いつか書こうと思っていて、今まで書く機会がなかったのが、今年の楽天イーグルスである。結論から言うと、今シーズンの成績はパ・リーグで2位となり、クライマックス・シリーズでは3位だったソフトバンクに勝ち、リーグ優勝の日本ハムと戦ったのだが、あえなく敗れ、その結果、今週末からはじまる日本リーグは、巨人vs日本ハムの間で争われることになった。
楽天という球団の出発が、面白い。数年前に、改革路線の追い風を受けて突っ走っていたオリックス社は、野球も改革すべきだと主張し、経営不振となった近鉄を買収すると発表した。すなわち、オリックスという球団と近鉄という球団を合併させようと言うのである。それに呼応して、巨人軍のナベツネ氏が、セ・リーグとパ・リーグの大連立構想を語るなど、改革ムードが一挙に高まった。しかし、結局、世論は同調せず、球団数が減少するパ・リーグには、その穴を埋めるように楽天が新球団が設立されたのである。この時、ライブドアもまた新球団の設立を申請したが却下され、楽天のみが選ばれたことは、その後の企業の盛衰を見れば、幸いだったということになる。
さて、オリックスは、それまでのオリックスと近鉄からベスト・メンバーを集めて新球団を作ったのであり、楽天は、そこであぶれた選手たちを主要メンバーとして発足することになった。つまり、オリックスが「勝ち組」で、楽天ははじめから「負け組」の扱いだった。
ところが、その後の両球団の成績を見てみると、2005年がオリックス4位、楽天6位。2006年ではオリックス5位、楽天6位。2007年になるとオリックス6位、楽天4位。2008年にオリックス2位、楽天5位。そして、2009年ではオリックス6位、楽天2位となったのである。
楽天を見ると、最初の2年間は最下位だが、その後、テイク・オフをして、今年は大いに活躍した。一方のオリックスは、合併効果が本当にあったのかどうか、どうもよく分からない乱高下をしている。
ただし、経営上の効果については、別な評価もあるかも知れない。有力な選手の補強にカネを使うより、他球団を買収する方が安上がりだった可能性もある。だが、理論的には強いはずのオリックスより、あまりにも弱くて見ていられない楽天の方が、人気が高いような気がする。少なくとも、自分は楽天の勝利をうれしく感じる。特に今年は、野村監督が就任4年目にして、その選手育成が実を結んだ年、ということになるだろう。あるいは、弱体なりに選手を使いこなす野村野球が結果を出した、というべきだろうか。
その楽天、結果を出した野村監督を予定通りクビにして、来年は今年広島の監督を解任されたブラウン氏を招聘するらしい。12球団中、最も年俸の安い監督に差し替えることは、経営合理化の一環とも言われている。野球というのは、一種の総合芸術で、グラウンドで戦われる試合の他に、選手をスカウトする能力、その人件費を抑える技術、更にはM&Aによって他球団を買収する能力など、チームにはいろんな力があって、結果が出て来る。
クライマックス・シリーズで楽天が日本ハムに敗れた時、負けた野村監督の方が胴上げされたが、その輪の中には梨田監督以下オリックスの選手も多数いた、という光景は、人間のやるスポーツには、資本の論理だけでは済まないものがある、ということを教えてくれるような気がする。

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