昨年の公開時、「これはぜひ映画館で観たい」と思いつつ、気がついたら公開終了になっていてチャンスを逃し、今回ビデオを借りてきました。
J.T.リロイという人の自伝的小説の映画化作品です。
主演&監督&脚本はアーシア・アルジェント。
ドラッグやセックスに溺れ、乱れた生活から抜け出せない娼婦の母親と、その母親に愛されたくて、不幸な生活の中にはあるけれど母親と離れられない子供のお話です。
正直、観ていて楽しいものでも嬉しいものでもありません。
子供であるJ.T.リロイは、精神的にも肉体的にも性的にも虐待されるわけで、監督のアーシアは、原作にある暴力的な表現を、できるだけ映画上では隠喩を用いて表現しますが、それでもつらいシーンばかりです。
おねしょをして、母親の恋人に鞭でぶたれるシーンは、思わず耳をふさぎたくなりました。
子供って、自分で環境をかえることもできないし、終始受身的な存在なんですよね。
だから、子供の生活や幸福というのは、親と環境によって決まってしまう。
でも、子供にとっては母親という存在は特別なんですよね。
それがまた悲劇の原因であるというか。
母親役のアーシアの演技はすごくて、どうしようもないダメ女の雰囲気が体中から発せられていて、最後にドラッグでおかしくなっていくところも、悲しいくらい自然でした。。
監督でもあるアーシアの才能ってすごいです。
彼女にはじめて注目したのは『ドーン・オブ・ザ・デッド』でしたが、『ザ・キーパー』や今回の作品でますます好きになりました。
今後も注目の女優さんです。
所謂ミニシアター系の作品だとは思うんですが、原作者のJ.Tリロイがハリウッドのスーパースターから絶大の人気を誇るせいか、ピーター・フォンダやウィノーナ・ライダー、マリリン・マンソンが出演しています。
「この人、ウィノーナに似てるなぁ」とは思ったんですが、まさか本人だとは。。
なんかすごいおばさんになったなぁ…という感じです。
それに、マリリン・マンソンの素顔ってはじめて見たので、彼だとは気づきませんでした。
「マリリン・マンソンってメイクとったらブサイクだろうな〜」と前々から思っていましたが、思っていたほどにはブサイクじゃなかったです(爆)
母親のサラが息子にメイクを施すシーンがとても心に残りました。
その時の息子の表情…それが、その後に起こる悲劇と、男娼として生活していく人生を象徴するかのようです。
人は、なんでこんなに不器用にしか生きられないんだろう…。