Y新聞へ投稿された【短歌】を読んで。
**清水選
『名を惜しむ人になれよと口癖の 亡き父偲ぶ傘寿の吾は 高松市k氏作』
戦陣訓の歌 (昭和16年・作詩梅木・作曲須磨)
日本男児と生まれ来て
戦の場(には)に立つからは
名をこそ惜め武士(つわもの)よ
散るべき時に清く散り
御国に薫れ桜花
僕は当時中学生であったが、日本が米英支と戦っていたので、戦陣訓の歌を歌うと高揚感があった。
この短歌を読んで、「名を惜しむ・・亡き父・・傘寿」に共感。
戦後もいろんな場面で「名を惜しむ」と、「命を惜しむ」ことに遭遇した。僥倖か必然か傘寿の秋に至っている。
『駅までの三里の道の遠かりき 東京見ぬまま母は老い臥す 埼玉県Kさん作』
ご母堂は、駅から三里の故山に寧日ない日々を送られて、「老い臥す」今になられたのであろうが、「都会なんぞ」子が思うほど親は行きたくもないものだ。老いゆけば、故山の花鳥風月また宜ろし、の世界なのである。「老い臥す」は気にかかる。
**岡野選
『戦なき美しき日本百代の 後もつづけと願う八月十五日 芦屋市Kさん作』
選者評「現代の歌人はこういう、(正述心緒)の歌をあまり歌わなくなった。だが万葉集以来、大切な歌の伝統である。戦後レジームを批判するより、まず60年の平和を守ったのが美しい日本である。」
・re-gime = 制度・政治体制・社会組織。
首相のAさんが、「美しい国日本」「レジーム」という言葉をよく使った。
50数年の昔、「アンシャン・レジーム」という言葉を何かの機会に憶えた。Aさんがレジームという単語を使ったので吃驚した。フランス語かと思ったらレジームは英語だったので二度びっくり。「アンシャン」は多分、フランス語だろう?
『熊野ゆく旅寝の宿となりにけむ 巨き洞もつ古道の楠 八王子市S氏作』
世界遺産に登録されながら、そのしばりの軋轢が古道を蝕んでいるようである。
晩秋に熊野古道を尋ねる予定である。図書館から本を借り出してきて、調べている。ツアー参加であるから、「巨き洞」に旅装を解く事も無いであろう。しかし香りよい楠の大樹に触ってきたいものである。
一書によれば『楠・・晩秋、径約8ミリの果実を結ぶ。幹・根・葉から樟脳をとる。』とある。古道の樹木は、世界遺産であるが、匂い・香り・を取るのは許されるであろう。
(写真は青紫蘇の花)

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