今朝のNHK短歌をまだ布団の中でぐずぐずしながら見ていた。選者は現代短歌の第一線で活躍する東直子さん。聡明な方で話言葉にもよどみがなく、朝の空気にそのまま溶け込んでゆくような声もいい。髪をいじりながらあの〜あの〜と連発するタイプとはまるで違う。
今まででいちばんひどい嘘はどれ漂白液にカップはゆれる
白玉粉器用に丸める父だった悲しい秘密あったと知らず
看護師に終の化粧をほどこされ白寿の命は静かなりけり
からす瓜のレースの花びら透かし来る白き朝風ここだけの風
白い雨降り続いてる後半生雨のしずくを集めてすごす
途中から見たので入選句のすべてを聞いたわけではないが、若い感覚によって 短歌の調べが時代を共有しながら再生されているような新鮮さを感じた。
念のためネットで調べてみると選者は、東直子1963年生まれ。米川千嘉子1959年。今野寿美1952年。加藤治郎1959年。40代〜50代のバリバリの現役作家であり、それぞれにキャリアは相当なもの。もちろん年齢だけが評価というわけではなく、重鎮が選者になることもある。
だが仮の話としてNHK川柳なるものが実現したら誰に選者の資格が与えられるのだろうか。重鎮ではなくベテランとして80〜70が中心になるのだろうか。50〜40の選者がいるのだろうか。個々には有能な若手もかなりいる。しかし結社のトップが自分をさておいて若手を推薦するとは、いままでの例からしても思えない。さびしいかぎりではないか。
脇を支えられてやっと登壇する選者を見るにつけ川柳の不毛を思い知らされる。そしてわたしは絶対ああはなるまい自分に言い聞かせている。

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