狙ってやってるようだから批判するのとは違う感じがするけどね。

2009/6/19  9:38

投稿者:takao247

そうかぁ。
ま、絵に関してはオレには良く分からないけど、いしかわ氏はちょくちょく漫画における絵の動きに付いて語るよね。
漫画なんだから、絵だけじゃなくてコマ割りでそれを表現しても良いと思うんだよね。
そういう意味ではいしかわ氏の発言はオレには良く分からないものだったよ。
井上和彦の絵にも動きが無いんだってさ。
とくにバガボンドは。

2009/6/19  4:26

投稿者:bonjovi

いしかわじゅんはあまり好きではないけれど、その意見には激しく同意(・∀・)

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