読売新聞
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ベルリンの壁崩壊、20周年を前に記念式典
【ベルリン=三好範英】11月9日のベルリンの壁崩壊20周年を前に31日、冷戦終結の主役たちが集まり、記念式典「壁崩壊と再統一(ドイツ統一)――自由の勝利」がベルリンで開かれた。
独与党キリスト教民主同盟(CDU)系の研究財団「コンラート・アデナウアー財団」が主催。壁崩壊からドイツ統一実現に大きな役割を果たしたブッシュ元米大統領、ゴルバチョフ元ソ連共産党書記長、コール元独首相の3人が壇上に並び、発言した。
コール氏は「ブッシュ、ゴルバチョフ氏を最も信頼していた。両氏と仕事が出来て幸運だった」と回想した。
(2009年10月31日22時46分 読売新聞)
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あれからもう20年、というのは、信じられない感じである。正直に言うと、自分の感覚の中では、「ベルリンの壁」以前の方が、それ以降よりも、もっとリアリティがある。恐らく、自分自身の頭の中の「冷戦構造」が簡単には崩れていないせいだろう。
それは、実際にドイツに住む人々にとっても、似たようなことがあるのかも知れない。最近見たテレビの番組だが、東ドイツにあるブルーノ・タウトが設計した集合住宅が「世界遺産」になっていて、それを紹介するというものがあった。その住宅は、ドイツが急速に工業化・都市化を果たして、都会での住環境が劣悪であることへの回答として、この建築家が提案し、実現した、森を思わせるほど広大な中庭をスタジアムのように取り囲む巨大な環状のアパートである。
さて、現在も現役で使用されているそのアパートでは、しばしば庭で隣人たちがパーティなどを開くのであるが、旧東独系の住人と、新たに入って来た旧西独系の住人たちの社会感覚の差が、いまだに払拭されず、隣人関係に重荷になっている、と番組では紹介していた。東独系の古い住人は、西独系の人々を打算的で功利的と思うし、逆に西独の人は、東独の人間を野暮で頭が固い、と感じる。
長い間、隔離され、異なる教育体系で育った人々同士が打ち解けあうのは時間が掛かる。20年と言っても、まだ20年しか経っていないのである。本当の統一は、何世代も掛けて、互いの相違を認め合う、ちょっと窮屈な状態を続けないと、実現しないものなのであろう。

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