北朝鮮は、近距離のミサイルを日本海に向けて撃ち続けている。これに対して、日本政府は強硬な態度を取るべきだとか、国連は抗議すべきだとか、マスコミは口先だけは威勢の良いことを言うが、実効性がないことは、何よりも明らかだろう。もちろん、非難されることが分かった上でやっていることであるから、外交的なプロトコルのひとつとして、強硬な非難をしておくべきではあろう。
しかし、彼らと最も深い経済的な利害関係を持つ中国は、北朝鮮の行動をどうやって自国の国益と結びつけるか、慎重に測っているところだ。そして、かつて北朝鮮を産み落とし、育てて来た「ソ連」の後継者であるロシアもまた、重大な関心をもって事態の推移を観察している。
金正日の後継者と喧伝されはじめた金正雲が中国を極秘訪問した、という記事が朝日新聞に載って、中国政府が否定したが、その後も、Financial Timesなどが同種の情報を掲載しているから、おそらくこれは朝日新聞の言う通りなのであろう。
かくして、北朝鮮を巡って、アメリカ、日本、中国、ロシア、韓国および当事者である北朝鮮という6カ国は、それぞれに思惑を抱いての神経戦に突入している。北朝鮮は、金正日の後継者を巡る権力闘争の季節となり、様々なグループがどの外国を後ろ盾に付けるか、という事態に突入しているように思われる。
「中国派」「ロシア派」がいるのは当然だが、アメリカを引き込んでこれまでの自国の政策を一気に裏返してしまい、世界から認知される国家を樹立する、という「アメリカ派」があってもおかしくない。もちろん、韓民族は一体だ、という民族主義を打ち出して、韓国主導で統一国家を樹立しようとする「民族派」も存在するに違いない。しかし、最も面白いのは、せっかく日本には朝総連という組織があるのだから、これを通して日本政府を動かし、親日的な国家を樹立する「日本派」というのはどうだろう。
これまで反日だったものが、急に親日なんてあり得るのか、と反論されるであろうが、鬼畜米英を連呼していた日本人が、突然「Give me chocolate」と言い出した例もある。反日を連呼するから、心の底から日本を嫌っている、と思うと、案外そうではない可能性があることも知るべきだろう。

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